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ギター・カレー・馬脚

馬脚を露わす…積極的に

来月の頭にmei eharaのライブが台湾で行われるので、数年ぶりにパスポートを引き出しから取り出して中身を確認した。2015年に台湾へ旅行した際に作った有効期間が10年のパスポートだ。

パスポートを開き、証明写真を見ると、今よりも肌がツルツルしていて贅肉もついていない。そして目つきが鋭くて異様である。ちょいと殺伐とし過ぎてはいやしまいか、と思わずにはいられない。そこで、ウケを狙ってInstagramのストーリーズに「8年前の自分、世界と仲直りできてない奴の目をしているね」というキャプションを添えて投稿してみた。おおむね好リアクションをいただけたのだが、それと引き換えにフォロワーが2名ほど静かに去っていた。

自分の姿が写った画像を載せるとフォロワーが減るというのは、SNSではよくあることらしく、似たような報告をこれまでに何度も目にしている。フォロワーが減るのは悲しい。忸怩たる思いだ。だからもう二度と顔面を世間様に晒すのをやめよう。そう考えるのは早計である。むしろ今すぐアイコンを顔面に変更するべきだ。そうすればフォロワーの減少という現象を未然に防げるはずである。フォロワーは、増えなければ減りもしない。原因を根幹から絶ってしまえ、という戦略だ。

自分には「来るものを拒み、去る者は追う」節がある。後者のほうがより深刻かもしれない。誰かにリムーブされるたびに「鳥居を置いて行かないで!鳥居をそちらの世界に連れていって!」と懇願したくなる。人に見限られるのは切ない。やるせない。暗澹たる気分に囚われる。そんなものは勝手に期待して勝手にがっかりするほうが悪い、とドライに受け流せる人も世の中には存在する。いさぎよい。たしかにその通りだ。けれども自分はそのように振る舞えない。なぜなら根がウェッティで、ウジウジと考えるほうがしっくりきてしまうからだ。

かつて大滝詠一はこう言った。期待は失望の母である、と。人から失望されるのが耐えられないのであれば、期待の芽を潰しておくしかない。あらかじめ馬脚を露わし、ボロを出し、化けの皮もメッキも剥がしておけば、無用な期待をかけられず、ひいては失望されることも避けられる。

そもそも自分のポテンシャルを高く見積もり、自分で自分に期待をかけるのが悲劇の始まりだといえる。人々から期待を集めるために、いかにも有能な人間であるかのように振る舞ったりするから散々な結果を招いてしまうのだ。そう考えれば、馬脚は積極的に露わしたほうが良い、といえるだろう。常にズボンのチャックが全開になっていると思って行動すべしと心得たい。

家でギターを弾くのが楽しい

最近、ギターを弾いていると楽しくて時間があっという間に過ぎてしまう。気がつけばギター熱が再燃していた。きっかけはなんだったのか。今にして思えば、10月の後半にテデスキ・トラックス・バンドのライブを取材で観に行き、デレク・トラックスの華麗なギター捌きを目の当たりにしたのがきっかけだったのかもしれない。

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