教えて!お金の神様「保険ショップから54歳まで収入保障が付く保険を勧められましたが、この保障期間で大丈夫なのでしょうか?」
Q. 保険ショップから54歳まで収入保障が付く保険を勧められましたが、この保障期間で大丈夫なのでしょうか?
A. 他の予算を調整してでも年金受給開始の65歳までは収入が付けるようにすることをお勧めします。
現在30歳の加入者が54歳の時に現在2歳の子供が既に大学を卒業して社会人になっており、奥さまが働けば何とか生活可能ということを予算に合わせて提案があったようですが、私はこの提案に疑問を感じました。
加入者が54歳の年までは保険金が出ます。しかしながら、それ以降から年金受給開始の65歳までは収入が不安定になります。お子様が社会人になっている歳とはいえ、そこから奥さまがいきなり雇用が確保することも難しいことも踏まえると少なくとも年金受給開始の65歳までは他の予算を削ってでも引き伸ばすことをお勧めします。
よくわかる解説
まず、保険には加入者が亡くなったら3千万円や5千万円など保険金が支払われる商品と収入保障が付帯している、つまり、給料の代わりに月々15万円や20万円などの保険金が保障期間まで毎月支払われる商品があります。
後者の商品が「収入保障保険」と呼ばれるもので、今、非常に人気のある保険のタイプで加入者の収入を保険で補填するような商品です。例えば、加入者が30歳で亡くなった時は、30歳から保障期間(質問者の場合だと54歳)まで保険金を受け取れます。
次に収入保障の期間が54歳までのプランで大丈夫なのか質問について答えます。「なぜ54歳なのか?」に関しては、加入者の予算に限りがあるので年金受給が始まる65歳までの保障期間にすると保険料がかなり高くなり予算オーバーしてしまう。よって、予算から54歳までとなったというのが保険ショップからの説明のようです。加入者(旦那さま)が54歳の時には、現在2歳の子供が大学を卒業して社会人になっていて、奥さまが働けばその先は何とか生活していくことが可能であるという見込みからこのプランを提案されたと思います。
この話を私が聞いて疑問に感じました。私は「保険は費用対効果で選ぶ」という話をよくしますが、もちろん費用対効果を追求さえすればよいわけではありません。保障の観点から考えるとわかるのですが、「夫が亡くなる」ということは家族から見た時にとても大きな出来事です。生涯年収で考えて、現在30歳で何もなければ65歳くらいまで働き収入があります。60歳定年の会社であっても、例えば、再雇用などで65歳まで働くと生涯2億6千万円程度のお金を稼ぐと言われています。これが万が一「夫が亡くなる」ことで一気に収入が0円になるということはとても大きい出来事です。家族のその先を成り立てていくことをしっかりと考えないといけません。「予算が足りないからと言って54歳までにして大丈夫なのか?」というと54歳から保険金の支払いもなることを考えると子供が社会人になったから言って大丈夫と言いきれません。
相談者(奥さま)が現在、週に3回をパートタイムで働いているとのことです。そのような方が、「夫が亡くなった」からと言って急に週5回フルタイムで働ける体力があったとしてもいきなりフルタイムの正社員として雇用先が見つかる可能性は低いです。このようなリスクを考えた場合に、できれば他の予算を削ってでも少なくとも年金受給開始の65歳までの保障期間まで伸ばすことをお勧めします。