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それぞれの宙乗り

今日も忙しかったけど、三連休はさらに忙しくなりそうです。
歌舞伎公演が盛り上がりますように。

私は昨日、国立劇場と歌舞伎座第三部を観てきました。
思いついたことをゆっくり綴ろうと思います。

スーパー歌舞伎を観ると、通常の歌舞伎が観たくなります。私のスーパー歌舞伎あるある。どちらの良さもより感じることができます。

今月は格別です。なぜなら、同じ劇場でスーパー歌舞伎と通常の歌舞伎を観ることができるからです。猿之助さんが言っていたように、36年前に誕生したスーパー歌舞伎が、江戸時代の作品や新歌舞伎と並んで上演されていることが感慨深い。作品の時代感の変わり目に立ち会えている実感がします。

三部を観てリアルに感じることができたのです。叶うなら、一部だけでなく他の部も一緒に観てほしい。そうすればわかるかなと。

また、思い出したことがあります。四代目襲名披露興行時、同じ劇場(当時は新橋演舞場)で、スーパー歌舞伎と通常の歌舞伎を、一日で昼夜で上演することは前例がありませんでした。

なぜなら、スーパー歌舞伎は舞台装置などが大がかりということもありますし、一番は舞台面が必ず黒いことが特徴です。昼に舞台に黒い布を敷き、夜は外して板のまま。これを毎日繰り返すのは無理だろうと言われてきました。

けれど、前例がないからやらない、という選択は当時の亀治郎さんには無く(笑)追い風になったのは、大道具さん方の協力でした。澤瀉屋のために頑張る、と。当時、猿之助さんはいろんなインタビューで大道具さん方への感謝を話していました。

今月、花びらの量を増やしたのもスタッフの協力の声があったからこそ。舞台も黒になっています。この黒も第一部が終われば外して通常の舞台面にするのです。短くなった入れ替え時間はさぞ忙しいと思います。私にできることはスムーズに退場することです。写真もさっと撮る(笑)それが澤瀉屋のため、歌舞伎座のためにもなるのです。

さて、絶対に増えてきている(笑)桃の花びらの中の宙乗り。いろんなタイプの宙乗りがありますが、今月の猿之助関羽はこんな感じ。

スポーツ報知より

狐の時とは違い、本人は立っているのに近いですね。この写真でも体幹を鍛えているのか?と思うほど綺麗な姿勢です(笑)現代、関羽は神様として崇められているので、神として昇天するシチュエーションです。

しつこいですが、現在は写真よりかなり花びらが降っていて視界が悪くなるほどです。わりと早めに高い位置までくるイメージですが。。興奮していて記憶も曖昧です(笑)

今月はもう一人、宙乗りしている方がいます。猿之助さんと相思相愛の幸四郎さんです。第三部「石川五右衛門」で葛籠抜けの宙乗りを披露しています。

葛籠抜けは、大きな箱の中から役者さんが飛び出てくる仕掛け。出てくると箱が二つになって背中にまわり、背負った形に収まります。こんな感じ。

明治座HPより

これは明治座で猿之助さんが天竺徳兵衛を演じた時の写真です。昨年「小平次外伝」として上演がありましたが、徳兵衛は登場しませんでした。登場すれば、こんな宙乗りがあったのです。五右衛門のパロディ部分です。

「葛籠しょったが おかしいか」

五右衛門の名セリフも同じ。今月はこの幸四郎さんのセリフ&宙乗りがかっこいい!猿之助ファンとしては悔しいほどです(笑)

久しぶりに見る葛籠抜けの記憶が曖昧でワクワクしていると、葛籠が鳥屋から花道七三の上まで下りていく!で、バン!と幸四郎さんが葛籠の中から登場!テンションあがります。

葛籠を背負いながら進むのですが、けっこう低い位置まで下がって、そして三階に昇っていく感じでした。幸四郎さんは高所恐怖症だそうです。そんなふうには見えない。ダイナミックでした。

古風で悠然。江戸の大盗賊が宙を翔んでいく。どんどん下界が小さくなっていくような錯覚に陥りました。

猿之助さん、幸四郎さん。
同じ歌舞伎座なのに、違う宙が見えた。

これは今月しか体感できない不思議。
ものすごくエキサイティングでした。

たくさんパワーをいただいたので連休のお仕事を頑張れます。


aya


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