法人の【決算月】の決め方
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
==================
■私は開業して
3年になるのですが
顧問のお客様の中にも
同時期に
個人事業主として開業され、
私とちょうど同じ位の
業歴になっている経営者の方が
少なからずいらっしゃいます。
3年も経つと、
業績が大幅に上昇し、
その後の事業展開を考え
法人成りをする
という選択肢も出てくるんですね。
その法人成りをする際に
決めないといけないのが
【決算月をいつにするか】
ということ。
今日はその
『決算月の決め方』
について、
お話を進めていくことにいたします。
■まず
決算月とは、
【その会社の締めの月】
ですね。
個人事業主であれば、
12月が決算月ということが
決まっているのですが、
これが法人となると、
【決算月は自ら決める】
ことになります。
しかしながら、
何の考えもなく
決算月を決めているようでは、
経営の面では極めて危険である
と言わざるを得ません。
■では、
どのようにして
この決算月を決めていくのでしょうか。
このことについて、
『税務』の面と、
『経営』の面から
それぞれ見ていくことにいたします。
■まず税務の面ついて。
税務の面とは、ここでは
節税を見越して、
なるべく税金が少なくて済むような
決算月の決め方
のことを言います。
これは、
節税の本質的な部分を考えると
見えてくることなのですが、
結局のところ、
決算において、
どれだけ経費を積み上げるかによって
納めていく税金の額が変わってくる
というもの。
とするならば、
最も調整をしやすい月を
決算月とすべきでしょう。
間違っても、
決算の月にドカンと利益が
上がってしまうような状況では、
対策もしにくいですよね。
■したがって、
税務の面から考えると、
なるべく利益の上がりにくい月を
決算月とすべきである
ということなんです。
逆に利益が上がりやすい月は、
なるべく最初の方に持ってくるべき
であるとも言えます。
例を上げると、
5月において
利益のピークが来るような会社であれば、
5月を期首の月としてとして、
4月決算とすることにより、
その期のスタートから
大きく利益が上がってくるため、
この利益を
上手に打ち消していくかが如く
経費を積み上げていくことにより、
決算月である4月までに
上手に調整すれば良い
ということになりますよね。
極端な例ではありますが、
税務の面から言えば
決算月はこうやって決めるべきである
と言えるでしょう。
■では次に、
経営的な面で
決算月を検討してみましょう。
経営的な面とは、
経営を拡大するために
どのような月を決算月とすべきか
ということ。
経営の拡大…
つまり経営を円滑に回していく方法を
取りたいところですので、
経営の血液とも言える
『現金』を循環させて、
しっかりと経営全体に
その現金が行き渡るように
進めていきたいところなんですよね。
■とするならば、
金融機関の評価上、
最も良い状態で
決算書を作りたいところです。
このようなことから考えると、
金融機関は、
【現金預金を潤沢に持っている会社】
に対して
融資をしたいものです。
金融機関は、
我々が借入金の返済をする際に払う
金利が売上になるので、
確実に貸付金の回収をしたいんです。
そうなると、
間違いなく借金を返してくれるであろう
取引先にしか貸したくないですよね。
だから、
キャッシュを多く持つ会社は
金融機関にとって魅力的なんです(^^)
つまり、
金融機関が良いように
評価してくれるようなタイミングで
決算月を設定すること。
このようなことから考えると、
最も現預金を持っている時期にあたる月を
決算月とすべきである
と言えます。
■どうしても
目先の税金を払いたくない
ということで考えると、
前者の税務的な面で決算月を
決めがちではあるのですが、
今後の経営の拡大を
見越していくとするならば、
後者の金融機関の評価の面から
決算月を決定していく
ということも
視野に入れておきたいところですね。
■もしあなたが、
法人を設立して
決算月を決めるとしたら、
どちらの視点から
決算月を検討されるでしょうか。
既に法人化しており、
決算月が確定していたとしても、
決算月は意外と簡単に
変更することが可能ですので、
税務的な面、経営的な面問わず、
【決算月を変える】
という方法も
一つの経営の施策として
携えておくと良いかもしれません。
--------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・決算月を決定する際は、
『節税的な面』と『融資の面』
の両面から検討していくべし。
・当面の税金を抑えたいのであれば
節税的な視点で
決算月を決めるべきであるし、
将来的な経営の拡大を見越すとしたら、
現金預金が最も残る月を決算月とすべし。
・決算月が既に確定しているとしても、
『決算月の変更』
という手続きをとることにより、
決算月を変更することが可能である。
--------------------
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