夢の自宅サウナ生活 :サウナテントの選びかた
おひさしぶりのnote。こんにちは、ムロタです。
世間ではムロタ式サウナが、すっかり定着してきたようす。「テントの中に電気ストーブを入れて……」と話しても、ちょっとサウナに詳しい人だと「あーそういうやり方あるよね」くらいの認識で、たいして驚かれなくなってきました。いいことですね!
さて。
本題に入る前に、そんなムロタ式サウナのちょっと遅いお知らせをひとつ。
毎年11月11日(ととのえの日)にプロサウナーたちによって忖度 選ばれるSAUNACHELIN (サウナシュラン)、ありますよね。
その中に、サウナ啓蒙活動に貢献した団体や企業に贈られるSaunner of the Yearってのがあるんですけど、2023年は草彅洋平さんとTeam AMAMIが編纂したサウナ語辞典 が受賞されまして。
この辞典に、なんと……
【ムロタ式サウナ】が掲載……ッ!!!
完全に市民権、獲得です。ありがとうございます。
まだ読んでない人はこちらからどうぞ ↓
さて、そんな市民権を得たムロタ式サウナ。
このnoteを書いてから4年ほど、サウナストーブについてはどこでもかしこでもMISAは最高! MISAは最高! と、断言しつづけているわけですが。
テントついては、正直ふわっとごまかしておりました。
だって、薪ストーブver.でいろいろ入ってみたところで、MISAで使うとなると話は別だし、そもそもそんなにいろいろ試せないし……。
そう、ストーブのことはいくらでも書いていたのに「このテントがオススメ!」と明言できていない状況を、長らく気にはしていたのです。
しかし、ようやく最適解が!
今回は、自宅で使えるテントサウナ、とりわけMISA Kolibriにぴったりのテントを紹介するnoteです。
※ 価格はnote公開時のものです
● 小さいテントサウナがほしい
我が家のムロタ式サウナ、今でこそ広めのベランダに設置していますが、当初は部屋のなかにテントを張っておりました……。
これの誕生のきっかけは、サウナ室を木で施工すると200万ほどかかってしまうからとか、マンションの共用部(ベランダ)に建造物建てられないから、とかいった縛りから派生した苦肉の策だったわけです。
けれど、そもそも200×200cmの巨大なテントが張れちゃう空っぽの部屋や、そんな広いベランダを用意すること自体、電気工事以上にハードルが高い。
……にもかかわらず多くの反響があり、「ムロタさんにならって部屋テント張りました!」「ムロタ式のために家買いました!」みたいな報告を次々にいただきました。みんなおかしいよ。
でも、そんなみんなも心のどこかで思ってたはず。
もっと小さいサウナテントがあればそれで充分なのに……って。
なんならムロタだってそう思ってたよ!!
ムロタ式サウナの登場から3年。
あるのよ、今は。
1〜2人用サウナテントが。
① IESAUNA 【1人用】
IESAUNA(イエサウナ)は、2021年にローンチされた、都会のベランダで使えるバイオエタノールのサウナストーブを独自に開発した家庭用サウナメーカー。たった5分で暖まる立ち上がりのはやさと、コンパクト感が人気。
……なんだけど、このテントのサイズ感ちょうどいい!ってひらめいたまるさんが、IESAUNAテントにMISAストーブを入れた部屋テントサウナをTwitterに投稿。
IESAUNAは欲しいけど付属のストーブは火の扱いには自信が……ってな方々にこの方式はぶっ刺さったようで、泉興産にもIESAUNAにも、ちょいちょいこのIESAUNA版ムロタ式目的の注文があるらしい。
以前からのムロタ式仲間にも、テント乗り換え組はいます。
さらに、より保温性が高いIESAUNA HEAT+テントも登場。こちらはがっつり内側が断熱コーティングされており、マイナス気温にも耐えられるほどなので、真冬でもベランダでやりたいひとや、よりサウナに熱さを求めるひとにおすすめ。
なお、テント設計は、すべてIESAUNAオリジナル。だから、ほかで同じようなの安く売ってたー! なんてことは絶対にないので安心してください。
畳むのも広げるのも、女性一人でも簡単なポップアップ式なのがありがたい。
なお、IESAUNAの実物がみたい東京近郊のひとは、毎月月末にJR田端駅から5分の場所で無料体験会を実施中なのでそちらへ。実はここに毎回ムロタが出店しにきてるので、ムロタにムロタ式の相談してみたい、ってひともお待ちしてます。詳細・予約はIESAUNAのLINEにて。
