Twitter詩「2021/9/3」

車窓のアイスコーヒーに朝日が灯る。名残惜しい夜を抱くトンネルを尻目に、山肌をこちょばす二両編成のいたずらっ子。
ここでは環状的にならずにどこまでも行けるし、コンビニのアップルパイだってきどったふるまいができる。
アナウンスは感情的にならないし、きれいな川が流れ続けていたって、変わらないものを信じて揺るり続ける穂の海。

行き着く先のすべてがふるさとで、名前を知らないでいてくれる人がたくさんいて、そんな街中でただあたたかに泳いでいること、
それが旅をすることの意味で、歩み続けるかぎりゆるやかに死んでいられることを存外に好いていた。

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