人材ベンチャーの求職者獲得マーケからBtoBマーケティングをやってみて思ったこと
※昔に配信したクローズドの有料メルマガ内容です。あれから月日が経ったのでオープンにしてみました。
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ムロヤメルマガ「ターゲットは長万部」
2020年11月29日 第31号
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企業のBtoB事業へのシフトも進んでますよね。
有名どころはパナソニック。
それを推進するのが社内カンパニー「コネクテッドソリューションズ社」。樋口さんの活躍は、いろんなメディアでも取り上げられていましたね。
ニッポン企業・大改革時代 第2弾!巨艦パナは変われるか? 凄腕"出戻り"の挑戦
このカンパニーでマーケティングを推進しているのが山口有希子さん。
セレクトショップ のBEAMSも、企業向けの制服制作などのBtoB事業を強化しようとしています。
BtoC事業だけでなく、法人向けにもソリューションを提供して第二の収益の柱を作る動きがよく見るようになりました。
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私自身、BtoBマーケティングに携わってから2年くらいが経ちます。
戦術面では、前職の人材紹介の求職者獲得の集客と近いところもあるなと感じつつも(顧客情報獲得→営業にパスの構造)、いろいろ試行錯誤を繰り返して学んだことも多くあります。コンテンツSEOとか超同じだけど、セミナーや展示会は新しいチャレンジだったなぁと。
デマンドジェネレーション(需要創造)、リードジェネレーション(見込み客の連絡先情報取得)、リードナーチャリング(顧客育成)などなど。
という感じで、これまでいろいろなBtoBマーケティングのインプットをしてきたなかの、経験則の学びをシェアしたいと思います。
基本は法人営業との連携で、共通のゴールへ進むこと。
こういう思考がいいと思いますね。法人営業だけだと、タッチポイントがWEBにも広がった時代のリード獲得とかどんどん難しくなってきたからマーケと営業に分業してきただけであって、最後に受注を決めるのは営業ですから。マーケ単体で孤軍奮闘しても意味がありません。経営のサブシステムにすぎないので。マーケ部門は会社のただの機能組織です。機能させられていないと存在意義がありませんよね。
なので「マーケが渡してくるリードの質が悪いから、全然商談が進まない」「リードは供給している。営業が決めてくれないのが悪い」と部門対立して喧嘩ばかりしてもしゃあないです。マーケの役割だったら、サッカーに例えると「いかにいいパスを渡せるか」。営業は「いかにシュートをけれるか」。
サクッとシュートを決めれるように環境作っておけばいいですよね。社名知ってますの状態。御社はこのサービスが強いですよねの戦略的ブランドエクイティの認知。信頼されている状態を作ったり、一度お話を聞いてみたかったの態度形成など。顧客理解に合わせた提供サービスのブラッシュアップもそうです。できることはいろいろあります。
分業するなら、情報連携ありきです。局所最適は意味ありません。
売り物の顧客数が数千社・数万社が対象になるような SaaS企業と、数百社程度の企業ではやり方はまるっきり変わる
一部でSalesforceのTHE・MODELが絶対的な神の経典のようにもてはやされてますけど、あれはSaaSだから機能することかと。
表面だけ真似してたら事故る典型例。そのフレームワークが成立する前提条件は何かを吟味しましょう。MAが威力を発揮するのも、顧客数がウン千・ウン万件で、インサイドセールスやフィールドセールスからのアプローチが大変になってからですよ。月に数百件程度の時に、自動でナーチャリングできるようにシナリオ組むとか、そんなインパクトはないかと。だったらこれぞと思う時に、これぞと思えるアプローチをすればいいだけ。
コンテンツSEOみんなやってるけど、顧客層によるよね
