【ランニング日記】ランニングを始めた、ハワイのワイマナロを思い出す【12/20(月)〜12/24(金)】
12/20(月)
週末は富士山のふもとで撮影。良いお天気の中輝く富士山と楽しいおしゃべりとおいしいごはんに癒やされた。しかし問題は、週末家を開けた時のおうちの散らかりっぷりである。ぐったり疲れて、しっかり寝坊。息子がゆっくり家を出るというので、7キロはがんばって走ることにする。
ステラの新しい長袖のウェアを着て走る。これがめちゃくちゃ快適すぎてびっくりする。ぴたっと肌に密着するタイプなのだけれども汗をうまく発散するらしく、走っていても熱がこもらず暑くなりすぎない。走りはじめの寒さも軽減される。まじもう、あの「走り始め、寒いですよね!」って言ってくれたアディダスショップの店員さんに今からでも抱きついてお礼を言いたい。足りなかったのはアディダスショップへ行くことだったのだ。
しかも、デザインもなかなか良い。すごくかっこいい。ありがとうステラ。大好きだよステラ。
かくして、まあそれなりに、がんばって走ることができた。しかもなんと。新しいApple Watchをとうとう手に入れたのだ。nikeアプリはちゃんと立ち上がるし、電源は急に落ちたりしない。めちゃくちゃ快適である。なんですぐ買いなおさなかったのかね私は…
それにしても、今日はタイムを確認しながら走ったはずなのに、時計をしていなかった時となんだかんだ、あまり変わらなかった。最近はほんと2キロくらいからタイムが落ち、うしろでまた持ち直す、というのが定番のようだ。…ようだ、とか言ってる場合じゃないけど。
そういえば昨日の撮影でご一緒したFLOWのTAKEさん(もんのすごおおおおおおおおおおおおおおおくすてきな方だった…)は、初めてのフルマラソンでサブ4を達成したそうだ。(そしてそれでもういいやと思って走らなくなったそうだ。)私なんて4年以上毎朝走っていてもサブ4を達成できる気がしない。人っていうのは生まれつきの能力の差があるのだ、当たり前だけど。私は生まれ変わってもトリプルスリーを達成できる気はしない。
それはもちろん運動能力に限ったことではない。どれだけ努力したって手に入らないものというのは正直、山のように、ある。
だけどTAKEさんが言っていた。「成功っていうのは、やめなかったということ」と。いやほんとうに、そのとおりなのだ。だから私は走り続けていよう、と、そう思う。その才能があるかはわからなくても、いや天才ほどの才能はどんなことにも全くないのだけれど、それでも続けていくことで見える景色は、きっとあると思うのだ。天才じゃない私にできることは、それだけなのだ、と思う。がんばろう。
12/21(火)
遠距離恋愛の日。みたいなのがあった気がするぞ、今急に思い出したけど。
それなりに早く起きたはずなのだけれど、こどもたちのバケットを切ったりねこのトイレを掃除したりしていたらすっかり出るのが遅くなり、なんとか8キロを走る。
外はほんとうに寒いけれど(河口湖のようだ)私にはステラのジャケットがある。今日もまたステラとアディダスショップのおねえさんに感謝しながら走る。
遠くに、朝焼けに染まる富士山が見える。つい一昨日はすぐ近くに見えたわけだけれど、100キロも離れた東京でもこれだけ美しく見えるというのはすごいことだよな、と思う。富士山の美しさってほんとうに、格別だ。ほかにはない、美しさがある。
途中疲れつつも、まあまあ悪くないタイムで8キロを走る。今年は去年より少し遅い時間に走っているので、気持ちが少しだけ、ほんの少しだけ、軽い。なんとかこのまま、がんばって冬を乗り越えたいものです。
12/22(水)
なんとなく今日は木曜日だとばかり思っていたら、水曜日であった。曜日感覚も曖昧なら、今年が終わる感も皆無である。ううむ。終わるのか、仕事。(ひとごと)
なんだか今日はぐっすり寝たようで、起きたら6時前だった。まあいいように言っていますが寝坊です。でも、おかげでけっこうすっきりと起きられた。胃のあたりはちょっと重いけれど。もう少し夜に食べるものを軽くしたいですね。
今日も息子がゆっくり出ると言うので、ぎりぎり8キロを走る。今日も朝焼けの空に、富士山が見える。キロ3キロマンが向こうから軽快に走ってくる。私はああしんどいと思いながらなんとか足を進める。
ウェアのおかげでほんとうに、寒さは随分軽減された。毎日言っている気がするけれども毎日思っているのだから仕方ない。ほんとうに、ありがたい。
走り始めはゆっくりめだったけれど、最後に少しスピードを上げて、今日もまあまあ良いタイムで走り切る。10キロ走る、というモチベーションがなかなか出てこないわけだけれど、それでも週に40キロ、というのを維持している。そういう、モチベーションに対する「工夫」って結構大事だな、と思う今日このごろ。
12/23(木)
まず、起きた瞬間から窓の外で「びゅうううういいいいいいいうううんん」というものすごい音がした。風の音である。なに!?嵐!?と、思ったら雨は全く降っておらず、ただただ強い風が吹いている。
めちゃくちゃ寒そうなので、あたたかいウェアにしようと思ったら、おニューのステラは2枚とも洗濯されていない。洗濯担当の夫が、乾燥機にかけない洗濯物をためまくっている。
Apple Watchを充電して寝たはずが、なぜか、充電されていない。
体重を計るとまた元気に増えている。
とりあえず、もう4年くらい前に買ったステラのジャケットを羽織って外に出る。寒い。とんでもなく、寒い。とにかく走りたくない。思わず「寒いわ」と、口にする。エルサか。いやエルサは「少しも寒くないわ」か。
