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20241225

クリスマスだ。

ここ数年のクリスマスは、毎年あるお2人のライブに行くことが恒例になっている。

そのお方とは、ジャズミュージシャンの菊地成孔さんと山下洋輔さん。

毎年クリスマスの時期に新宿ピットインで行われるジャズライブに、今年も足を運ぶことができた。

ジャズライブなんて敷居が高くて行き始めた最初のうちは緊張していたけれど、もう3、4年も経つと慣れたもの。

今年はチケットの売れ行きが良かったのか、座席の数がいつもより少なく、結構良い整理番号だったのだが、ギリギリ後ろの席を確保することができた。

ステージ上から出る音は、山下洋輔さんのピアノと、菊地成孔さんのサックスのみ。

その必要最小限な音で、即興的なプレイを炸裂し合う姿は、思わず固唾を呑んで見守ってしまう。

時に2人で笑みを零しながら繰り出される熟練のプレイは、なんだか聴いていると小宇宙にトリップしそうになる。

前半1時間弱、休憩を挟んで1時間半の構成だったが、特に後半は時間の流れを忘れてしまうほどお2人の演奏に没頭した。

没頭しすぎて、今日がクリスマスの夜だということを忘れてしまう時間もあったな。

リズムも拍子も自由にはみ出るジャズを聴いていると、乱れた自分の頭の中が整理されるというか。

いや、整理というより乱れた頭の中を具現化した時に、いちばん近い音楽が即興のジャズなんだと思う。

パフォーマンスを聴いている時は、色んな事柄が脳内を駆け巡る。

次のライブのこととか日常の些細な出来事から今後の生き方といった大きなことまで、音楽を聴いていることで無意識へとアクセスがしやすくなって色んなことが脳内に浮かんでくるのだ。

だからジャズを思いっきり浴びたあとは、とってもスッキリしているというか。普段から張り巡らせているアンテナが修復されたような気持ちになる。

菊地成孔さんのサックスを吹く姿は、毎年惚れ惚れする。

綺麗さだけではなくちょっと恐ろしさもある彼のサックスの音色は、菊地さん人間性がそのまま滲み出ているようだった。

そこに御歳82歳の山下洋輔さんのピアノが加わり、聴いている者を極上の世界へと誘ってくれる。

今年は菊地さんの軽妙なMCが控えめだなぁ、と本編の時は思っていたのだが、アンコールでは挨拶とMCをちょこっとしてくれて、頬が緩んだ。

彼の言うとおり世の中は混迷を極めているのかもしれないけれど、クリスマスに菊地成孔さんのサックスと山下洋輔さんのピアノを聴きに行けている間は、まだ平和だ、と信じたい。

来年も平和であるといいな。

メリークリスマス!

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