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<2010年アメブロ編序幕⑧>

しばらく亀治郎さんの舞台はなく、久しぶりに拝見したのが7月の「伝統芸能の今」募金の歴史が始まった公演です(笑)8月には「亀治郎の会」で初役の狐忠信。熱い夏でした。


7月15日 浅草公会堂の今!

こんにちは。今、浅草公会堂に来ています!市川亀治郎さんと三響會がコラボする「伝統芸能の今」です!

なんと、亀治郎さんが募金箱を持って立ってます!!

募金しながら話しかけてみた。三兄弟もパンフレット販売してますっ!もうすぐ開演です!


7月16日 市川亀治郎×三響會 伝統芸能の今!

昨日、浅草公会堂で行われました「伝統芸能の今」市川亀治郎さんと邦楽界の三兄弟、能楽囃子大鼓方の亀井広忠さん、歌舞伎囃子方の田中傳左衛門さん、田中傳次郎さんの特別公演です。

また、この公演は小児ガンの子供たちを助ける「ゴールドリボン基金」のチャリティー企画です。昨年9月に一日だけだった公演が2回目の今回は全国ツアーです。私も2回目となります。

全国11カ所、22公演。浅草で千穐楽です。まず驚いたのは、亀治郎さんが募金箱を持ち、傳左衛門さんがゴールドリボンバッチを手渡ししてくださる!!二人してバッチをこのあたりに付けて!とアドバイス!亀治郎さんの気取りがない言葉や、傳左衛門さんの優しい声が印象的でした。

横では、広忠さんと傳次郎さんがパンフレットを声を嗄らして販売!!お二人の汗が凄くて、頑張って!とまわりから声を掛けられていました。最初から感動です。。。

演目一つ目の舞囃子「道成寺組曲」で開演です!「道成寺」の世界を囃子だけで表現する曲。亀治郎さんの素踊りと三響會全員の組み合わせはこの会ならではです。薄暗い下からのライティングも効果的で、屋外の静寂の中で拝見しているような神秘的な感じでした。

二つ目は座談会!四人で素のトークです。ここは前回の公演より皆さんがしゃべり慣れてきたな~と感激です。特に、広忠さんのほんわかキャラには癒されます。パンフレット販売した感想や、幕間に「サイン入り大鼓の皮」の販売をする宣伝を広忠さんが言うといやらしくないから不思議。

亀治郎さんは、伝統芸能の世界に何不自由なく生きてきて、これからも不自由なく暮らしていく私たち。。といつもの毒舌を交え、そんな私たちがこの公演を通じて社会の勉強をさせていただいたと、「感謝」のひと言でこのツアーを締めたい、とおっしゃっていました。

三つ目は、「屋島」広忠さんの大鼓と謡の方、二人だけの「一調」という形式での演奏です。鼓と謡の真剣勝負!広忠さんのお声が迫力満点で圧倒されました。

四つ目は舞踊「藤娘」傳左衛門さん、傳次郎さんをはじめとする長唄囃子連中と亀治郎さんの女形舞踊です。

亀治郎さんの女形は久しぶり!また、この先しばらく拝見できそうにないので集中です。藤娘は私にはいつも少し単調に思えるのですが、なんのなんの、艶っぽく愛嬌たっぷりで、お客さんに視線を送っては微笑み、会場全体を一つにしてしまう。

手のしなやかさや、体のしなり方は尋常ではないほど女らしいです。亀治郎さんも生き生きしていて、ノリノリだったような。

ラストはカーテンコール!楚々と下手から藤娘姿で登場の亀治郎さんは、間をたっぷり取ったお辞儀で拍手に応えて、お客さんを笑顔にしていました。出演者全員が登場してのカーテンコールは温かかったです。

前回は500人だった動員数が、ツアーにしたら15000人だそう。必ず子供たちのために使っていただきますっ!と亀治郎さんたちは約束をしてくださいました。真面目に取り組んでいる姿に私もパワーをいただきました。


8月18日 いざ「亀治郎の会」へ!

今日は私の夏休みラストの日!ラストはやはり歌舞伎です。国立劇場大劇場へ行ってきました!「亀治郎の会」初日です。私が歌舞伎に初めて出会ったのが、二年前のこの会でした。

演目は二本立てですが、16:30~21:20までの長丁場。休憩は15分が二回で少し忙しい感じ。私としてはたっぷり楽しめて嬉しかったし、何より亀治郎さんがノリノリで面白かったです。

写真はプログラム☆2500円と少し高めですが読み応えあり、おしゃれです。感想はまた明日。今日は余韻に浸ります。


8月20日 「第八回亀治郎の会」前編

昨日、大劇場で行われた「亀治郎の会」。18日~22日までの公演チケットがすべて即完売!追加公演まで瞬殺だったとか。初日は、関係者や芸能関係の方々の匂いがプンプンしますね。注目度がわかります。

