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放木栽培

心に浮かんだことを書いていく
構えずにただ流れゆく雲を眺めるような気持ちで
こうやって書いてみようと思ったきっかけは
坂口恭平さんの著書「生きのびるための事務」
「独立国家の作り方」などで有名な
あの、もはや何をやっている人か本人もよくわからないというあの恭平さんに影響されてやってみています。

どうせ続かない
文なんて書けない
表現できない
ネタないし

なんてブツクサ言ってても
時計の針は止まらない
まず書いてみる。
それ以外に何か方法があるだろうか?

私がお世話になった大学の当時の学長のスローガンは

「まずやってみる」

この言葉は何かを企んだとき
二の足を踏み込んでいる時に
そっと背中を押してくれてきた。

同時に あの松下幸之助さんの
「なんでもやってみなはれ。やらなわかりゃしまへんで」
という言葉も
時々躊躇している人や自分にプレゼントしている
関西弁はネイティブなので
もちろんイントネーションはバッチリだ。

さてさて
今日は
キノコの栽培方法について
書いてみたい。

キノコの栽培方法は、腐生菌では大きく2系統
・菌床栽培
・原木栽培
がありまして
私は原木栽培でシイタケを栽培しはじめてかれこれ10数余年たちました。

その原木栽培の中にもジャンルがありまして
・長木栽培・・・約1mくらいの原木を使った栽培
・短木栽培・・・ナメコなどのサンドイッチ栽培
        20cm程度に短く切った木の切り口に種菌を塗って積上げる
このうち日本で広く大規模に行われているのが長木栽培です。

このほかに伐り倒した木をその場でホダ化し、その場で収穫するというスタイルの、いわゆる「本当に長い長木栽培」もごく少数ではありますが存在するようです。

さて表題の「放木栽培」とは何なのか?
これは私が構想中・実験中の栽培方法で
大まかには上記の「本当に長い長木栽培」とほぼ同じ手法になります。

つまり
①山で木を伐採し
②その場で植菌し
③その場で収穫する →山から持ち出すのは収穫物であるキノコだけ

この過程①の木を伐採する際に、広葉樹(老齢コナラ林)を「適切に更新し、若返らせていくための択伐をする」という事が放木栽培の肝と考えます。

これは以下の二点

・キノコを栽培するための「ある程度の日陰」を得るために
・萌芽更新や種子更新を行うためにはある程度の開けた明るい場所が必要になる

この条件を満たすために

・ごく小規模(1a程度)のパッチ状に
・樹齢や地形・栽培環境などを考慮して選んだ広葉樹を

選択伐採する必要があると考えます。

また②③は
現在の原木シイタケ栽培が、伐ってきた原木を条件の良いホダ場に集める「集約型」だとすれば、その真逆、思いっきり「散在型」の方法をとっています。
なぜ効率のわるい散在型を行うのか?
それは作業者と山のウェルビーイングを進めるためです
つまり作業者の腰に優しく、山の地形も全くいじらない=崩落しにくいようにするためです。

現代に生きるコナラは「巨大」です。
戦後しばらくは燃料として大いに利用され、伐採され続けてきた時代のコナラは小さく細かったのですが、市民の燃料が薪から石油由来のものに変わるにつれ、木は伐採されなくなり、ひたすら巨大化の一途を辿り、樹齢60年以上過ぎたコナラは胸高直径30cm以上はザラ、中には50cm以上の強者もいます。
これは1mに切ったとしても数十kg〜100kgの重量級であり、人の手で運び出すスタイルの搬出方法では早晩ニンゲンがやられてしまいます。
かくゆう私も腰が痛い事がもはやデフォルト状態
老齢期までファンキーなMushroom hunter であり続ける予定なので
腰を守る
これほんとに重要。

また、当地(鳥取県日野町)の地形と土質は特徴的で
たたら製鉄の主産地だったこともあり、
山は急峻
土質は花崗岩が風化した真砂土である事が多く、崩れやすいのです。
昨今の「搬出ありき」の林業では、搬出のための作業道をつける事が前提です。

しかし作業道をつける場合、まず高価な重機(ユンボ3tクラス以上できればもっと)やトラックが必要となり、その燃料油も高騰しています。
また急峻な真砂土の山に作業道をつける事自体が崩落の危険性があり、災害のリスクとなる危険性をはらんでいます。
そこまでして急な山に切り込みたいか?と問われると、できればそのままに、道をつけたくないという思いが自分にある事を最近気づきました。できればそっとしておきたい。

では③キノコを収穫して、キノコだけ持ち帰るにはどうするか?

10kgや20kgならなんとかなりますが、
最盛期のキノコ(とくにシイタケ)は1日に100kg以上取れることも珍しくありません。それが何週間か続くような世界線です。
ではどうするか?

人力収穫×ドローン集荷

がベストではないかと考えます。

人がハイキングして山に登り、キノコを収穫する
それを産業用ドローンで集荷
平地のトラックまで空輸する
というものです。

まだまだドローンは高価ではありますが、
重機と燃料と人件費を考慮すると、ドローン空輸が損益分岐点を超える時代も近いのではないか?と思います。
木材を空輸することは非常に大変そうですが
木をキノコにして運べば まだ可能性を感じます。

以上 まだまだ構想段階+ちょっと実験中というものですが
私一人の力ではなかなか難しい面があり、
森林生態学的な知見をお持ちの方やドローンの技術者の方など
各方面のご協力を得て昇華させていく必要を感じています。

またこの方法での問題点として
最終生産物はあくまで「原木栽培のキノコ」であり、食材としての販売をした場合では、生態学的な意義などを含めて付加価値を高めて売ったとしてもその値段がそこまで高くないことだと思います。

食材としての販売ではなく
きのこ狩りツアーなどの体験として提供していくなどして
その付加価値を高めていく方法の検討が必要だと思っています。

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