<2010年 アメブロ編序幕⑥>
ブログを書き始めて初めての年末。2009年を振り返り、そして2010年は浅草歌舞伎で亀治郎さんを楽しみました。
12月30日 歌舞伎のおかげ。
今年もあと2日です。一年間、歌舞伎を楽しませていただきました。2009年の初歌舞伎は「新春浅草歌舞伎」一本刀土俵入。私の興味はどんどん広がり、狂言や文楽におよび、邦楽の演奏会にまで足を運びました。劇団☆新感線や通常の演劇も刺激的でした。
すべて楽しかったのですが、中でも團十郎さん復活の「象引」で心からの「有難う」に感動したこと、海老蔵さんの「にらみ」にオペラグラスが離せなかったこと、スーパー歌舞伎で本水にエキサイティングして、国立の市川右近さんの孫悟空に笑ったこと。
仁左衛門さんの「一世一代」の心意気に触れられたこと。歌舞伎版「桜姫」で因果応報のせつなさに心が痛くなったこと、夏の歌舞伎座で勘三郎さんの早替りが楽しすぎ、乱歩歌舞伎にワクワクし、「紅葉狩」では、やっぱり亀治郎さんサイコー!となりました。
クドカン歌舞伎に元気をもらい、野田版「鼠小僧」で今年一番泣きました。元禄と仮名手本、両方の忠臣蔵を体験できたのも面白かった!
歌舞伎の生命力を感じて、追い求め憧れた一年でした。役者さんの動きやせりふ・音・道具・衣装・照明・空間にあるもの全部に命を感じたのは、役者さんだけではなく、空間にあるもの全てがストーリーや登場人物に感動し、心を添わせているから伝わるもの!と信じて。
そして、自分自身もそうでありたい、そんな司会がしたいと考えてきた一年でした。
自分の心がどれだけ「感じる心」であるのか。。。感動したり、気持ちを添わせたり、感じる心になるためにはどうしたらいいのか。歌舞伎の進化に負けないよう、私も進化していけるよう頑張ります!
2010年1月6日 新春浅草歌舞伎 第一部
「新春浅草歌舞伎」へ行ってまいりました。たくさん浅草歌舞伎のポスターが貼ってあり、町が応援している雰囲気!公会堂までの道のりが嬉しく感じました。
会場内はお着物率が高く、近所から来た風なお年寄りや、若いカップル、家族連れなど通常の歌舞伎公演とはちょっと違って面白いです。そして、明らかに昨年より盛り上がっている空気を感じました!拍手が多い!大向うさんも聞いた声の方たちばかりでした!
恒例のお年玉、年始のご挨拶は男女蔵さん。これも恒例「オメッティ」コールで会場を湧かせます。先行してオメッティ~と大向うがかかったのには笑いました。
<正札附根元草摺>
亀治郎さん、勘太郎さんによる舞踊です。江戸のお正月といえば曽我物だったのだそうです。内容は力くらべ。草摺を引き合います。
お二人とも勢いと力強さがあり、隈取り姿が勇ましく、内面から出る二人の気迫くらべのようにも見えました。華やかで、明るい気分にさせてくれる舞踊でした。
<元禄忠臣蔵>御浜御殿綱豊卿
真山青果作の新歌舞伎。附けの音がない台詞劇です。赤穂浪士の一人と徳川綱豊卿が、仇討ちや浅野家再興を巡って心理戦を繰り広げます。
「綱豊卿」役の愛之助さん!上品で色気があって優しさがにじみ出ていて引き込まれました。台詞一つ一つが心に響いてきます。赤穂浪士達を思う気持ちに感動しましたし、ラストの浪士をさとす台詞は胸が熱くなりました。
浪士「助右衛門」役は亀治郎さん!亀治郎さんを新歌舞伎で拝見するのは初めてです。純朴で頑固、はちゃめちゃだけど芯が見えます。
性格が真面目な故に滑稽にみえる場面が亀治郎さんらしくて、敷居を越えて綱豊卿に迫る場面の迫力には泣けました。
二人のやりとりサイコー!!心がホント温まります。お客さんもだんだん前のめりになり、拍手もたくさん起こっていました。
「お喜世」の七之助さんも、綱豊卿と兄の浪士の間の苦悩が痛々しく切なかったです。亀鶴さんの「江島」もよかったです!貫禄ありました。この演目大好きです。
<忍夜恋曲者>将門
筋書にはスペクタクルな!舞踊劇とあります。平将門の娘、ガマの妖術使い「滝夜叉姫」を七之助さん。これに向かう「光圀」を勘太郎さん。
七之助さんの姿が美しくて会場がざわついてました!登場から凄く妖艶で、私が今まで拝見したことがない雰囲気です。
勘太郎さんも一つ目の荒事とは全く違い、二枚目ぶりが素敵です。お二人の舞踊というだけで何だか嬉しい。七之助さんの女形での立ち回りが格好良くて驚きました。女性が女性に惚れる。。みたいな。
ラストは屋台崩しでガマも登場!スペクタクルです。歌舞伎ってやっぱり面白い。盛り上がりました!
