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【悪用厳禁】のテクニックはなぜ上手くいかない?具体的に解説
行動経済学の「価値を高く見せる」テクニック
行動経済学的には
「大変だった、苦労した、時間がかかったこと」は価値が高く
「簡単だった、楽だった、すぐできたこと」は価値が低く感じられるとされています。
noteの有料記事を例にすると、
「全く成果が出なかった私が、これまで150万円をかけて身に付けたテクニックを余すことなくご紹介(12,000字)」
が、価値が高く、
「150万円かかった情報商材を生成AIで要約してご紹介(12,000字)」
が、価値が低いイメージでしょうか。
どちらも150万円かかったという点と、12,000字という文章量は同じですが、確かに価値に差を感じます。
学んだテクニックが上手くいかない理由は?
「なるほど、大変だったということを強調すれば高く売れるんだな」
と思ってマネをしてやってみると上手くいかなかった、などはよくある話です。特にテクニックに溺れたわけではなく、純粋に学んだことを実践してみただけなのに、上手くいかないのはなぜでしょうか?
今回は、答えをすぐに書かずに、事例を見ながら一緒に考えていきたいと思います。
事例)締め切りが3日後の仕事を1日でできたがすぐに提出しない
月曜日の13時に、「木曜の午後の会議で使用する資料を作成してほしい」という依頼を受けました。依頼されてすぐに資料作成に取り掛かり、16時に完成しました。
3時間で終わったのですが、『簡単にすぐにできると価値が低い』というこを思い出し、締め切り直前の木曜の11時に提出しました。
依頼者は11時から打合せがあり、12時に終わって資料を確認したところ、認識に食い違いがあり、このままでは資料が使えない状態でした。
二人ともお昼休み時間を返上して修正したものの、間に合わず、会議でも資料の不備に対して多くの指摘を受けました。
会議後、実は月曜の16時時点で資料ができていたことがバレてしまい、
「なぜ早く提出しなかったのか」と問われ、信頼を失ってしまいました。
行動経済学で書かれているテクニックは間違ってはいない
私もシステム開発で、簡単にできたため、価値を感じてもらえずに「そんなに簡単にできたのならもっと安くしてほしい」と言われたことがあります。
「○○の機能を開発してほしい」と依頼されたときに、本来、そのアウトプットに対してお金をいただくので、他の人が3日かかる開発を私が3時間でできたとしても安くする必要はないはずです。
ただし、お客様からすると「そんなに簡単にできたのならもっと安くしてほしい」という心理はごもっともです。
他にも、話の一部を聞いてすぐに答えがわかってすぐ回答すると、
「ちゃんと話を聞いてくれない」
と思われる場合があります。
そのため、最後まで話を聞いてから回答するほうが、結果として良いです。
つまり、行動経済学のテクニック自体は間違っていないのです。
ゲームだとパラメーターが少ないので、単一テクニックでも再現性が高いですが、現実世界はパラメーターが膨大で、一つのテクニックの影響度が小さく、環境が変われば再現できないことが多いのです。
また、【悪用厳禁】のテクニックが上級者向けだと、さらに上手くいかない可能性が高く、ゲームだと練習モードで試してから本番に臨むことができますが、現実世界だと常に本番のため、失敗しやすいのです。
事例の改善例としては、8割完成した時点で依頼者に共有し、フィードバックをもらって、残りの2割を期限までに仕上げるという「パレートの法則(80対20の法則)」を使えば、上手く進んだと思われます。
ただし、これもやってみたから改善案を考えられたのであって、
「せっかく覚えたテクニックを使いたい!」
という心理状態で、最初から上手くやるのは難しいと思われます。
そのため、【悪用厳禁】のテクニックを覚えたら
今の自分の状況に当てはめて上手くいくか想像する❗
小さく試す❗
が、コツになるかと思います。
せっかく覚えたので上手くいくことを願っています!
では、また次回!
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