幕間を入れて約5時間。皆さんすごくお芝居に入りこんでいたのが印象的です。それにしても、5時間を昼夜の公演っていうのは作り手の方々が大変だろうな~と思いました。

お客様全員のワクワク感や期待感がその場の空気に充満し、幕が開く瞬間の高揚感が拍手に乗って響きます。

猿之助四十八撰の内「義経千本桜」<道行初音旅>
舞台にいらっしゃる清元の方々が豪華!!清元延寿太夫を始め、語り、三味線の皆さんが普段の歌舞伎公演で拝見する方ばかりです。自主公演なのに凄いです。

延寿太夫のお声、久しぶりでしたが、味があって大自然の中を思わせるから不思議です。

静御前役は芝雀さん。とっても風格があり品があって素敵です。忠信は亀治郎さん。実は狐という役です。登場した時の拍手の大きさと、たくさんの大向うが三階席から降ってきたのには鳥肌が立ちました!

やはり亀治郎さんの踊りは好きです。テンポと間が絶妙で、清元と一体です。静の心を晴らそうとする優しさと、親狐の皮でできた静の鼓に対しての愛しさが可愛らしく伝わってきました。

<川連法眼館の場(四ノ切)>
義経役は染五郎さん。凛々しすぎます。門之助さんや亀鶴さん、吉弥さんが登場すると何だか嬉しいです。皆さんとても存在感がありました。

源九郎狐の亀治郎さんは、生き生きして表情がとっても楽しそう。早替りや瞬間の移動はさすがです!細い手すりの上を新体操選手ばりで歩いたり。とにかくいたるところで身体能力の高さに、お客さんもびっくり!

そして、心に染みたのが親を慕う心です。狐詞(キツネことば)もよく聞き取れて可愛らしい。いつも鼓の存在を気にしながら、手にすると無邪気に喜ぶ姿は会場の空気をあたたかくし、ジンと気持ちまでほぐしてくれました。

そして、待ってました!宙乗り狐六方!2本のワイヤーで吊されているだけなのに、あんなに激しく動いて大丈夫?とヒヤヒヤするほど大胆!お囃子のリズムに会場もだんだん手拍子になり、ノリノリでした。

澤瀉屋型の「四ノ切」ということで楽しみにしていましたが、現在のものは、音羽屋型や文楽の良いところを取り入れ工夫されているのだそうです。

役者さんをはじめ、そこにある聞こえるすべてがストーリーに添っているから、イリュージョンのような場面がとても自然に感じる「四ノ切」でした。

楽しませたい!楽しみたい!という気持ちが全体のパワーになってました。お客との一体感もすごかったです。


8月21日 「第八回亀治郎の会」後編

さてさて感想の続きです。<上州土産百両首>

幼なじみの正太郎・牙次郎。成長して久しぶりに会うとお互いスリになっています。そして、スリをやめてまっとうな仕事をして、10年後に再会しようと約束しますが、正太郎は直前に罪を犯し自分の首に百両の賞金がかかってしまう。その時、牙次郎は十手持ちになっていて。。

初演は、六代目菊五郎さんと初代吉右衛門さんのコンビで上演され、TVでは勝新太郎さん・藤山寛美さんなどのコンビで演じられてきました。そして、平成6年歌舞伎座で、当代勘三郎さんと猿之助さんの共演で話題になった作品なのだそうです。

兄貴分の正太郎には亀治郎さん。とてもイナセで言葉も格好良く、芯が通った男っぷり。弟分の牙次郎には、現代劇から福士誠治さん。驚いたり、落ち込んだり、「あじゃー」が口癖で、ついつい面倒を見たくなる子供のよう。

牙次郎の素直な性格は、そのまま福士さんの性格ではないかと思うくらい自然で、言葉が心に響き、時間が経つに連れて私も牙次郎を応援したくなっていました。亀治郎さんが福士さんをキャスティングした眼力が凄いです!

二人のコンビも息が合い、ホントに兄弟みたい。お互いを想い、信じ合う姿に胸が熱くなりました。ラスト、福士さんの心からの叫びは、人を慕い信じる気持ちが伝わりました。

お客さんもかなり涙していました。登場人物が皆、人情があって素敵なのです!TVなどでおなじみの渡辺哲さんも凄いです!あの存在感と哀愁で、その場が引き締まります。

亀鶴さんは悪役が似合いますね。格好良いです!門之助さん、吉弥さんの夫婦の優しさが感動。福士さんとの舞台上のスリーショットが、貴重な瞬間に思えて心の中でウキウキ。

女優さんも登場したので歌舞伎として観ると新鮮でした。舞台装置が、大劇場の奥行きを生かして作ってあり、月や背景の風景など、どれも素敵でした。

140分ノンストップ!歌舞伎でも体験したことがない長丁場でしたが、お客さんがどんどん集中していったのが凄い!このお話が大好きになりました。

人を慕い、その人を想って、自分が頑張れることは素敵なことだな。。とても心地よい余韻に浸らせていただいています。ありがとうございました!


aya


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