<2012年 アメブロ編 襲名1>
2009年から書き続けているblogを再編集して投稿しています。猿之助さんの思い出をピックアップしてまとめています。今、私にできることで応援したいです。
2012年は四代目猿之助襲名yearです。私にとっても特別な年。思い出は宝物です。
まずは亀治郎ラストになった浅草歌舞伎のこと。
1月3日 浅草Last Run!
本日初歌舞伎です。浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」第2部。前の部が開演ギリギリまであり、お客の入れ替えが大変そうでした。
お正月三日ということもあってかお着物率が男女問わず高く、やはり若い人が多かったです。お年玉ご挨拶は薪車さん。浅草歌舞伎初参戦だそうです。凄く真面目にお話しなさっていました。人柄良さそうな感じ。好印象です。
さて、演目は。。猿之助四十八撰の内 通し狂言「敵討天下茶屋聚」もう本当に単純に面白い!!亀治郎さんのためにあるお芝居です!緩急ついた台詞まわしと’間’は天下一品!たくさん笑いました。
お酒におぼれ人殺しまでするけど、人間臭くて愛嬌たっぷりで憎めない。しぐさや表情がより細かくて三階席ではもったいないです。
しかも!!一昨年のこんぴら同様客席まで逃げ回る!お客さんに抱きついたり、ハイタッチしたり、果ては附け打ちさんに成り済ましたり♪次回は一階席なのですっごくすっごく楽しみですッ!絡んでほしい(笑)
会場もしだいに一体感が出てきて拍手や笑いで忙しい。手拍子になる場面もあり大盛り上がりでした。まだ2日目の公演です。この先もっとテンポ感やスピード感がバージョンアップするに違いありません。
そして、パンフレットの猿之助さんのすべての言葉に感動でした。「歌舞伎の’か’の字も知らないような子供も熱狂するような芝居を見せてほしい」
亀治郎さんが全身全霊を捧げている姿に胸が熱くなりました。亀治郎としての浅草ラストランが始まったな。。と。
早い時間に終了したので夜の浅草を友人と楽しみました!詳しい内容はまた明日。
1月4日 新春浅草歌舞伎第2部
浅草歌舞伎は出演者のほぼ半分が平成生まれです。この世代の皆さんを一度に拝見できるのも楽しみの一つです。
種之助さんは、お父様の又五郎さん、おじ様の吉右衛門さんと別の劇場で一ヶ月過ごすのは初体験だそうです。
隼人さんは高校生です。でも亀治郎さんが走って走って一番元気でした。大向こうがたくさんかかり、お正月の華やかさと合わせてテンション上がりました。
亀治郎さんには屋号に混じって「二代目ッ!」とかかることも多く、会場内も’亀治郎’という名前を惜しんでいるように感じました。
通し狂言「敵討天下茶屋聚」猿之助四十八撰の一つです。三代目猿之助さんが初演したのは昭和62年明治座。今の天下茶屋の形を作り、早替りを取り入れ大盛況だったそうです。
主人公の元右衛門は、父の敵を討とうとしている早瀬兄弟の旅のお供を兄としています。しかし、酒乱癖を持ち、禁酒を破り酒乱となったことから大暴れ。敵側に寝返り、兄も殺してしまいます。
元右衛門は逃げて逃げて逃げまくりますが、最期は成敗されてしまいます。そして早瀬兄弟もめでたく仇討ちを果たします。
元右衛門を亀治郎さん。最初は生真面目なのにお酒が入ると一変します。兄まで殺しちゃう。
ストレートなダメ男酒乱ぶりが気持ち良いです。可愛らしい。ちょこちょこしてます。
けれど残忍なことをさらっとやってしまう。按摩姿に化けたり、屋根から忍び込んだり、抜き足差し足したり。。どれも身軽でひょいひょい動くけど体の芯がぶれてません。身体能力の高さは相変わらずすごいです。
サービス精神が本当に嬉しいです。お客に楽しんでほしいという想いが伝わります。
舞台と客席の’気’のキャッチボールが楽しい。客席に亀治郎さんが隠れるのですが、お客さんが追っ手に居場所を教えたりしてました!役者さんもフツーに話しかけているのですよね。この一体感って凄いと想いました。
ラストあっけなく死んじゃうのもスカッとします。(歌舞伎って死に際にねばりますから)とにかく亀治郎さん楽しそうでした。
