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【今日のnote】お金は必要だけれど、目先のマネタイズは人生の目的にはなり得ない。


 どうも、狭井悠です。

 毎日更新のコラム、164日目。


 先日、エレファントカシマシをApple Musicで聴いていたら、「デーデ」という曲があって、この曲の歌詞がなんとも投げやりで面白かった。

溜め息ばかりついてたら
何もできないさ
こんなにつまらん世の中も
金がかたづける
世の中まるく治めるなら
頭脳はいらないさ
少しばかりの悪知恵と
金があればいい
悲しい事あっても
1人きりになっても
金があるじゃないか
金があればいい
もしも君に友達が
1人もいないなら
ふぬけたドタマ フル回転
金が友達さ
悲しい事あっても
1人きりになっても
金があるじゃないか
金があればいい
金持ち とりもち 力持ち
もちにもいろいろあるけれど
金持ち1番強いのは
誰でもしってるさ
友達なんかいらないさ
金があればいい
ララララララ
心も身体も売り渡せ
金があればいい

 ご覧の通り、「金があればいい」と、はっきり歌ってしまう歌だ。

 なんとなく、この歌を聴いたときに、映画「スカーフェイス」のトニー・モンタナのことを思い出した。

「スカーフェイス」は、ブライアン・デ・パルマ監督が1983年に制作した伝説的なギャング映画で、キューバからアメリカにやってきた青年トニー・モンタナ(アル・パチーノ)が、コカインの密売でのし上がり、自滅していく様子を描いたピカレスクロマン作品である。

 トニー・モンタナはとにかく血気盛んな田舎者で、「コカインで世界を牛耳る」という夢を持っている。

 その圧倒的な悪党のセンスで、トニー・モンタナは若くして世界有数の麻薬カルテルのボスにのし上がるが、周りには誰も信用できる人間がいない。

 最終的には唯一の親友で、側近であるマニーを裏切り者だと思い込んで殺害してしまい、敵対する組織からの攻撃で、激しい銃撃戦の末に命を落とす。

 映画のラストでは、"The World is Yours"(世界はあなたのもの)と書かれた像が、トニー・モンタナの亡骸を見下すように立っているシーンが映される。


 エレファントカシマシの「デーデ」で歌われているのは、金の力に取り憑かれた孤独な男の姿であり、映画「スカーフェイス」で描かれているのは、成り上がりだけを目的に生きてきた悪党の末路である。

「マネタイズを目的に人生を過ごしているとロクなことにならない」という風刺が込められている作品だと言える。


 ちなみに、僕自身は、マネタイズをしていくことに関して、ある程度は肯定的な考え方を持っている。

 20代の頃、お金を稼がなければ、世間や周りの人間が何一つ、自分の行動を認めてくれないことを痛感した。

 僕は、大学を落第して3年間も留年してから社会人になった落ちこぼれだったので、学生時代や社会人の頃は、音楽をやっていても、文章を書いていても、皆がこぞって「どうせ稼げていないんだろう」とマウンティングをしてきた時代だった。

 だから、30代になって、会社員を辞めてフリーランスになってからは、とにかく、そういう人間たちを黙らせるために、会社員の頃以上に売り上げを出すことを第一に考え、長期の休みは一度も取らずに、この2年間、一生懸命に仕事をしてきた。

 現在では結果が伴ってきたので、少なくとも、収入面でマウンティングされるような、悔しい場面に出くわすことはなくなった。

 

 でもね、だからなんだ、という話なんですよ。

 前置きが長くなったのだけれど、今回、僕が言いたいのは、「お金は必要だけれど、目先のマネタイズは人生の目的にはなり得ない」ということである。


 トニー・モンタナがなぜ、巨額の富を得たのに、不幸な人生を歩んだのか?

 それは、彼自身が成り上がりの先のゴールを決めていなかったからだ。

 お金を得て、あなたは、わたしは、そこから先にどうしたいのか?

 お金はあくまでも、社会的な選択肢が増える手段でしかなく、お金を得ること自体は、人生の目的には決してなり得ない。トニー・モンタナは、お金を稼いだ先の人生を何もデザインしていなかったから、自滅したのである。


 お金を稼ぐことから、逃げてはいけない。

 けれど、お金を稼ぐことは手段であって、目的ではない。

 重要なのは得たお金で何を実現したいか?


 このあたりのことをあらかじめ考え、自分の中で答えを持っておくことで、人生の豊かさや、幸福度といったものが決定づけられてくるのではないだろうか。

 僕は、この30代、物書きとしての経験値を最大限に積みたいという想いがあるので、稼ぎはすべて、自身の活動経費にほぼ全額投資している。東京で社交の場に顔を出す時は、いわば毎日が取材のようなものだ。面白い話を聞くために、経費は出し惜しみなく使うようにしている。

 そして、そこから得られた気づきや発見をnoteで無料公開したり、企画のネタにしながら、信用の貯蓄を得ていき、将来、大きな挑戦がしたくなった時にマネタイズができるように、虎視眈々と準備をしているところである。

 ちなみに、信用の貯蓄ってそもそも何? という方は、以下のコラムを読んでいただければ、現代のお金と信用のパラダイムシフトをご理解いただけると思うので、併せてチェックしてみていただきたい。


 目的があるからこそ、そこにたどり着くための手段が必要になる。やりたいことがあるから、お金が必要になるわけだ。考えてみれば、非常にシンプルな話なのだ。

 しかしながら、お金については、なぜか、その順序が逆になってしまっている人を多く見かける(経営者ですら、そういう人はいる)ので、警鐘の意味も込めて、今回のnoteを書き記しておいた。


 もしも、お金を稼ぐことだけを目的に生きていたら、成り上がることはできたとしても、エレファントカシマシの「デーデ」を口ずさみ、トニー・モンタナみたいな末路を送る人生になっちまう。だからどうか、気をつけて。


 今日もこうして、無事に文章を書くことができて良かったです。

 明日もまた、この場所でお会いしましょう。

 それでは。ぽんぽんぽん。

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