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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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#エッセイ

【7/9阪神戦●】期待じゃなくて、信じること。

修行だ。 と、何度思ったかわからない。私は大切なことをいつだって、ヤクルトたちから学んでいるのかもしれない。忍耐とか、根性とか、宇宙の秘密とか。そう、ヤクルトは宇宙である。 「毎試合毎試合初回に失点していたらリズムも作れない。」と、たかっつぁんが言う。ここのところ、たかっつぁんは子どもたちのテストを見た私みたいな顔をしている。なんでこんな悪いのとか、なんでこんな初歩的なミスするのとか、問題よく読んだ?とか、前も言ったやん?とか、それだけはやっちゃだめって言ったやん?みたい

【6/5-12交流戦】ターニングポイントはあとからわかるもの。

「旅に出ている間はだいたい負けてる。」が、いつもの流れである。ところが先週は韓国にいる4日間、ヤクルトはなんと3勝1敗という成績だった。帰ってきてもなんだかんだと好戦を続けている。 「6月、なんかめっちゃ勝ってない?」と、ニュースサイトを見ながら息子に言うと、「そーなのよ。めっちゃ勝ってるの。でも、こんだけ勝っても、最下位なの。」と、息子が言う。「まじで!?」と言うと、「うん、しかも、個人成績見ても、本塁打も打率も打点も今1位はヤクルトの選手だけど、最下位なの。」と、重ねて

【5/30ロッテ戦△】うまくいくときは謙虚に、うまくいかないときは必要以上に悲観的にならないように

山田哲人のホームランを見るたびに、ああ生きててよかった。と、大げさでなく思う。

【5/23横浜戦●24中日戦○など】 連敗中の負け方、勝ち方

0-4で負けている試合。ところがそこから、むねちゃんがホームランを打ち、サンタナがそれに続く。「二者連続ホームランなんて、久々に見たんじゃない!?」「楽しくなってきた!!」と、家の空気まで一気に変わったのを感じる。 そのあともヤクルトは、てっちゃんがヒットを打ち、そこにむねちゃんが続きさらに1点を返した。てっちゃんのヒットは、なぜだか胸を打つ。存在がもはや、ドラマティックになってきた。 だけどこれは、ドラマではなく現実だ。ヤクルトたちは、誰かを感動させるためではなく、勝つ

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【5/18阪神戦●】土曜日、気のおけない友人たちと、飲みながら。

打者の打ったボールが、きれいなカーブを描いて、スタンドに入っていく、その瞬間の、なんというか芸術的な美しさも、スポーツの楽しさの一つかもしれない。 と、私はもう何杯目かもわからない日本酒を飲みながら熱弁していた。土曜日、14年ばかりの付き合いになる友達の家で、信じられないくらいおいしい手料理と、ビールとワインと日本酒を、気のおけない女友達といっしょに飲みながら、めちゃくちゃごきげんになっていたのだと思う。なんせ、昼間っから飲み続けていたので。 すると特に野球に興味がないと

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【4/29-5/1巨人戦◯◯◯】ちゃんといいときがくることを。

思い出してみてほしい。今季、めっちゃ悔しい逆転負けをした日のことを。そして、それが連日続いた日のことを。思い出せるだろうか。私は正直言って、あまり思い出せない。

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【4/21横浜戦●】 雨の神宮の、記憶

ものすごおおおく久々に、レフト側の、ヤクルト応援席に座った。ライト側よりものんびりとしていて、後ろの席ではお父さんが小さな女の子に、「あれはね、ネクストバッターズサークルといって、次のバッターが待ちながら打つ練習をするところだよ」とか、ゆったりとした口調で教えていた。「つばみちゃんもうくる?」と、レインコートを着たその小さな女の子は何度も、お父さんに聞いていた。春の雨が降る肌寒い神宮で、なんだかそこだけはぽかぽかあたたかい空気に包まれていた。 一方私たちは息子と、「いかにし

