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大阪へ「桐龍座恋川劇団」2

大阪への観劇旅2日目。

朝日劇場で昼夜を楽しみました。偶然にも二代目恋川純座長の長男、桜奨(おうすけ)くんの誕生日公演でした。

大衆演劇を観るようになって驚いたことの一つに「誕生日公演」があります。そのままのとおり役者さんの誕生日のスペシャルな公演のこと。私は大衆演劇のことはわからないので、イベントなどは調べたりせず、まだ自分の行ける日優先です。

今回も日程を先に決めていましたが、嬉しい悲鳴でした。桜奨くんの12才のお誕生日。お芝居も主役級だし、舞踊は個人が2曲とラストショーが「三人吉三」これはかなりお稽古が必要な内容だと素人でも思います。

父である純さんはこの日も休演。気持ちは図りしれません。でも、桜奨くんは堂々と演じて私を魅了してくれました。

昨年の浅草木馬館で一度拝見しました。その時の口上で純さんが「我が子ながら品がある」とお客の笑いを誘っていたのを覚えています。

その時より少し成長した桜奨くんは確かに品がある(笑)純弥さんが言っていたとおり、初代から続く、純さん純弥さん兄弟の血を受け継いでどんな役者さんになるのか楽しみです。


お芝居は「やくざの花道」
桜奨くん大活躍でした。
殺された親分の敵討ちをラストに遂げるお役。

お顔が綺麗だし所作も綺麗。お芝居が大好きというのが伝わってきます。声変わりが近づいているようで、少しかすれたりしたけど、言葉がはっきりしていて子供らしくてよかった。

手拭いの内側で血のりをつけるのも手際よくてびっくり。大きくなったら弁天小僧なんて似合いそう。途中で取れてしまったピンマイクをセリフを言いながら付け直そうとしたけど、決して手元を見ず、お役のままでした。結局付けられなくて懐の中に入れていました。なかなか冷静ですごい。

ラストの純弥さんとの場面が胸アツでした。純弥さん演じる旅人が悪者を羽交い絞めにして、桜奨くんに敵を討たせます。怖がっている様子に活を入れて勇気を奮い立たせます。

伯父と甥、大衆演劇界の先輩後輩。。リアルが重なって誕生日の’はなむけの言葉’に聞こえました。良い日に立ち会えたなと感動しました。

純弥さんは、殺された親分と一騎打ちをした旅の渡世人。実は戦っている間に、親分は鉄砲で子分に殺されてしまう。そして、残された者たちのことを親分に頼まれる。

悪者役の千弥さんが純弥さんにじっと睨まれるシーンがあるのですが、純弥さんの圧がすごくて真剣に後ずさっているように見えました。

ラストの言い回しが最高にテンション上がりました。外題が入るところ。聞かせどころをちゃんと聞かせるって大事。余韻が心に残る去り方もいい。良い芝居だったなぁと思わせてくれました。

娘役の純加さんの語りもよかった。恋川劇団の皆さんはセリフ回しが上手いなぁと思う。言葉が響くのです。これは純さんもそう。

そして、昼の口上には全員並んで圧巻でした。真ん中は純さんの代理、ドンキーコング。前日は純弥さんとの相舞踊でしたが、口上にも登場です。

恋川劇団は写真掲載OKがラストショーだけなので、個人の写真が全てOKな純弥さんの写真をアップします。友人が撮影した素敵な写真をご覧ください。

誕生日公演で何が踊りたい?と聞かれて、桜奨くんは「黒田節」と答えたそう。渋い(笑)本来なら純さんが振り付けをするはずだったのを、急きょ純弥さんが振り付けをして踊ることになりました。

これが立派でした。裃姿で花道から登場し、道具の扱いも安定感あるし、丁寧に踊っているし。子供だから曲に合わせてきっちり踊るって大変だと思うのです。大人の一歩と子供の一歩は違いますし。。純弥さんがどうやって振り付けたのかも聞いてみたい。

もう一つの個人舞踊は、お客さんからのお祝の着物を着て登場しました。変面の技も早い!純さんを彷彿とさせる派手な拵えもかっこよかった。

そしてラストショーの「三人吉三」

aya撮影

心でキャーっとなりました。12才かっこいい!歌舞伎でもお馴染みの和尚吉三のセリフもばっちり。とにかく言葉が明快で子供らしくていい。立ち廻りも速かった。大好きなのだなと伝わりました。末恐ろしい12才です。


ここからは純弥さんの舞踊のお写真です。

背景の劇団の幕に拵えと佇まいが合い絵のような一枚。

道具の扱いもいつも素敵です。

鬘っていったいいくつ持っているのだろうと思う。あ、衣装もだけど。組み合わせで新鮮に見えてるだけなのかな。純弥さんは荒ぶっても品があるから好きです。

この日は黒髪が多かったです。

この赤と黒のお衣装も好き。「赤と黒のブルース」という曲だけど、アップテンポで好きなテイスト。以前どこかで見た時にテンションがすごく上がった思い出。

後半の激しい踊りの部分にワクワクしてました。

ダンスナンバーは客席通路を使って近くまで来たので固まってしまった(笑)こういう時のリアクションが取れないんです、私。

上の友人の写真がさすがなのですが、私のスマホだと近すぎて緊張してこうなる(笑)

aya撮影
aya撮影

猿之助さんもこんな感じで踊りましたよね?猿之助さんの大衆演劇のパフォーマンスがもう一度観たいです。

で、安定のお坊吉三。落ち着く(笑)

澤瀉屋の紋に私のテンションも上がります。もはや純弥さんでしか見ることができません。

花道でキマる姿もかっこいい。芝居もラストも純弥さんの殺陣を観ることができて嬉しかったです。迫力があって攻めているのがいい。

大衆演劇も尋常でない量の雪が降ります。

この瞬間を撮影できたのがすごい。


昼から夜へ。桜奨くんは進化していました。

希望そのもの。
キラキラしていました。

大衆演劇界では、もう少ししたら親の片腕になる年齢だそう。観続けたいと思います。夢をありがとう。

aya撮影

純弥さんの後ろ姿もいいのです。


aya


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