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よくある「こうじゃないんだよね」という指摘の対処方法
できた成果物を見て、
「これではお客様のためになっていない」
「期待していたイメージではない」
と言ったり、言われたれりしたことはないでしょうか?
もし、これらの指摘後に修正をして、その次もNGだった場合は、それ以上のやり取りは不毛です。
やり取りを続けて
「この部分はもっとこう、これは○ではなく△で」
と指摘し、部分的に改善したとしても全体を通して満足する成果物にならない可能性は比較的高いです。
なぜでしょうか?
依頼する側と依頼される側の大きなギャップ
依頼する側:「これくらいわかっているだろう」
依頼される側:「教えられないとわからない」
上手くいかなかったとき、この差がどれくらいあるかを少し考えてみていただければと思います。
ギャップが大きい場合、やり取りを続けるとストレスが増加します。
声に出さないまでも、次のような負の感情が生まれやすいです。
依頼する側:「何度言ってもわかってくれない、なんでわからないんだ」
依頼される側:「なぜ、こうなるのかわからない、もう嫌だ」
『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』のスキーマの違いではあるが…
上手く伝わらないのは、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』で言われているスキーマの違いではあります。
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対策としては、
前提として人それぞれの偏りのあるスキーマを持っていて、それをベースとしたコミュニケーションしか取れないということを理解し、
相手の置かれている状況を分析し、それに応じた提案をする。つまり、相手の立場に立つ
ということが書かれているのですが、
「相手の立場に立って伝える」
ということは、昔から言われていることで、
「言うは易く行うは難し」
なのです。
依頼する側される側のギャップが大きいということは、お互いに相手の立場が理解しにくいから起こっているのであって、その対策として
「相手の立場に立って考える、伝える」
だけだと、精神論に近くなってしまいます。
【実践】仕事の依頼のコツ
①最初の依頼時のポイント
依頼する側:依頼内容を理解できているかを質問する
依頼される側:理解できているか確認する、わからない点を質問する
「【良書】ただ、読んだ人が都合よく解釈しないといいけど…と思った本」の『質問の効果』でも少し記載していますが、
お互いに質問して依頼の成果物が合意できるかがポイント❗です。
成果物に対して、お互いに質問してかみ合わないと感じた場合、
時間がない緊急時:全部、もしくは大部分を自分か、代わりの人に依頼する。元々の依頼者へは一部のみを依頼し、今後のための練習とする。
時間的余裕がある時:背景も含めてじっくり時間をかけて説明し、その後もフィードバックを密にする。
ビジネスでは締め切りがあることが多く、かつ、急いでいることも多いです。理想は、両者が納得いくまで話し合うことですが、実際には難しい場合も多いのではないでしょうか?
この場合、割り切りも必要です。
焦って取り組むと、結果としてマイナスになるリスクもあるため、全く時間がない場合は、別の機会にするというのも一つの手段です。
②できた成果物が期待と大きく外れた場合のポイント
依頼する側:継続したいかを確認する
依頼される側:自分の気持ちがギブアップかどうかを素直に伝える
最初の依頼時に成果物に対する合意を行っていても、期待値から大きく外れていた場合は、
「できそうか?」ではなく、「(継続して)やりたいか?」
の確認が有効です。
この段階で、成果物が期待値と大きく外れている場合は、継続してやりたいという意思がないと厳しいです。
そのため、「できそうか?」を確認するのではなく、「継続したいか?」を確認する方が良いです。
依頼された側も、自分の気持ちがギブアップの状態であれば、きちんと「難しい」と伝えて断ることも重要です。
その時はつらいかもしれませんが、長期的には断る方が上手くいきます。
そもそも、「これではお客様のためになっていない」と感じる場合、お客様の業務フローや課題の理解がかなり足りていないからですが、この改善には時間が必要です。
ものすごくわかりやすく伝える能力は、すぐには習得できませんし、『お客様の理解』は時間をかけて経験して理解できるようになることも多いため、今回は割り切って、「この部分だけを改善する」という小さな目標に設定変更する方が、後々良い結果につながります。
これらもまだ「言うは易く行うは難し」かもしれませんが、より具体的な対策になっていれば幸いです。
システム開発プロジェクトにおいて、現場に即した実践的な改善提案をいたします。ぜひ、お問合せください!
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