一生懸命にオウンドメディアをつくって、SEOでリーチできるコンテンツを作ったところで、そもそもターゲット企業はそういう検索をしてるのかい?そういうコンテンツを作ったところで、効果的な自社の認知や検討候補に入るブランディングができるのかい?と疑問あります。
コンテンツSEO→ホワイトペーパーダウンロードやセミナー誘導とかありますけど、まぁ結局はお客様の需要創造がしっかりできるか、自社を選ぶ理由を高めるようなコミュニケーションができてるか次第です。どこにでもあるようなコンテンツを網羅的に広げても、ただの便利な情報収集マシーンになってるだけで、他社に刈り取られる運命かなと思います。
軽い情報収集フェーズとガチの検討フェーズでは企業候補の選び方が全然違うと思いますので。なので、戦略なしにむやみやたらにSEOコンテンツ作るのはマジ意味ないです。
パッケージ商品とソリューション商品だと難易度が全然違う
パッケージは売り物が固まってるから、訴求軸とかトークとか固定化できる。一方でソリューション商品だと顧客の課題や状況に応じてパーソナライズしていくから、相当の商品知識や業界知識が必要。関連して、マーケティングコミュニケーションの時においても、画一的な見せ方では自分ごとになりづらいかなと。
展示会について
これも施策の有効性はターゲットにリーチできるかどうか、ブースに呼び込みできるか次第。あとたまにブース集客のコンパニオンさんを派遣してる企業もあるけど、結局そういうコンパニオンさんにひっかかるような顧客層だったらまぁいいんじゃね?という気持ち。あとブースに来ていただいたお客様とお喋りできるので、ソリューションに関する理解度とか切迫性とかユーザーインタビュー的なことができる良さもありますよね。
セミナーについて
じっくり60分とか90分で魅力を存分にお伝えできるので、いい場ですよね。ナーチャリングって言葉はそんなに好きじゃないのですが、お客様の検討ステータスがグイグイ進める場になります。セミナー集客がしっかりできるか、課題を顕在化したりニーズに強く刺さるトークができるかで成果は全然変わると思います。ちゃんと「こうやったらめっちゃ良くなりますよー!」って熱くお伝えできる場所ですからね。
ちな、ウェビナー(オンライン開催セミナー)全盛時代になってからはリスナーの反応がリアルタイムで見えづらくなっているのが困るポイント。参加しやすくなったとかの顧客側のウェビナーの良さもあるんですが。
消費者理解の大事さはBtoBもBtoCも一緒
一緒です。はい。BtoB特有の商習慣を理解するのも大事す。ガチで検討フェーズに入った時に、発注先をどう情報収集して選定して問い合わせするのか。その時の検討候補に入るにはどうするかなど。顧客のユーザー行動・購買行動をよく観察し、理解することの重要性は同じです。
これらは手段であって、目的達成までに前進しているのかが全て
リード獲得施策をやっていても、実は取得済みの人がまた申し込みした可能性もあるので、ここで見るべきはリードカバレッジ。ターゲット顧客群のうちどのくらいの割合でリード獲得できているかの率です。同じリードを含めたリストを集めてるってこと、ザラにありますから。ここの計測は要注意。
マーケティングの本質は変わらないけど、カテゴリーによって手段の最適選択は変わるという話
お客様が欲しいものを作り、欲しがるように伝えて、欲しがるようにお届けする。この基本構造は変わりません。
日用品だったら、今の商品に何気なく感じている不足・不満・不便・不合理・不快・・・の不を解決できるものを作って、それをちゃんと「こういうあなたが欲しがってた物ができましたよぉーー」と伝わるコミュニケーションをして、全国のスーパーやドラッグストア やコンビニに配荷して手に取りやすいようにすること。
ラグジュアリーだったら、プレステージを表現できるような商品を丁寧に作り、大衆には憧れを抱かせ、あの人だから手に入れられるの称号をお渡しすることなど、カテゴリーによって戦術は大きく異なります。
BtoBだったら顧客数が限られるとか、高額商材だとか、いろいろ特性があるかと思います。その特性をしっかり押さえた上で原理原則に基づいて、その時代時代に合わせた戦略・戦術を考えればいいのだなと思います。
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