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なぜ「利用論」が必要か?【M―000】⊂利用論でミュージアム

noteサークル『利用論でミュージアム!』の公開記事(M-000)です。
利用者主体によるミュージアムシーンの形成をめざす「Museumソムリエ」プロジェクトがお届けしています。

Museumソムリエの高山です。
note記事の中では、
案内人ACとしてお話をさせていただいております。

本日の『利用論でミュージアム!』では、
ミュージアムにとって「利用論」がなぜ必要なのか
を振り返ります。

ミュージアムに限りませんが、
「利用」がなければ、「運営」は成り立ちませんし、
「運営」がなければ、「利用」もできません。
利用と運営は、このようなバランス関係にあります。

また、
「運営論」を、運営サイドに視点を置く考え方だとすると、
「利用論」は、利用サイドに視点を置く考え方だと言えます。
とくに、
運営サイドにいる者が、利用サイドに視点を置いて考えることができるかどうかは、きわめて重要な分かれ目となります。

ミュージアムの世界でも、利用者研究マーケティングに取り組んできてはいますが、その成果を聞くことはほとんどありません。
それは一体、なぜなのでしょうか?
おそらく、
それらの取り組みが「運営論」としてなされてきたからではないかと考えます。
残念ながら、
ミュージアムの世界では、
利用サイドに視点を置く「利用論」で考えることがうまくできなかったのかもしれません。

だとすれば、
ミュージアムにおいて、
「利用論」は、博物館学などの「運営論」を補完し、ありたい将来像に近づくために必要なものだと言うことができます。

ここで、
利用論に出てくる一組の概念図をお見せします。
左の図は、運営論に基づく組織構造
右の図が、利用論に基づく組織構造
です。

左は、〈ピラミッド型〉
組織構造として、いろんな所で見かけるものです。
明治以降、西欧から日本に持ち込まれた組織構造だと言われています。
右は、〈逆ピラミッド型〉
この図の意味を理解するには、利用論を理解することが必要になります。

この2つ、
逆さまな構造で、対立するもののように見えますが、
利用と運営の関係がセットであるように、
この2つも「セット」
なのです。
ミュージアムでは、この「セット」がうまく形成されてこなかったと言えます。

ですが、
同じ文化施設の中でも、
この利用論に基づく組織構造がうまく形成されているものがあります……。
さてそれは、
次回(M-001)の答え合わせで……。

このつづきは、
noteサークル『利用論でミュージアム!』の公開投稿でお話ししています。


利用論でミュージアムを考えてみたい方におすすめします。
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