生一本 草間弥生さんと松本
あることを知った前と後では、
その印象が大きく変わることがある。
長野県松本市。美しい松本城と古い町並み。
そして松本市美術館。
入り口には、ドット柄の大きな花のオブジェ。
松本市出身 草間彌生さんの作品だ。
私は彼女のことはよく知らなかった。
明くてポップな現代アートを作る人。
だからその人も明るくポップな人生を送っている。
そんな認識だった。
美術館の中には小さな図書館があって、彼女の本がいくつかある。
彼女の文章は、とても素敵で、私は2時間読み込んだ。
印象に残った文章。
彼女はもともと幻覚や幻聴に悩んでいた。彼女の制作とは、それらから身を守るため、作品全体を水玉(ドット)で埋め尽くす儀式でもある、とされる。
ちょっとびっくりした。儀式としてずっとドットを描くなんて。
アートって奥が深い。
草間彌生さんは、90歳を超え、あれだけ有名になりながらも、生一本、作品をつくり続けているそうだ。