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「猪八戒」初日!

六月大歌舞伎初日おめでとうございます。
第一部と第三部を観てきました。

猿之助さんは第一部の二つの演目に出演しています。「車引」と「猪八戒」です。第三部は仁左衛門さん休演発表の後、演目が変更された「ふるあめりかに袖はぬらさじ」玉三郎さん主演で、急遽、新派の皆様と合同公演となりました。

まずは初めて観る「猪八戒」のこと。

約55分間ノンストップの猿之助祭り!最高に面白かったです。こんなに長い時間を一人で踊っているのを観るのはいつぶりでしょうか。しかも澤瀉屋らしく、派手なところも地味なところも激しい踊りでした(笑)初日ということもあり、猿之助さんが少し大変そうな姿も久しぶりに観たような。。あの猿之助さんが疲れるのですから相当かと。

猪八戒は「澤瀉十種」の一つ。「澤瀉十種」とは、初世市川猿翁(四代目猿之助さん曾祖父)が創作、初演した作品に、孫である二代目猿翁が(三代目猿之助)演出した舞踊を加えた十種。つまり澤瀉屋のお家芸です。

聞くところによると本興行では初演以来、95年ぶりの復活だそう。なんで踊ろうと思ったのか聞いてみたい(笑)三代猿之助四十八撰には「華果西遊記」という舞踊があり、右團次さんの孫悟空役で観たことがります。ものすごくアクロバティックで面白かった記憶です。

今回は外題のとおり猪八戒が主役です。猿之助さんがアニマル寄りなビジュアルだったらどうしようと思ったけど、意外にもスマートで可愛らしいビジュアルでした。踊りっぱなしの姿は、観ているだけで胸が熱くなりました。

猪八戒が生贄に化けて霊感大王を退治するお話。

生贄に化けているというのがポイントで(笑)女形、立役の両方をこなす猿之助さんの真骨頂な踊りです。可愛らしい、色っぽい女形と、時におっさんぽい猪八戒(褒めてます!)の顔を楽しめます(笑)そして、猪八戒と言えば食いしん坊。そんなところをとてもユーモラスに生き生きと演じている猿之助さんが、らしくて好きでした。

西遊記の世界観です。京劇風のお衣装や踊りの振りは新鮮。滞空時間の長さを含め、身体能力の高さは天下一で惚れ惚れしました。

びっくりしたのが、霊感大王役の猿弥さん、女怪の笑也さん笑三郎さんのビジュアル!これぞ澤瀉屋なので必見ですし、何だか懐かしくて嬉しくなっちゃいました。ヤマトタケルを彷彿させるかと。つまり派手派手です(笑)

あくまでも猪八戒のお話なので、孫悟空の尾上右近さん沙悟浄の青虎さんは控えめな出演です。でも、かなりアクロバティックなことをしているので、おおお!となり目が離せません。

そして、アクションチームが最高なんです!猿之助さんのスーパー歌舞伎Ⅱと言えば欠かせない、アクションスタントのプロチーム「BOS」の皆様。今回はその中から三人、山口さん古屋さん佐藤さんが出演し、コーディネーターとして下川さんが参加しています。もう一人、BOS外からの村岡友憲さんはシルクドソレイユからオファーがきていた方です。


この4人が歌舞伎座初出演です。三国志の時は立廻りがまだ制限されている中でしたのでアクションなどの激しい場面がなく寂しかったです。それが少し緩和されたからでしょうか。歌舞伎役者ではない彼らが出演することになりました。猿之助歌舞伎のピースが全てはまったような感じ。

あのスピード感あるバク転は、目の前で観てもらわないと感動を伝えるのが難しい。自然と声が出ちゃいますって(笑)歌舞伎座は現在、声出し禁止なので拍手しかないけど。ものすごく気持ちがスッキリしました。多くの方に体感してほしいです。

ただ、この時の猿之助さんの記憶がない(笑)舞台上にいたのかな?オーラを消してたかな?(笑)

そうそう、アクションチームと同じ扮装の歌舞伎チーム。喜楽さん右田六さん瀧昇さん彌紋さんも、歌舞伎のアクロバティック部門担当でコラボしています。

後半は、大変そうになってくる猿之助さんと、途中から登場してくる元気有り余る若手たちのスイッチングが私的ツボでした。大詰はアクションで盛り上がるので、気持ちで参加しましょう。

幕が下りても拍手が止まず感動が響いていました。私も笑顔が止まらず。。心の中で盛り上がりました。楽しかったです。


まだ初日です。これからブラッシュアップしていくはず。どんなふうに進化していくかも楽しみです。猿之助さんをはじめ、出演の皆様が怪我なく無事に千穐楽まで完走できることを祈っています。


aya


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