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<2011年アメブロ編序幕16>

久しぶりに過去blogの編集を進めます。私が猿之助さんにできること。15年間書き続けてきた中からピックアップして再編集し、まとめることをしたいと考えています。猿之助さんが休演している今、ここから発信することが力になると信じて続けていきます。

2011年は亀治郎ラストyearです。四代目猿之助を襲名することが発表されてからは、観る側も一つ一つがより大事になっていきました。10月は新橋演舞場で花形たちによる公演が行われました。初めて観る演目にワクワクする私がいます。


10月5日 新橋演舞場「芸術祭十月花形歌舞伎」昼の部

こんばんは。冷たい雨になりました。

新橋演舞場「芸術祭十月花形歌舞伎」昼の部。いまだ余韻に浸っております。三つ目の演目は「江戸っ子繁昌記 御存知 一心太助」です。

徳川家光の時代、江戸城では家光暗殺の陰謀が企てられていました。魚屋の’一心太助’は家光そっくり。家光を守るため大久保彦左衛門の思いつきで、太助は家光の替え玉となり、悪を倒します。

魚河岸のシーンや、狭くて質素な家だけど笑顔でワイワイやってる江戸の雰囲気に心躍りました。言葉のやりとりもポンポンすすみます。小気味よくて、心が通っている会話に温かくなります。

そんな人々の中で、獅童さん演じる魚屋の’一心太助’は人気者。真っ直ぐで熱い、粋でストレートな男。獅童さんはお茶目で好感が持てました。

新婚の妻・お仲は亀治郎さん。登場すると大きな拍手!昼の部はここで初めて登場ですから。そして、のっけから太助とのイチャイチャぶりが面白いです。太助に、ピトっとくっついたりして。女形でこんなに笑わせてもらったもは久しぶり。

特に、太助に成り済ました将軍家光との絡みがサイコーです。殿様言葉を使う旦那様。「殿様病」で記憶を無くし、頭が可笑しくなってしまったと信じ込んでいるお仲。自分のことを思い出してもらおうと一生懸命で可愛いです。

さらに面白いのが二役つとめる家光役の獅童さん。太助に成り済ました時の浮世離れした感じが、江戸っ子たちとテンポがズレズレで面白い。お仲や太助の魚河岸仲間に接し、人々の心のあたたかさに気持ちを動かされていく様子はジンとしました。

もっと面白いのが猿弥さん!家光を守護する大久保彦左衛門役です。いわゆる’じいや’です。替え玉を発案し、家光のために頑張る姿に癒されます。唯一、太助と家光を結ぶキーマン。両人がばれないようにフォローしながら焦る様子はかなり笑えます。

家光暗殺を企てる鳥居甲斐守役は、愛之助さん。悪役も良いですね~妖しい色気があり、悪なのに美しいです。端に座っていても存在感がありました。

柳生十兵衛役の門之助さん、格好良かったです!殺陣がスピード感あって素敵でした。御台所役(家光の妻)の高麗蔵さんも楽しいです。

太助が成り済ます家光に迫る場面よかったです。

右近さん(現 右團次)、登場シーンは少ないのですが、猿弥さんとの絡みがいっつも笑えます。右近さんと亀治郎さんのツーショットを舞台で初めて拝見しました。何だか感動でした。

それにこんなに大勢の澤瀉屋さん一門の中の亀治郎さんを拝見できて本当に嬉しいです。

ラストはハッピーエンド!!鳥居は捕らえられ、太助は無事に替え玉から解放!お仲のもとへ帰ってきます。病気が治って帰ってきたと思って喜ぶお仲や魚屋の仲間を見たら心が温かくなりました。

人を疑わず、真っ直ぐで素直で情に厚い。幕切れの獅童さんと亀治郎さんの笑顔が、会場内を優しくしてくれました。

2時間があっという間、笑えて、ほろっとして、すっきりします。三階席では、年配の男性女性問わず身を乗り出して笑顔で楽しんでいたのが印象的です。作品に思い入れがある方が多いのでしょうか。

私は初見でしたが、大好きな演目になりました!テンポが良く、スピード感ある舞台です。秋空のようにスカッとしたお話。すっごく楽しませていただきました。ありがとうございました!


10月13日 知られざる物語に亀治郎さん

こんばんは。今週火曜日22時から、BS朝日で始まった「知られざる物語 京都1200年の旅」以前から楽しみにしていました。

亀治郎さんがナビゲーターとなり、京都を訪ね歩きます。第一回は’東寺’にスポットをあてて、空海についても掘り下げ謎を解いていました。先日、空海と密教について博物館で見たばかりです。内容もよりよくわかり面白かったです。

1時間番組なのでたっぷりです!京都は詳しい亀治郎さんなのでトークも説得力がありました。

考えに芯があり、自分の言葉で僧侶に話しかけていたのではないでしょうか。まつわる歌舞伎の話も出てきたのも嬉しかったです。亀治郎さん独特の哲学’カメ哲’は私の頭と心に刺激を与えます。

