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あの感情にまた会いたい
あれは大学4年生の時だった。就活中だった僕は、近所のコメダ珈琲で作業をしていた。当時目指していたスポーツ系企業の選考に向けて準備を進めていると、志望理由やスポーツそのものへの思いなどが内からあふれてきて、何か一つの作品にまとめたいと思った。ちょうどその頃に存在を知ったnoteを開き、書き始める。1時間後には、1300字程度の作品ができあがっていた。
それが、僕が書くことの喜びを知った日となった。あれから約4年。タイミングのずれや思考の変遷などあり時間はかかったが、来月から書くことを生業としていくことになる。おそらく仕事とは関係ないところでも、こうして文章表現し続けていくことになると思うが、あの日の感情は未だに忘れられない。
あんなに高ぶったのは初めてだった。スポーツ観戦のような爆発的な高ぶりとも違う、自身の内から何かじわじわとせり上がってくる感覚。静かな環境の中で、僕は何かとんでもないものに手を出してしまったのではないかと思い違うほどの背徳的な興奮。脳みそが熱くなっていく一方で、言葉の連想を止めてはだめだと荒くなる呼吸。『サマーウォーズ』のラストシーンくらい動き続ける手指。書き進めるほどに、僕が僕自身に、こんな表現が出来る人間だったのかと驚いていた。いつも自身を客観視してしまう性格の僕が、良い意味で裏切られたのは初めてだったかもしれない。
それからも、なにかと書くことには頼ってきたが、あの日を超える高ぶりを感じたことはない。特に最近は毎日のように形に残しているので、ある程度慣れてきた部分もあるかもしれない。来月からは、本格的に社会で通用する文章を磨いていくことになる。いつか、またあの高揚に巡り会いたい。自分で自分に驚きたい。その糧に、このnoteも少しは貢献してくれれば良いなと思いつつ。
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