兄弟の敵である東間役を愛之助さん。凄味があり色気もある悪役が素敵です。とても華があり存在感があって、登場すると会場全体沸いていました♪
早瀬兄弟は、亀鶴さんと巳之助さん。とても優しい雰囲気漂うお二人です。亀鶴さんが途中、殺されてしまう場面は切なかったです。志半ばでどんなに悔しいか。。愛之助さんの容赦ない感じが恐かった。
巳之助さんは爽やかです。父だけでなく兄の敵にもなった。東間に向かう健気さが心に響きました。早瀬兄の妻は春猿さん。弟の許嫁を壱太郎さん。お二人は姉妹役です。
美しいお二人です。舞台が明るくなります!特に壱太郎さんの初々しさが眩しくてホッとする存在でした。
亀治郎さんの兄役は男女蔵さん。心に安心をいただく感じです。弟と違い、お酒を飲んだことがないため一口飲んで酔って寝てしまいます。優しくて大きくて。。なのに弟に殺されてしまう。何だかせつなくなりました。
大詰の語りと三味線が良かったな。浅草公会堂は響きが大きいです。役者さんのお声もよ~く聞こえます。
元右衛門が逃げ回る場面では、舞台装置の工夫も面白いです!拝見したあとはスカッとします。
立ち回りはもちろん、全体のスピード感テンポ感とても気持ち良い!千穐楽に向けてどんどん進化すると想います。
亀治郎さんのツッコミやアドリブに皆さんがどう反応するようになるのか。若手頑張れ!良い初歌舞伎になりました。ありがとうございました。
1月26日 新春浅草歌舞伎千穐楽
新春浅草歌舞伎第2部千穐楽です。亀治郎さんの浅草歌舞伎ラストの日。
すっごくすっごく盛り上がりました!!ロビーの隅に亀治郎さんへのメッセージを募るコーナーが出没。横長の幕みたいな感じで5~6メートルあったでしょうか。’ありがとう’と’襲名おめでとう’の言葉のまわりにファンが寄せ書きをしました。
お年玉ご挨拶は亀治郎さん。とても熱く長い口上でした。浅草はインフルエンザとか風邪とかいろいろなウィルスが毎年流行るが、今年は誰一人風邪をひかず若さを感じる。竹三郎さんが、せっかく下がった平均年齢を上げてしまってるとか。
携帯の着信音は変な音楽に限って鳴る、、とか。今日は一回も鳴らず優秀でしたけど。お客さんのくしゃみにも器用につっこんでました。
浅草に育ててもらったと力一杯の感謝の気持ちが溢れたメッセージ。そして、次世代の役者も皆さんで育ててほしいと。心に響いて自然と涙が出てきました。
お芝居は進化していました。スピーディでおかしくて、あれよあれよと場面が展開していきます。
亀治郎さんの見せ場の逃げまどうシーンは、客席に降りてきたけど絡めず。でも私の前の列を横切って行ってくれたから感謝♪
今日一番面白かったのは亀治郎さんが殺される場面。死んだのに、春猿さんの腕をいきなりギュッとつかみはなさない。
春猿さんもうろたえ、壱太郎さんも笑いをこらえられず。巳之助さん壱太郎さんが花道に移動してしまうと、一緒に行かなくてはならない春猿さん本気であせってました。
泣けたところもたくさんありました。
お芝居途中、いつもの春猿さん巳之助さん壱太郎さんへツッコミのコーナー♪
本物のバトンを仕込み、取り出すと巳之助さん壱太郎さんに来年へのバトンタッチをしたのです。会場からはもの凄い拍手が起こり、二人はバトンを帯に挟んでその後演技をしました。本当にラストなのだな。。とまた泣けました。
終演となりカーテンコール。
亀治郎さんが一番に登場し、その後一人一人舞台上へ。するとラストに亀治郎さんが早替りで元右衛門になって登場です!
そこで先ほどの寄せ書きの出番です。男女蔵さんと亀鶴さんが持って登場!亀治郎さんは感激しながらも「粋な計らい、普通の役者は泣くかもしれないが私は泣かない!」と、照れていたのかもしれません。
挨拶の中で「亀が猿になってもまた戻ってきます」と。拍手が止まらず、私の涙も止まらず。幕が閉まる瞬間、亀治郎さんの目も潤んでいたような。。
時々遠くを見る目に、また新たなスタートに立ち、独りで道を進んでいく勇気を感じました。
亀治郎さんに感謝です。勇気と元気をありがとうございました。浅草歌舞伎はお正月の風物詩。卒業後も変わらず来年も観に来たいです。
aya