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メラトニンを増やして眠りを深くする食事法

「なかなか寝付けない...」
「夜中に何度も目が覚めてしまう...」

こんなお悩みはありませんか?

それ、メラトニンの不足が原因かもしれません...!

メラトニンは体内で自然に生成されるホルモンの1種。脳にはたらきかけ、神経活動を抑制するはたらきがあり、眠気の生成や深い睡眠の継続に役立ちます。

実際に19 件の研究・1683名の被験者を対象としたメタアナリシスでは、メラトニンを摂取すると入眠までの時間が平均7.06分短くなり、総睡眠時間が平均8.25分増加することが示されているのです。

ここで、「じゃあメラトニンのサプリをとれば睡眠の質が高まるのね」、と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、私としてはメラトニンのサプリメントを活用することは積極的にはおすすめしません。

外からメラトニンが供給されつづけると、身体は「自分でメラトニンは作る必要がないのね」と勘違いし、メラトニンを作るシステムが衰えてしまう恐れがあるためです

体内で十分なメラトニンを作れなくなり、長期的に見るとかえって不眠が進む可能性があります。もしくはメラトニンのサプリメントなしでは眠れない身体になるかもしれません。

もちろん時差ぼけや昼夜逆転生活の解消のためにスポットでメラトニンを摂取する分には問題はないかと思いますが、長期的なメラトニンサプリメントの活用は避けるべきでしょう。

そこで、本記事ではサプリメントに頼らず、体内のメラトニンの分泌量を高める食事法について解説します。

ちなみにメラトニンは睡眠の質向上以外にも、免疫の強化、心血管機能の向上、勃起不全の抑制、死亡率の低下など健康全般に関わるホルモンです。

眠りにあまり悩みを抱えていなくても、メラトニンを増やす生活を意識することは非常におすすめです。


メラトニンを増やして眠りを深くする食べ方

それではここから、メラトニンを増やして睡眠の質を高める食事法を4つのSTEPに分けて解説します。

STEP1:メラトニンの材料を確保する

体内で合成される物質は、基本的には食事から摂取した栄養素を基に作られます。それはメラトニンも同じ。

メラトニンはトリプトファンというアミノ酸を材料に合成されます。トリプトファンは、体内で合成することができない必須アミノ酸にあたるため、食事から摂取する必要があります。

食事から摂取したトリプトファンが幸せホルモンのセロトニンに変換され、セロトニンからメラトニンが作られるという流れです。

メラトニンが作られる経路

ここで重要なのが、トリプトファンは朝にしっかり摂取すべきということ。

実はセロトニンは日光を浴びた時に合成されやすく、メラトニンは暗い環境で合成されやすいという特性があります。

つまり、昼間はセロトニンが合成されやすく、メラトニンは夜になるにつれて分泌量が増加するのです。

朝にトリプトファンを十分摂取することで、日中に十分なセロトニンを作ることができ、夜に多くのメラトニンを合成できるでしょう。

朝のトリプトファン摂取の効果は実際の研究でも確かめられています。

2014年の福岡女子大学が発表した論文では、33名の男子大学生を対象に、トリプトファンを多く含む朝食がメラトニン濃度に及ぼす影響について調査されました。

研究では対象者を以下の4つのグループに分け、4泊5日過ごしてもらっています。

  • トリプトファンの少ない朝食 (1食あたり55mg)を摂り、日中は薄暗い光環境(<50lx)で過ごすグループ:10名

  • トリプトファンが豊富な朝食 (1食あたり476mg)を摂り、日中は薄暗い光環境(<50lx)で過ごすグループ:7名

  • トリプトファンの少ない朝食(1食あたり55mg)を摂り、日中は明るい光環境 (>5,000 lx)で過ごすグループ:9名

  • トリプトファンが豊富な朝食(1食あたり476mg)を摂り、日中は明るい光環境(>5,000 lx)で過ごすグループ:7名

(50lxは、10m先の人の顔が明確に分かる程度の明るさ。5000ルクスは一般的な事務所の10倍の明るさ)

その結果、トリプトファンが豊富な朝食を摂り、日中明るい光の下で過ごしたグループは、日中に薄暗い環境で過ごしたグループよりも唾液中のメラトニン濃度が3倍程度多いことがわかりました。

(Fukushige .et al2014より筆者作成)

ただし、朝だけトリプトファンを摂ればいいのかと言えばそうではありません。

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