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東京ヤクルトスワローズ観戦エッセイ

ヤクルトが勝った日も、負けた日も、打った日も、打たれた日も、ノーノーの日も、(ほぼ)毎試合、観戦エッセイをアップします。勝った日は喜びを倍にし、負けた日は悲しみを半分…いや8割……
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#引き分けの試合

【10/20阪神戦△】「勝てなかった」ことより「負けなかった」ことが自信になるように

たいへん個人的なことですが、ここのところ大変、慌ただしい。というのも、夫がまたもや(一年に360日くらいはある)多忙期に入り、ろくに家におらず、まあいつものことではあるけれども日々のごはんも掃除も子どももねこも植物も塾もなんやかんや一人で回しながら仕事しているとさすがに「…むりだわ!!」という日がやってくる。 で、こんなときはあれですよ、と、一休のサイトからホテルのスパを予約して行ってきた。プールで1キロ泳ぎ、プールサイドで本を読み(ちょっと仕事をし)、マッサージを受けて、

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【10/13◯・14△中日戦】勝てたこと、勝てなかったこと、負けなかったこと。

少し前、田口は「まだまだ僕たちは挑戦者」と、言っていた。 ヤクルトが、シーズン終盤にきて初の首位に躍り出たときだ。 「挑戦者」だったみんなは、そこからなんとかここまでふんばり続け、首位のまま10月を迎え、マジックを点灯させた。

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【9/25中日戦△】「不安」に押しつぶされない、投手陣の踏ん張り。

「ノーノーじゃないの。」と、私はビール(にせもの)を飲みながらつぶやく。昨日と打って変わって肌寒い神宮である。持ってきたパーカーを、思わず羽織る。 「ノーノーですねえ」と、息子が答える。外野席グルメを堪能する!と、ポップコーンを頬張っている。特にそれは外野席グルメでもなんでもないと思うのだけれど、なんにしてもこうして「その日の楽しみ」みたいなのを見つけていくのは良いことだ、と思う。そう、ここまでノーノーで進むような、こんな試合の日も。 「打線がおもたーいね、なんか入る感じ

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【9/18巨人戦△】みやさまがいた松山で、どろんこになっていた塩見のこと

(写真は、3年前の松山キャンプの紅白戦で息子が書いていたスコア表。なつかしい。) 満塁ホームランを打った翌日に、サイクルヒットを達成した選手なんているのだろうか。いるのです。それが塩見である。 「あれ、塩見サイクルリーチやん」と、私はようやく気づく。 「でもなあ、サイクルがかかるとなったら緊張して打てなくなるかも…」と、言った瞬間、塩見は最後の2塁打を放った。あまりの展開に私はまた思わず、笑ってしまう。この世には予想もつかないことが山のようにあるけれど、塩見が満塁ホーム

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【9/14阪神戦△】引き分けは、うまくいくことと、うまくいかなかったことが同じだけ重なった結果なのだろう

ホームランというのは、1本でいっぱい点が入るからすごい。と、小学生のようなことを今、かみしめている。ホームランってすごい。味方のホームランはあんなにもテンションが上がるけれど、9回表に打たれる同点3ランは、こんなにも心をえぐられる。なんで私は野球を応援するはめになったのだっけ…と、もう何度目だという天を、私は仰ぐ。天も仰いだ私の顔に飽きてるんじゃないかと思う。 でもそれは、「逆転」の3ランにはならなかったんだよな、と、時間が経って今、改めて思っている。それは、あくまでも「同

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【9/2巨人戦△】勝/負の間にある薄い紙切れ一枚を破るために

一位になるためには、一位に勝たなければならない。 当たり前のことだけれども、それがとても、難しい。 超えられない壁では、決してないはずだ。勝てたはずの試合展開だって、たくさんあった。例えば昨日のスガノみたいな試合はもうどうにもこうにもいかない部分はあるけれど、今日だって、一昨日だって、これだけ「悔しい」という思いが残るということはそれは、惜しいところまでいった、ということなのだ。