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【4/16中日戦●】「しあわせの瞬間」の話

よしもとばななさんのなにかの小説で、「しあわせの最中に、ほんとうにしあわせだと気付けることは少ない。」といったような一節があった。「だけど人生に数回だけ、しあわせの最中に、しあわせだと感じられることがある」みたいなことだったように思う。もう、どの小説かも忘れてしまって、正確な表現はわからなくなってしまったのだけれど、でも私はこの「事実」についてずっと考えながら、人生の半分以上を過ごしている気がする。 私にとって、「しあわせの最中に、しあわせだと感じられた」ことで覚えているの

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【4/14横浜戦◯】ヤフーレの好投、西武のこと、横浜中華街。

日曜日、横浜へ向かう電車の中で、息子から西武とソフトバンクの試合結果を聞き、震え上がった。土曜日は愛するオンナトモダチたちと飲み会だったので、ヤクルト以外の試合結果やニュースを全然見ておらず、そんなこと全く知らないまま眠りについていたのだ。

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【3/30・31中日戦△◯】 夢の国で、ずっとヤクルトを見ている

春休み、土曜日の東京ディズニーシーは、めちゃくちゃ混んでいた。混んでいるだろうと予想して来たけれど、想像以上に混んでいた。春休みに行こうと約束していたディズニー、あいている日が今日しかなくてやってきたけれど、あまりの人出にびびった私はとりあえず、ビールを飲む。 ここのビールは、なんと神宮よりも安い。物価高の折、なんだか相対的に、ディズニーリゾートの物価が手頃に感じるようになってきた。不思議な時代である。 さて、混んでいるディズニーといえば、待ち時間である。そして待ち時間の

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【9/26阪神戦●】今年のヤクルトと、私の毎日と。

なんといってもこちとら、最下位争いのまっただかなかである。しかもかなり、熾烈である。なんなら、去年の優勝争いよりも熾烈である。いったいもう、どうなっているんだこのチームは。 朝晩は涼しくなり、私はいいかげん、夏を諦めなければならない覚悟を決める。今年も本当に、あっという間に過ぎ去ってしまった。夜の神宮でおいしくビールを飲める時期は、ほんとうに短い。 今年はなかなか神宮へ行けないまま、秋が来てしまった。仕事が慌ただしい…と、いうよりは、中1と小4になった子どもたちが、なんだ

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【9/20,21中日戦◯●】今年のチームは、今年しかないのだということを

早くにマウンドを降りるカツオさんを見ながら、ああ今日は厳しいか…と、思う。いつだって祈るような気持ちでカツオさんのマウンドを見つめるけれど、それはもちろんうまくいくばかりではない。カツオさんは言う。「うまくいかなかったことの方が、多いですが」と。

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【9/17,18巨人戦●●】サヨナラ負けと休日。

もうサヨナラの翌日は国民の休日にすべきである。と、思っていたら、たしかに月曜日は休日であった。敬老の日だけど。しかしその日もまたサヨナラ負けするとは聞いていない。休日にサヨナラ負けしたら翌日はどうするんだ。そうです、振替休日にするべきである。振替とはなんだという疑問は残るがそんなことを気にしている場合ではない。こちとら2日連続のサヨナラ負けである。仕事とかしている場合ではない。

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【9/14広島戦●】歓喜の瞬間に、めいっぱい喜ぶこと。

ほんで結局負けるんかい!!!!!!!と、私はテレビを消す。「え、うちが勝ったらこれ、神宮で『阪神優勝おめでとうございます』みたいなスクリーン流すんかな?ハマスタでやってくれたみたいなやつ。まあ、ええけどね?」と、えらそげに言っていた2時間前の自分をぶっとばしたい。負けるんかい。 結局、うちが勝とうが負けようが、阪神は自力で優勝を決めた。優勝直前に失速するとかのあるあるも全くなく、勢いに乗ったままそのまま優勝に突っ込んでいった。強かった、ただただ、強かった。 この二年、阪神

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