とにかく挙げるときりがないくらい、「今日は走りたくないしほんとうにテンションが上がらない」という理由は山のようにある。そもそも私は、「よし!!!今日もいい天気だ走ろう!!!」みたいなキラキラとしたテンションは、普段から一切持ち合わせていない。それに加えてこんなに朝からテンション下がることばかりあるともうほんとうに、走りたくない。
何が言いたいかというと、おかげでタイムがやたらと悪い。こんな日はシャッフル再生で流れてくる音楽にすら文句を言いたくなる。もうちょっとランニングに合わせた曲を流してくれたっていいじゃないかぶつぶつ。
と言いながら、今日はちょっと時間に余裕があったので9.5キロを走る。(10キロ走る時間はなかったけど。)えらい。ものすごく、えらい。
少し曇った空に、富士山がほんのりと見える。冬の空気は冷たく鋭く、でもしんとして潔い。なんというか、「まあつべこべ言ってても仕方ないからとりあえずやるか」と、思わせるような空気だ。いや、つべこべ言ってるんだけども、でもまあ、つべこべ言いながらも、半ばやけくそになって、走っている。
そうすることで今日もなんとか「やることはやった」という、小さな達成が積もる。このあとまた筋トレしなくちゃいけなくてそれがまためちゃくちゃ面倒なのだけれども、それでも。
ところで走り終えて帰ってきたら、部屋が泥棒に入られたみたいになっていた。ねこが暴れまくったらしい。そういえば登校していく息子が、「ふすまが…!ふすまが…!」と、なにか言いたげにしていた。最後まで聞く時間がなかったけれど、こういうことなのだろう。
まったく、はちゃめちゃな朝である。まあこういう日も、あるということです。…いや、そんな朝ばかりですね。毎日そんな感じです。(今年もまったく仕事も家事も終わらなさそう)
12/24(金)
クリスマスイブですね、朝すっかり忘れていて、そわそわしたむすめに言われて思い出した。クリスマスイブですけれどももちろん私は走ります。
ここ数日、なぜか、初めて走ったハワイのことを思い出す。その頃私はまだサラリーマンで、あのやたらどきどきしながら各所に「すみませんここからここまで長期休暇いただきます」っていうのをやって(思い出した、あの上司に言うのが緊張するかんじ。いや、上司はめちゃくちゃ良い人だったので反対されることはまずなかったけれど、それでもあの緊張感っていうのはサラリーマン独特のものだ。)、あらゆる仕事の調整をつけて、晴れて一週間のハワイの旅に出た。
「もうオアフはいいよね」とか分かったような口をきき、アウラニディズニーと、エアビーでワイマナロに泊まった。ワイマナロビーチは本当に本当美しくて、時間の流れはゆっくりで(治安があまりよくないという話も聞いたけれども私が行ったときはまったくそんなことはなかった)、ランニングを始めるにはぴったりの場所に思えた。で、大昔に買ったランニングシューズと、使い古したふつうのズボン(パジャマみたいなもんだ)、よれよれのTシャツで、宿の近くを海沿いに走ってみた。
その頃私は健康のために毎日歩いて会社へ行っていて(2.5キロくらいはあった)体力はそこそこあるんじゃないかと思っていた。が、5キロくらいは余裕で走れるだろうと思ったら、1キロももたずしぬほどしんどくなった。もうほとんど歩くようなスピードで、なんとか3キロだけ走った。ほんとうになんだこれはと思うほどきつかった。あまりの「走れなさ」に愕然とした。
でもまあ「ハワイの海沿いを走っている」という妙な高揚感と、帰ってからダウントゥーアースで買い込んだパンと野菜とハムでおしゃれな朝食なんかを食べたりしたことで、テンションは、間違いなく上がった。
それが、私のランニングの始まりだ。
家の近所の川沿いを走りながら、ああしかしあのハワイがもう随分遠くに思えるな、と、感じる。そりゃそうだ、世の中だって大きくかわり、物理的にハワイへ行くことがえらく難しくなってしまった。子どもたちはすっかり大きくなり、やれ塾だやれサッカーだと、私よりも休みを取りづらくなってしまった。(我が家の旅行は、すべて息子のスケジュールによって決められる)
だけどまあ、あの日ハワイの陽気にだまされて、えいやと外に出てみたから今があるのだ。そういえばあのハワイで少し、「会社をやめようか」ということを考え始めていた気がする。なんというか大きなことを言えば「生き方を変えよう」と、思い始めていたのだ、と思う。
それは例えば、自分の意思で、働き方や働く場所、もちろん仕事の内容を決めること。つまり、自分の足で走ること。「走る」ということは、その小さな決意の表れだったのかも、しれない。
そして今私は、毎朝毎朝飽きることなく…いや、飽きてるけど…走りたくはないけれども…まあともかく、走り続けている。毎朝毎朝うだうだ言いながら、ぼさぼさの髪のまま、昨日も今日もなぜか息絶えたねずみを目にしながら(安らかに…)、走っている。自分の意思で、走ることを決めたのだから、ともかく足を止めずに進めようと、ただそれだけの小さな決意で。
その先に何があるのかは、私にはわからない。走ることを決めたのは私だけれど、特にゴールが見えていたわけではない。でも走ることで自分は少しずつ、(ほんの少しだけれど)、成長しているのだと信じて、今日も走るのだ。
あの日、ハワイで走り始めたことが、もしかしたら自分を今の場所に連れてきてくれたのかもしれない。それならばこの先もまた、きっと、楽しいことがたくさん待っているはずなのだ。それを走りながらまた、見つけていきたい。