経験が万能じゃないのよ ジョージ・E・ハイン『博物館で学ぶ』
自分自身の反省もふまえて言うのだけど。
学芸員としての経験を単に生き生きと、鮮明で、興味をかきたてるだけでは、学芸員課程の授業にはならない。
学芸員としての経験を教育的なものとして語るためには、きっちりと系統立てて語られないといけない、と思うの。
学芸員として経験を積むと「学芸員とはこういうものだ」という価値観が身につくと思うの。
でも、大きいところもあれば、小さいところもあるし、オーソドックスなところもあれば、革新的なところもあり、何もできないところもあれば、自由度が高いところもある。今はこうなっているけど、過去はちがうかもしれない。
自分の持つ価値観がどこに位置しているのかを系統立てて説明できないと、単に自分の「学芸員像」を押し付けているだけにならないかしら。