こんなふうに語れる人と京都を旅したら楽しいだろうな~なんて思う。京都は大好きです。でももう2年くらい行けてないです。

とても優雅で贅沢な映像に、古を感じることができました.
来週は「古都を見つめる 清水寺の謎」予告では、亀治郎さんが清水寺や二年坂に溶け込んでいました。次回も楽しみ。


10月24日 新橋演舞場「芸術祭十月花形歌舞伎」夜の部

こんばんは。「芸術祭十月花形歌舞伎」夜の部。

猿之助四十八撰の内「通し狂言 當世流小栗判官(とうりゅうおぐりはんがん)」私は亀治郎さん主演で’猿之助四十八撰’の通し狂言を初めて拝見しました。

’小栗判官’’オグリ’という言葉は、亀治郎さんの話しの中でよく出てきたので楽しみにしていました。もうすでに猿之助襲名公演のような雰囲気の会場内。

物語を簡単にお話すると。。小栗判官(亀治郎さん)は、悪者の横山大膳(段四郎さん休演で猿弥さん)に監禁された許嫁の照手姫(笑也さん)を助けます。

しかし、追われた二人は途中ではぐれてしまいます。照手姫は漁師の浪七(亀治郎さん二役目)にかくまわれていました。そこに悪の手が伸び、浪七は命をかけて照手姫を守ります。

一方、判官は偶然助けたお駒(亀治郎さん三役目)に見初められます。祝言の日に照手姫と再会し、お駒との祝言をやめてしまいます。嫉妬に狂い、命を落としたお駒の怨念で判官は足腰立たなくなってしまいます。

それを遊行上人(愛之助さん)の霊力で直していただき、元の体に戻った判官と照手姫は、横山大膳たちを倒します。

初役の亀治郎さん、熱演でした!いつも楽しそうに演じている亀治郎さんが一生懸命という印象です。

昼の部の「一心太助」の’お仲’の雰囲気とは全く違います。5月の明治座の「四の切」とも違っていました。役が違うので当たり前なのですが。。オーラが違う。華があり、しっかりとした芯を感じました。説得力というか。。

判官は馬の扱いに手慣れている役。暴れ馬を乗りこなす姿は、愛情に溢れ、馬と会話をしているよう。馬に乗り、後ろ足で碁盤の上に立たせる曲乗りは圧巻です!’お~’と思わず声を出してました。

その瞬間、馬の上半身がワイヤーでつられるのです。絶妙なタイミング!足役の方々が本当に凄いです!馬ならではのリズミカルな歩き方に感動です!

二役目の’浪七’の立ち回りはスピード感がありテンポよく、大量の血を流す壮絶な死は観ていてハラハラしました。

三役目の’お駒’が登場すると、客席から待ってましたとばかりに拍手が起きました。やはり女形も一目拝見したいですから。そんな空気を感じるのか、亀治郎さんは客席へいつものアピール。

そして、ここからは判官も登場するので’早替り’で二役演じます。早いのなんのって!

私が好きなのは、早替りの引っ込む直前の’間’と登場した直後の’間’です。ほんのちょっとの’間’なのです。これが面白い。二役を同じ人がしているというアピールだと思うのですが、長すぎても嫌らしいし、無くても寂しい。絶妙なテンポにいつも感動です。

怒り狂うお駒が可愛そうでした。お駒を殺す母役の笑三郎さんが切なくてよかったです。

そして、宙乗りは二人乗りで馬ごと!ワイヤー技術恐るべし。一階席から見たら、天馬が駆け上っていくようだったでしょう。

私は三階でしたので、夢を届けてくれるような瞬間に思えました。亀治郎さんの小栗判官は、とても神聖な感じがしました。清らかで光に照らされているようでした。

まわりを固める右近さん、猿弥さんをはじめとする猿之助さんの一門の皆さんは何度となく演じている演目。照手姫の笑也さんは美しすぎますし、おちゃめな一面もあって笑いもありました。

亀治郎さんを座頭に、一門の方々の猿之助歌舞伎をこんなに早く拝見できるとは思っていなかったので、それだけで感動です。

そんな中、獅童さん演じる’橋蔵’は良い味を出してました!花道でCMの’細マッチョ’を踊るのは勇気いりますよね(笑)この橋蔵役は、二枚目役者が三枚目を演じるといういわゆる’おいしい役’猿弥さんのアドリブ的ツッコミもサイコー!面白かったです。

舞台装置が壮大で、転換が大変そうなのに自然でした。義太夫の重厚さで深みが増します。歌舞伎の工夫が満載でワクワクしっぱなし。パワフルでエネルギッシュで。。。凄く元気をもらいました。

三代目猿之助さんがおっしゃる3S、ストーリー・スペクタクル・スピード。亀治郎さんからは少し違う感覚を私は感じます。今は上手く言葉にできません。。

でもこれから体感して、ゆっくり確信していけたらと思います。小栗判官のこれからの進化も楽しみです!

私も、よりいろいろなことを感じる心に進化したいと思いました。叶う方は是非是非足を運んでみてください!楽しませていただき有り難うございました。

aya


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