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<2009年 アメブロ編序幕④>

2009年の猿之助さん(当時 亀治郎)は歌舞伎座出演はありません。1月から建て替え前の「歌舞伎座さよなら公演」が16か月間行われましたが、その間の出演はありませんでした。亀治郎時代、三代目の猿之助劇団を離れていたので、本興行に出ることは少なかったように思います。地劇場や舞踊公演、テレビなどの他の活動の感想が続いていました。

そこに私にとって初めての「三代目猿之助演出」という亀治郎さん主役の演目が11月にかかり嬉しかったのを覚えています。

また、私が歌舞伎を観るようになり、チャリティ公演をする亀治郎さんは初めてでした。今考えると、ここから募金の歴史(笑)が始まったと思うのです。

9月28日 伝統芸能の今

こんばんは。
紀尾井小ホールで行われました「伝統芸能の今」市川亀治郎さんと能楽囃子の亀井広忠さん、歌舞伎囃子方の田中傳左衛門さん、田中傳次郎さん、邦楽界の三兄弟の三響會が共演です。

入り口を入ってまず驚いたのが、チャリティを兼ねているので、グッズ売り場ではなく募金箱!そこには傳左衛門さんと傳次郎さんがいらして、募金を理由にお二人に近づき握手してもらっちゃいました。お客層がわりと平均年齢が高く、能や歌舞伎に精通している方々が多そうでした。

開演するとまず、能楽 一調「土車」あえて大曲に臨んだとか。広忠さんによると、一調とは。。一つの楽器の奏者と唄う方、一対一の二人の演奏で5~10分いわゆるサビの部分を演奏することを言うのだそう。いつも大勢で能舞台に上がるので二人の舞台は大変緊張するそうです。舞台全体を支配できないと一調は務まらないとおっしゃってました。

広忠さんの大鼓の音は、自然界にある音というか、初めて聴くのにどこか懐かしい。。神々しく凛としているのに柔らかい音でした。

そして座談会。亀治郎さんと三兄弟、4人でイスに座り傳次郎さんが最初は進行役。トークはなんと1時間!でもめちゃめちゃ楽しい!毒舌満載で(もちろんトップは亀治郎さんですが)、中盤以降は楽屋トークのようで面白かったです。

でも話の芯はちゃんとしていて勉強になりました。今回の主旨、それぞれの自主公演「三響會」「亀治郎の会」について。幼い頃からどのようなお稽古をされてきたのか、そして、歌舞伎や能の現状、未来まで。

4人の考え方が、話しながらまとまってくる様子が舞台裏をのぞいているようでワクワクしました!そして亀治郎さんがいつしか進行役になってました。頭の回転がはやい。三兄弟に次々質問をしていきます。まだまだ話足りないようでしたが、今回のような公演を続けていきたいので小出しにすると言い終了。

ラストは舞踊「越後獅子」亀治郎さんの素踊りです!なんと手がしなやかで白いのでしょう。空気を自分色に変えてしまいます。空気までも踊りの味方のようです。サラシさばきもキレがあるのにしなやかでした!傳左衛門さんの小鼓は安定感があり気持ちいい、傳次郎さんの太鼓は初めてじっくり聴き、格好良いなあ。。と思いました。

250席なので舞台がホント近かった!舞踊の、足で板をダンっとする時の振動が直に体までやってきて亀治郎さんの心意気が伝わってくるようでした。紀尾井小ホールは響きが最高!

終演後、今度は広忠さんが募金箱の前で皆さんにご挨拶。スーツ姿でしたっ!今日も楽しませていただきました。

10月19日 11月の新橋演舞場

こんばんは。
来月の歌舞伎の演目はすべて楽しみなのですが、新橋演舞場「花形歌舞伎」は、役者さんを見ただけでもワクワクします。特に、夜の部の「鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)」は亀治郎さんの初役の鬼女!なんと三代目市川猿之助さんの演出!と興味深々。

猿之助さんが、亀治郎さんを演出する舞台を観たかったです!亀治郎本でお二人の関係を読ませていただき、やはり興味あります!ん~楽しみ。今月はガマンなので、来月がホント待ち遠しいです。

10月26日 もう来年の歌舞伎

こんばんは。
10月の歌舞伎も各座千穐楽を迎えて明日の国立劇場を残すだけとなりましたね。ホントに楽しませていただきました。ありがとうございます。明日から新橋演舞場も、来月のお稽古に入るとか。時が経つのは早いです。

年末の歌舞伎を考えただけでワクワクしているのに、来年の歌舞伎の演目も続々と発表されています。1月の新橋演舞場の海老蔵さん!猿之助十八番をなさいます。(この頃は猿之助四十八はまだ制定されず猿之助十八番でした)猿之助十八番は、三代目市川猿之助が昭和63年に撰した澤瀉屋・市川猿之助家のお家芸です。

私は三代目猿之助さんの歌舞伎を観ていません。私はお隣に座る歌舞伎通な方に話しかけられます。すると時々聞くのが「猿之助の方が良かったな」という感想。中でも5月に京都南座で拝見した「小笠原騒動」で隣に座った大向こうさんは、もの凄く楽しそうに猿之助さんのお話をしてくださいました。

三代目猿之助さんのスーパー歌舞伎が観たかったなあ。。。歌舞伎観劇歴がやっと1年過ぎた私には憧れです。だから、4月に初めてスーパー歌舞伎を観劇できた時は幸せでしたし、市川右近さんも大好きになりました。

来年1月は、歌舞伎座、国立劇場、浅草、新橋演舞場。。頭がパニックです。それぞれ楽しみですが、猿之助十八番と聞いて海老蔵さんも気になります。

11月2日 シネマ歌舞伎 野田版 研辰の討たれ

こんばんは。
行ってきましたシネマ歌舞伎「野田版 研辰の討たれ」!久しぶり笑って泣きました。シネマ歌舞伎は芝居を撮影し、生の舞台の臨場感を生かした映画です。毎回、思わず拍手したくなるし笑っちゃう。今日は、花道奥の揚げ幕のチャリン♪が後ろから聞こえてきてびっくり。

撮影された舞台は平成17年5月歌舞伎座。十八代目中村勘三郎襲名披露として再上演されたものです。「野田版」とつくお芝居を初めて拝見しましたが、スピード感があり、歌舞伎を少し早送りして観ているような感覚。

内容は、赤穂浪士討ち入りのニュースの話題で持ちきりのところに、その話をバカにした男が、結果的に仇討ちをされるはめにあう。。。というかなり略しましたが、けっこう笑えない話です。

やはり勘三郎さんのエネルギーは凄い!!!全身でお客を楽しませようとする「気」が溢れてます。これでもかと笑わせてくれます。それに可愛らしい。よく考えると悪なのに許せちゃうのですよね。

三津五郎さんの喜劇のセンスもピカイチ!染五郎さん、勘太郎さんは動きがスピードアップ!お二人の剣術のお稽古の場面は格好良すぎです。

染五郎さんの「仇討ちをしたのに人殺しをしたような。。」この言葉は、真の人間の言葉です。心に染みました。

ラストシーンも泣けました。勘三郎さんの「生きてぇな~」は、せつなく私の耳に残っています。仇討ちをする者、される者。どちらの叫びも心に痛かった。観てよかったです。ありがとうございます。


aya

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