1月13日 新春浅草歌舞伎 第二部
やっと第二部を観ることができました。浅草歌舞伎恒例のお年玉、年始ご挨拶は亀治郎さん!
5分が10分になるほどの熱弁でした。登場し顔を上げた瞬間大きなどよめきと拍手が起こりました。昨年と変わらずマイクは使いません。
「奥州安達原」のストーリーを解説してくださいます。「難しい話なのでよーっく聴いていてください。時々自分でも話しながらわからなくなります」と。訳がわからなくなりながらも(会場クスクス)終了し、詳しくはパンフレットを買って読んでください!(昨年はチケット買ってくださいでした。。)
そして、舞台が熱いだけではダメ!お客様も熱くなってください!舞台からも皆様がよーっく見えます!気を抜いていちゃダメと言われました(笑)
<奥州安達原>袖萩祭文
元は人形浄瑠璃の時代物作品です。初めて拝見する観たかった演目です。勘太郎さんの「袖萩」盲目の母の役ですが、女性的な優しさというか母性にあふれ、娘を気遣う手も優しい。勘当されながらも雪の中で、父母に訴える姿がやるせなくて、冬の寒さ冷たさも感じました。
早変わりで二役目「阿部貞任」を務める勘太郎さん。本性をあらわす場面が凄くエキサイティングです!!あの「ぶっ返り」で見得をして止まるところは、附けの音、衣装、勘太郎さんの表情、背景がぴったり合いドキドキです!まるで浮世絵のよう!
そしてここでは父の娘への愛情も見せるのですが、完全に母の時とは違うのに驚きました。男女蔵さんの、白梅で切腹する姿が美しく悲しく、歌女之丞さんの娘や孫を思う気持ちが痛くて、七之助さんの凛とした姿が印象的でした。
猿翁十種の内<悪太郎>
狂言の「悪太郎」を舞踊化した舞踊劇。澤瀉屋の家の芸です。幸せな気分にさせてくれます。亀治郎さんの酔っぱらいぶりは可愛いし、亀鶴さんとの間が凄く良くて楽しい!
ラストの念仏踊りは、邦楽では珍しい3拍子だそう。。その長唄のリズムがまた楽しい!愛之助さんもあの柔らかい雰囲気がまたいいです。とにかく会場全体、みんなニコニコ。
三代目猿之助さんが、ご指導されていますが、やはり私は猿之助さん×亀治郎さんがツボみたいです!
第二部もあっという間!楽しくて楽しくて友人と盛り上がりまくりでした。ありがとうございました。
1月27日 新春浅草歌舞伎 千穐楽
新春浅草歌舞伎 千穐楽は第二部を観劇です!お年玉ご挨拶は亀治郎さん!前回と内容少し変えていましたが、笑いをとりながら携帯電話のことを熱心におっしゃっていたので一部でかなり気になったみたいです。
だんだんお客が亀治郎さんの語りに集中していくのを感じました。頭の回転も速いなあ。。と感心です。
「奥州安達原」の勘太郎さんの「袖萩」は、さらに情が深くなっていて、母親としてのふがいない気持ちが痛いほど伝わってきて泣けました。まわりのお客さんもかなり泣いてました。「阿部貞任」になってからの勘太郎さんは、カッコよさキレのよさ倍増です!刀を飛ばしてキャッチ、旗をなげてキャッチ!大技に友人と大盛り上がりでした。
「悪太郎」の亀治郎さんは前回より酔ってました。細かい動きや動作にもこだわり、憎たらしいけど可愛らしい酔っぱらいぶりです。説得力があって少しのことでも可笑しすぎます。
亀鶴さんも面白さパワーアップ!亀治郎さんとの掛け合いもめちゃめちゃ笑えました。三味線の音色まで面白く聞こえます。リズムや役者さんの表情にこんなにウキウキ楽しかったのは初めてかもしれません。
ラストはカーテンコールに勘太郎さん、七之助さんがスーツ姿で登場!6人揃って幕となりました。浅草歌舞伎はホントに面白い。また来年!新春浅草歌舞伎が楽しみです!
aya