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雲のようなものだとして
知り合いの一人に、LINEの返信が遅い人がいる。こちらが送ったメッセージに返答するのが、平均3~4日。飛脚に紙の手紙を運んでもらった方が速いのではと思うほどだ。これではコミュニケーションが成り立たないので、自然とその人とはあまりLINEをしない。
なぜこんなネガティブなエピソードを書いたかというと、この事実を必要以上に気にかけている自分に気がついたからだ。
転職やnoteへの投稿が良い方に転じて、最近は「余計なこと」によく気が回るようになった。時に、それはかけがえのない思考の芽に成長することもあるし、あるときは、ただの惰性で終わることもある。そして、後者の状態に陥ったとき、僕は必要以上にココロに傷跡を残してしまいがちなのだ。
返信が遅い人のことも、前職時代は特に気にとめていなかった。むしろ、僕こそ返信が遅いミイラになることもあったので、その人の気持ちはよく分かる。目の前に数多とあるタスクに優先順位をつけて取り組んでいく以上、仕事にも関係なく、かつ滞ってもビジネス的には何ら問題ないプライベートな連絡は、自然と後回しにされがちだ。
その積み重ねで、周りにどんどん冷たくなる自分が恐ろしくて転職したのは言うまでもないが、とにかく僕は、頭では理解できているはずのことを、いつまでも反芻して悩みの渦に陥る癖がある。
その最たるトピックが人間関係であることは疑いようがない。そこにあるのは僕とあなた、そして、1ラリーにも満たない会話。たったそれだけの情報が何倍にも誇張されて、少し余裕が生まれた僕に襲いかかってくる。それを、真正面から受け止めなければいいのに。相手にここまで期待しなくてもいいのに。
晴天に漂う白い雲も、数時間経てば夕立ちを降らせる雨雲に姿を変える。それでも僕は、なんとかしてそいつを変えてやろうとは思わない。所詮、他人なんてものは、そんなものなのだろうか。そんなマインドと、少々の慈しみを両立させられたら、どんなに生きやすいだろうか。
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