大阪へ「桐龍座恋川劇団」1
20日から3日間楽しんだ大阪の旅を綴ります。
大衆演劇2daysの後、京都南座で歌舞伎。。という予定でしたが、恋川劇団の座長が休演となったことで私の心に火が点き予定変更。3日目も大阪に留まりました。
二代目恋川純座長が体調不良で休演の情報を道中で知りました。高熱が出たそう。この日から6日間、兄の純弥さんがゲスト出演だったため、急きょ純弥さんが柱となり劇団の皆様総力戦の公演になりました。
兄がいるからホッとして疲れが出てしまったのかと想像してしまう。役者さんが舞台に出られない悔しさは、猿之助さんの怪我の時に嫌というほど感じたので心が痛みました。
1日目、友人とランチをしてから朝日劇場へ。通天閣近くにある老舗の劇場です。夜の部から拝見します。
純さんの休演に伴い芝居が変更になりました。「浜の兄弟」昨年、浅草木馬館に恋川劇団が来た時に、純さん主演で観たお芝居です。今回は純弥さんが主演です。
浜の積み立て金を盗んで江戸へ行ってしまった弟。残った兄、母は辛い思いをしながらそのお金を返す日々でした。やっと返済が終わり、働いた報酬で百両を手にします。
そこに弟が浜に戻ってきます。しかもまたお金を盗み、罪を犯していると知って兄は怒り心頭。弟をかばう母の姿に悔しさも溢れてきます。
兄は激怒して弟を追い出しますが、実は持たせた荷物の中に稼いだ百両を入れてあげていたのでした。。。。
兄役を純弥さんが演じました。弟がいなくなってから、封建的な浜の社会の中で苦労した感じが痛いほど伝わりました。二度目の罪を犯した弟に対して、蓋をしていた心の中のものが一気に溢れ出して止まらなくなるのがすごかった。聞いていて私も苦しくなってしまった。
純さんで観た時、かなりコミカルだった場面が、純弥さんでもコミカルでした。純弥さんは三枚目をしないのですが、笑いを取り入れないわけではなく、純さんとはひと味違った大人テイストの可笑しみになりますね。
絡む女房役の桃子さんは喜劇のセンスがあって好きです。品があって安心します。純弥さんとの夫婦役が少しの場面でも癒しでした。
母親役の真子さんは、純弥さんと桃子さんのお母様。実の親子が演じているからリアルな感覚も面白かったです。二人の息子を思う愛に溢れていました。親孝行者でも、そうでなくても、息子は息子なのですよね。
弟役は、かれんさん。可愛い娘役から、立役まで務める役幅が広い役者さんです。純弥さんの熱演に呼応するように熱い芝居でした。昨年に増してよかったです。当時は、女性なのに立役もなさるのだなぁと驚きました。
ラストのどんでん返しに「そうだった!」と新鮮に驚いちゃったし、純弥さんの演じた兄が不器用で愛溢れていて素敵でした。何より、それぞれが家族を思う気持ちが一つになって幸せな余韻でした。
恋川劇団を観るのは昨年10月以来です。座長の純さんは三枚目も得意で、お芝居にもよりますが、アドリブや面白い場面があるイメージです。兄の純弥さんは正統派。そういう場面は他の方に任せて、芝居をギュッと濃くして満足させてくれます。同じ芝居を兄弟それぞれで観ることができて嬉しかったです。
その後に口上がありました。純弥さんと劇団の千弥さんで、純さんの体調のことやその日の経緯など。朝に純さんのことを聞いたそう。そこから外題を変え、舞踊の構成も変え。。
感染症は別として、歌舞伎も幕を閉める選択肢はありませんから、何事もなく上演されることに慣れてしまいましたが、決して当たり前ではありません。
一人一人の日々の努力とチームワークがあるからこそ。大衆演劇は毎日お芝居が違います。こういう時は歌舞伎より力があるかもしれません。
口上でさらっと話す純弥さんに強さを感じました。猿之助さんの過去の代役の妙は有名です。何としても幕を開けてきた数々の公演が重なり胸がギュッとなりました。
そして、舞踊ショー。本来のゲストの立場より、おそらく大幅に出番が増えた純弥さんを楽しめました。恋川劇団はラストショーのみ写真掲載OKですが、純弥さん個人は全てOKなので載せています。
ヘッダーの写真は、純さんの代わりに。。とファンの方が幕間に届けてくれたというドンキーコングと相舞踊をした純弥さん(笑)純さんが少しゴリラっぽいということらしくて。。。。
ここからはお友達がカメラで撮影した写真です。掲載OKいただいています。素敵なのでシェアです。
舞踊ショーは衣装も楽しみ。歌舞伎では考えられない派手なものから、正統派な紋付まで様々です。カツラとの組み合わせや化粧も個性が出て面白いです。
純弥さんの津軽三味線が好きです。役者である彼が表現する音が他の誰より心に刺さります。演奏からそのまま舞踊に入るのもならでは。
6才から日本舞踊を習っているそう。形が綺麗で、キマル時の止まる姿勢もかっこいい。
かと思えば、こういう姿もあるわけです。
役者さんって色気がありますよね。鬘と衣装でいろんな種類の色気がコントロールできるのかなと思うほど。
朝日劇場は照明機材がすばらしくてライティングが凝っています。それに負けてない純弥さんの空間支配力(笑)
坂本龍馬もきた!
ラストショーは「夜もすがら踊る石松」
立派な花道があるのですが、スッポンもあってびっくり。歌舞伎ではまず撮影不可能な角度からのせり上がり写真を友人が撮影(笑)この距離感が大衆演劇の醍醐味の一つです。ちなみに私は前方の席にいたため気づくのが遅れるという。。
とても見応えあって楽しかったです。
このリラックス感が好き。
翌日は座長の長男 桜奨くんの誕生日公演。
12才が頑張りました。
続きます。
aya