ちなみにIESAUNAは今年、なんと国産電気ストーブの開発・販売もはじめたんだけど、今回はテントの話なので長くなるから省略。詳しくはこちらの商品ページから。
● IESAUNA
テント単体価格:¥49,500- /HEAT+ ¥69,800-
バイオエタノールストーブとのセット価格:¥198,000/HEAT+ ¥249,000
設置時間:5分、1人で
大きさ:D70cm × W140cm × H172cm
定員:1人
販売方法:テントのみ希望はIESAUNAへ直接連絡
(ムロタのnoteを見てと伝えると話が早いです)
推奨MISAストーブ:MISA Kolibri 3.6kW(室内なら2.4kWでも)
② NOPPAsauna KAKSI 【1〜2人用】
もうひとつの最適解サウナテント、そしてムロタの推し、それがNOPPAsauna KAKSI(ノッパサウナ カクシ)。
NOPPAsaunaは、キューブ型大型テントも2021年から販売しているブランド。中のひとは、25年ほどカシミアなどを扱っている布メーカーを営んでいる。が、突如サウナにハマり、ちゃんと布の暖かさにこだわったテントサウナがほしいなと考え、開発をスタート。
で、MISA代理店である泉興産にちょいちょい開発の相談をしていたそうな。
おさらいをしておくと、泉興産とはフィンランドのサウナストーブMISAを扱っている家族経営のゆるーく小さな代理店。しかし30年以上前から日本でロウリュができるストーブを扱っている会社で、フィンランド大使館のサウナにも入っている、超安心と信頼のブランドなのです。
そこにここ数年、ムロタのnoteのせいで個人宅からの問い合わせが激増。とくに、ムロタ式を室内でやりたい旨のリクエストが相次ぐようになりまして。
で、あまりにも要望があるからと、今度は泉興産から「いっそ室内専用サウナテントをつくって」と相談を受ける側になったNOPPA。
そして、できちゃったのがこれ。そう、これは何を隠そう、ムロタ式サウナ専用テントなのです。
煙突穴がないので、まじで電気サウナストーブしか入れられない。よくこんなニッチなもんつくったな!
2人で入れて、1人でもひろびろなのがうれしい。テント高190cmなので、大柄な男性が中で立っても頭がぶつからない仕様です。
さらにこの泉興産監修の座面がめちゃ高い檜ベンチを置けば、それはもう充分すぎる熱さに……。
人が乗るとこのくらいの高さ。フィンランドサウナ原理主義のムロタ的には、これこれ、この高さがフィンランド!ってなる。めっちゃアガります。
というのも、フィンランドのサウナでは、ベンチの座面は蒸気の出てくるストーブの表面よりも上であるべき、かつ、充分に換気されていることが必須条件でして。
このテントは、設計に泉興産の技術者さんの要望がぎっしり詰まっているため、換気口も、木造サウナ室にひけをとらずちゃんと機能する。
熱い、けれど、息苦しくならない。
そんな本格フィンランドサウナが施工ナシでできる!
すごい代物です。
フィンランド人やムロタのように、70℃くらいでのんびり入りたいひとは、設定温度を下げればその分消費電力を抑えられ、結果的にランニングコストもカット。
ちな我が家でお試し的に使ってみた図がこちら。
ここでは本来あるべき座面の高さは作れてないけれど、野外でこの状態で、体育座りをすればむしろ熱すぎるくらい。推奨よりも一段ハイパワーな4.5kwのストーブなのもあって、上の温度計は120℃を指した。試したの真冬だったんだけど……。
カシミアなどのあたたかい布について熟知している布メーカーが、オリジナルで開発した生地ゆえのこだわり、ゆえの断熱度。
これ、まじでオススメ!
● NOPPA sauna KAKSI
テント単体価格:¥65,780-(税込)
設置時間:10分ほど、2人だとベター
大きさ:W100cm × D140cm × H190cm
定員:2人
販売方法:NOPPAのオンラインショップ・泉興産
推奨MISAストーブ:MISA Kolibri 3.6kW(室内なら2.4kWでも)
檜ベンチ(別売・泉興産にて販売):¥36,080-(税込)
※ NOPPA購入時、オンラインショップのコメント欄に「ムロタ式note」と書くと、ノベルティプレゼント!! 活用してね。
※ MISA Koribli 4.5kWを入れて使う場合はパワーが強いので、ストーブ上部のポールを布などで包んでから使うと安心です!
