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感想文 殺人の追憶


死刑囚と面会を書簡での対話や
母親を殺された女性との会話、
妻が子供を殺めて残された夫の話
老々介護の末に妻を殺めてしまった男性
などの
壮絶な環境にある相手とのやりとりを記している。

介護施設での事件の犯行を裁判でも否認し続けていた死刑囚が
やりとりの中で犯人が自分であることを自ら伝える件も衝撃的だが
何人目かの父親に実母を殺害された女性は
殺人犯である父親に対してごく普通の男性であったという
印象しか持たないが母親を殺した男であるという事を
乗り越える訳でも決別するわけでもなく
ただその過去を心の中に持って生きていくのだという事が
強烈に心に残った。
老々介護の末に妻を殺めてしまった男性も
インタビューを読む限り
ギリギリの状況に追い込まれて
手を下してしまった事を
非難できるのだろうかという事を
考えてしまった。

死刑囚と最後に会った別れ際に
「夜遅いからってラーメンばかり食べちゃいけんよ」
と声を掛けられる著者の気持ちはどんな気持ちだろうと思う。

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今成柔術の村田卓実です
面白い人に話を聞いてみたいです。 リアクションあるとはげみになります。 メッセージ添えて頂けたらなお嬉しいです。

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