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お染の七役

歌舞伎座観劇の次の日は明治座へ。

「十一月花形歌舞伎」夜の部に行ってきました。
中村屋の公演です。

観たかったのは二つ目の「お染の七役」主演の七之助さんが七役を早替りするのが眼目です。早替りをするスピードも見どころですが、七役の演じ分けも見逃せません。

七之助さんのお六がとても魅力的でした。演じ分けが巧みだから物語もスッと心に入ってきて楽しかったです。

何より。。。久しぶりに怒涛の早替りを観ることができて嬉しかった。そして、心に四代目猿之助さんが溢れてきました。

昨年5月、明治座で私の中の猿之助さんの時計が止まってしまった。今は気持ちは乗り越えられたけど、七之助さんの早替りを観たら寂しくなってしまった。

「お染の七役」は澤瀉屋のお家芸なのです。

今回の七之助さんが演じている脚本を三代目猿之助が新演出で1991年に歌舞伎座で上演しました。

資料によると、立役メインだった三代目は一度きりのつもりで上演したところ評判となり、すぐに再演、再再演になったそう。

それを18年ぶり2011年に四代目猿之助さんが演じました。

筋書より 四代目猿之助のお染(当時 亀治郎)

当時のことや猿之助さんの早替りの思い出が溢れました。無いことを考えないようにしても羨ましくなる。私だって観て興奮したい。観ながら血が身体をグルグル巡る早替りをもう一度観たい。

思い出は宝物。
猿之助さんの早替りの話を聞いてください。


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