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ポジティブな諦め

僕は自分を客観視してしまう性格なので、どこか面白がって自身を観察するような感覚になる。虫かごの中身を観察するように、自分の行動や心情の変化をある種楽しみながら見守っている。その中で、ここ3ヶ月ほどで少し変わったな、と嬉しく思う自分の変化がある。

自身の心が、良い意味で「諦める」選択を瞬間的にとるようになったのだ。

人は、大小問わずいくつものハードルを飛び越えていかなければ、前に進めない。目の前の障害を分析・研究して、準備して、あるときは試みが上手くいかなかったりして、それでもなんとか越えようとする。これまで、僕はその過程において、自身の能力以上のことを求めすぎていた。変に完璧主義なところもあるので、足りていないことばかりに目が向いて、勝手に緊張して、あたふたして、ハードルの前で停滞してしまうことが多かった。

それが、ここ3ヶ月ほどで急にマインドが変わった。ネガティブな要素ばかり捉えていた目線が、少しずつ、この瞬間に最大限出来ることに向き始めた。

その変化をもたらしたのは、やはり休職だろう。間違いなく、心身共にこれまでの人生のなかで最悪の状態だった。いま振り返っても恐ろしくなるほど、周りにも冷たくなり、そんな自身にも失望していた。それは、周りとの関係を丁寧に構築したいと願う僕が最も恐れていた状態だった。自身に合わないことを続け、怠るべきではない習慣から目を背け続けた果ての堕ちっぷりに、僕はひどくショックを受けた。

そこから、少なからず回復した今。かなりマインドがすっきりしている。何に焦点を当て、どの要素を後回しにしたり、諦めたりするのか。そのコンパスの精度が高まった気がする。最悪の状態だったあの頃に戻りたくない、という強迫観念とはまた違う。あんな状態にまた近づいてしまうこともあるだろう。ただ、この期間で得た教訓は数知れない。堕ちきったあの時の自分をどこか鼻で笑いつつ、次はもう少し上手く立ち回ってみるよと、手を振って別れを告げるような感覚だ。

もうすぐ年が明ける。上下動の激しい一年だった。その起伏がもたらしたものが、この先を照らし続けますように。


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