優しさのかけら

もうすぐ終わると察している。それはある程度確信のあることで変えられないことである。

なぜなら自分のことではないから。

どうでも良いとか関係ないとか無関心なわけでもない。でも、その結果は変えられない。

私たちは血が繋がっているけど、違う人間で、あなたたちは血が繋がっていないけど家族だから。

だから。

だから、上手くいかなくて離れてしまうときもある。

だから、上手くいかなくても繋がっているときもある。

その関係は時間とか努力とかで解決できないときもあって、互いの不満が溜まると取り返しのつかない結果になる。

誰のせいでも誰のためでもない結果。

各自が自分の未来のことを考える。そこには誰もいなくて私だけの幸せを考える。

同時にそれは相手のことだけを考えた結果でもある。そこには私だけがいなくて私の幸せが考えられている。

あなたを想うから優しさを掛け違えてしまって、寂しさだけが残る生活を続けても何も起きない、誰も楽しくない。

人は、建前や目先だけの甘さに気を取られて大切なことを忘れてしまう。

だから。

だから、精一杯の愛と誠実さを見せなければいけないのにそれさえも忘れていって、宙に浮いた優しさの欠片がすり減っていくのが見える。

日が経つごとに薄く、小さくなっていく。

周りについていたでこぼこがすり減って埋められ、もうピースとしてパズルを作ることは出来ないみたいだ。

もう一度表面を足して減らしても、完成したのは情けないくらい小さなパズルだった。

形は四角におさまったけど絵柄は継ぎ接ぎでどんな模様だったかはもう分からない。

それと同じように形だけ整えて何が描いてあるか分からない生活は綺麗に続くことはない。

それが自分にとって、どうでも良いとか関係ないとか無関心なわけでもない。でも、その結果は変えられない。

私たちは血が繋がっているけど、違う人間で、あなたたちは血が繋がっていないけど家族だから。


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