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【8/28横浜戦△】みんな、ぐっちを待っていたのだな、と思う

「ここでもし誰かが出塁したら、ピッチャーに回ってくるから、そしたらぐっち出るかな…」 そう言いながら、ネクストバッターズサークルをのぞき込む。 ここのところ、「いつぐっちが出てくるか」を予想するのが、我が家(というか私)における観戦の新しい楽しみになりつつある。好きな選手が打席に立つことが、こんなになんというか、心躍る大切な場面だったのだと、なんだかここ数試合で、私は改めて思い出している。 もちろん、いつだって出続けていてほしいけれど、そうじゃないときだって、いやそうじ

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【8/25中日戦△】「次」がいつ来るかはわからないけれど、だからこそ

8回裏の攻撃タンパク問題。というのが、私の中でよく叫ばれる。タンパクというのはここのところ私がそればかり言っているタンパク質の話ではない。淡白、である。(なんの話だ。)

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【7/4中日戦△】101回目のマウンドが苦いものになっても

101回目のマウンドが、どんなマウンドになるかは、100回目にはわからない。そもそも、それがいつやってくるかさえ、わからないのだ。 その「いつ自分がマウンドに立つのかわからない」というところが、中継ぎピッチャーの大変なところだよな、と、思う。その日の試合の流れによって、登板の有無も、仕事の内容も変わってくる。 今日訪れた101回目のマウンドで、シミノボは先頭打者にヒットを許し、続くビシエドに同点の2ランを打たれた。今や誰もが待ち望むカツオさんの一勝も、そこで消えてしまった

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【6/30阪神戦△】 一つの勝敗には、もっといろんな要素が絡み合っている

栗さん(栗山監督)は、試合の中に「あの場面が勝敗を分けた」といったような場面はない、と言う。 私はこの栗さんの考えがすごく好きだ。もちろん、その1点がなければ勝っていた(かもしれない)、その1点を取っていたら勝っていた(かもしれない)、という点はたしかに存在する。勝利投手がいて、敗戦投手がいて、勝利打点というものがあるわけで、それはたしかに「勝敗を決める」場面では、ある。 だけど、一つの試合には、それまでにもっといろんな場面がある。9イニング分、打者9人分、その一打席一打

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【5/16中日戦△】重さを背負って臆病になって、だからこそ人はきっと、強くなる

朝、Apple Watchの曲をシャッフル再生にしながら走っていたら、 Official髭男dismの「宿命」が流れた。 なんの曲だっけこれ…と走りながら考えていて、ああそうだ、奥川くんの登場曲だ、と思い出した。 去年、奥川くんの初登板の日にこれが神宮に流れて、息子が「ああ奥川くんこの曲なんだね!これあれだよ、甲子園のテーマソングだよ!」と、教えてくれたのだ。なるほど、それは奥川くんにぴったりだ、と思った。

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【5/12広島戦△】ビールもない、点も入らない、そんな日もてっぱちの盗塁は光る

「そうだ、そーれが見たかったんだ。」 と、となりでてっぱちタオルを掲げたおっちゃんは、一人しみじみとつぶやいた。

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【5/5阪神戦△・5/7巨人戦◯】青木の2つの内野安打

5/5 阪神戦△ 青木は、足をもつれさせながら一塁に走り込んだ。気迫、としか言えない。その表情にはもう、気迫があふれていた。 39歳の、本気だ。私はその、本気を見た、と思った。

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【4/21広島戦△】石山がそこで一人、戦うその姿が

石山のマウンドの表情に、自信があるのかないのかなんだかよくわからないけれどもとにかく画面のこちら側からも祈らずにはいられないその表情に、いつしかなぜか、励まされている自分に気づく。そこで一人、何かと戦うその姿が、孤独であるはずのその姿が、ここにいる私たちを、鼓舞していく。 そこはとても、不思議な場所だ、と思う。 ♢ 「石山はさ、ランナーを背負ったときのほうが、被打率ががくんと下がるのよ。だから、ランナー出しても、大丈…夫…」と、息子がデータつきの選手名鑑を片手に励まして

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