・まとめ:テント3種を比べてみよう
結局どのテントがいいのというと、それはもうお好みなんだけども。
「何人でつかうか」「広さか、コンパクトさか」「熱さレベル」「コスト感」「黒とオフホワイトどっちがすきか」「生地の質感」などなど。
わかりやすく表にしました!
【結論】
・コスト重視:MISA × IESAUNA
・ゆったり感とフィンランド感重視:MISA × NOPPAsaunaKAKSI
・熱さ重視(北国以外ではオーバースペック):MISA × IESAUNA HEAT+
とはいえ差額1〜2万程度なので、上の比較表を参考までに。
家のサイズ感とかもチェックしてね!
ちなみにMISAストーブの2.4kWと3.6kWの違いは、見た目は全く同じで、電源も同じ。パワーだけが異なります。差額は3万ほど。ムロタなら3.6kWを選ぶかな。
なんにせよストーブ別途で考えると、150万ほどかかるはずのサウナ室を、たった7万円、ものの10分でつくれてしまうのだから、これはもう試してみる価値しかない。
ちなみにサウナを使い終わったあとは、しばらく余熱で乾かしてから換気すると、カビの発生を防げます!
● 逆にこんなテントは微妙だ
・ワカサギ釣りテント(満足度低め)
ちょっと大きなテントの話になりますが。
実は我が家、初期にロシアから直輸入したドラえもんロシアンカラーMORZHテントはとっくに廃棄してまして。
というのも、我が家はしょっちゅうサ客がくるし、自分でもたびたび入りたいので、風の強い日以外は基本ベランダ出しっぱなし。屋根もないから紫外線による褪色や雨での劣化が著しく、3年保たなかったのです。
ただ、ムロタ式部屋テントサウナーたちは3年以上経ってもぜんぜん大丈夫っぽいので、これはもう屋外ムロタ式特有の悩みですね。(カバーでもしたら大分違うとは聞いております。ずぼらすぎて実現できていません)
……で、そろそろ新しいテントを買おうと思ってたころに、ふと、
電気ストーブなら煙突屋根いらないから、真冬用のテントでも代替できるのでは?
などと思いついて「防寒 テント」とかでググったんですよ。そしたら、
EX-PROとかと同じ形のテントがあるじゃん!! でも怪しさの極み!!
とはいえ、一度人柱に立ってみようと、買ってみました。
が、案の定、冬は寒いし、耐久性も低く、生地もすぐボロボロに。結局ワンシーズンで処分。内側に防寒施工をがんばってやればよかったのかもしれないけれど、その労力と材料費があるなら専用テント買った方がいいのでは? とDIY技術の乏しい自分は思った次第。まさに安物買いの銭失い。
今思えばNOPPAはこの情報に3年前にはたどり着いていて、オリジナル布を開発して売ってたわけで……。アーリーアダプターすぎる。
ただ、逆にDIY能力があるなら、テントはあるていど何でもいい気もする……まあ、技術力プライスレスなんで。
ちなみに今の我が家では、引っ越しでムロタ式サウナができなくなった方から、直輸入時代のMORZHを安く譲り受けたので、今は大事に使ってます!
・しょぼいムロタ式には手を出すな
あと、これは警告。
最近1人用の「○うちDEサウナ」とかいう謎商品が出回ってますが。
もうね、通常であれば最低でも10kgはストーンを積まないといけないのに、たった2kgってどゆこと。って震えてます。
というのも、ストーンは水を蒸発させる役目として置かれているわけで。だって石がたくさんないと、熱源に水がダイレクトにかかるので、単純に漏電のリスクが上がるし、専用じゃないアロマオイルを使ったら油が熱源にかかって、最悪発火の危険性も……。
などなど、MISA持ちの観点からすると、不安要素満載すぎて見事におすすめできないし、私とは何の関係もありません。よろしくどうぞ。
● ますます広がるムロタ式サウナ
断熱性が高く、場所を取らない、暖まりの早いコンパクトなテントの登場で、ムロタ式サウナはますます気軽な時代へ。
ゆくゆくはテントじゃなくて木でサウナ室をつくりたい。そんなひとがひとまずお試しで、夢への繋ぎにするのもいい。だってストーブが家にあるってだけで、妄想は無限大。
サウナが家にある。そのほんとうのよさを知っているのは、サウナを持ったひとたちだけ……。
さて、あなたはどんなムロタ式をつくりますか?