ジェンダーとセクシュアリティに関する講義を受けて
こんにちは。
とても久しぶりの投稿となってしまいました。
その間、ライフイベントも色々あったのですが、ジェンダーに関する勉強も細々とですが、続けてきました。
この4月から7月にかけては、ジェンダーとセクシュアリティに関する大学の講義を受講し、無事全15回通うことができました。
先日ようやくレポートも提出できたので、講義について、また現在の自分の考えなどについてまとめておきたいと思います。
ジェンダーに関する発信について
3年前にジェンダーやフェミニズムについて興味を持ち、勉強を始めて、ブログなどでも書いてみたりしていたとき。問題意識を強くもち、勉強すればするほど、「なるほど!これが問題だ!」「これが私の言いたかったことだ!」ということがたくさんあって、楽しかったし、エンパワーされたし、どんどん書いていきたい!と思っていました。
しかし、本を読んで知識を蓄えるにつれて、問題が全然シンプルではないことに気がつきました。1つのことについて書くにも、なぜ今そうした問題が出てきているのか、その歴史的な流れや様々な言説などを知るうちに、自分が何か書くことへの難しさを感じるようになりました。
今はどうかというと、これまでのフェミニズムの流れ、議論されてきたことをすべてを知ってから何かを語ろうとすると、いつになるのやら…。それに、一つの記事ですべてを伝えるのは難しいし…。でも、発信したいと思ったときに発信したい!でも一方では、間違いたくない、と思っている自分もいます。
そんなことを考えていると、今の自分が知ってること、知らないことに自覚的になり、自分ができる範囲で、きちんとリスペクトを持って書いていくしかないのかなあ、と思っているところです。その上で、間違ったことを言ってしまったら、きちんとその都度反省し、改めていくしかないなあと…。
これらのモチベーションのアップダウンについて、(大地震が危惧される今出す例えとしてはあまり適切ではない気もするのですが)災害後のハネムーン期から幻滅期、そして再建期の流れに似ているようなかんじもしました。
生活する中で出会う性差別的な出来事、ニュースから生じるショック、そしてフェミニズムの本などから得られる連帯感や高揚感。しかし事態は複雑だし、現実はなかなか変わらない幻滅期、そしてそのなかでやっていこうと考える時期・・・
10月から後期の授業が始まるのですが、そこに向けて、また読んだりまとめたりしていきたいと思っています。
この災害時の4段階はよく出てくる図なのですが、回復の過程やかかる時間は被害状況や、どのようなサポートが得られているのかによっても変わります。文章で少し読みづらいですが、災害時の心のケアについて知りたい人は日本心理臨床学会の特設ページも参考にしてください。
講義を受けて
さて、いよいよ講義についてですが、「女性の軍事参加と男女平等」についての問いかけから始まり、ジェンダー概念、インターセクショナリティ、SM論争、クィア研究、アートとジェンダー、セックスワーク、イメージ表象や文学とジェンダー・・・といったように、さまざまなテーマが含まれていました。
毎週毎週、話題についていき、資料を理解し、頭を整理するのがなかなか大変でした。一方で、自分で勉強しているだけではスルーしていたかもしれないテーマに触れられたり、今まであまり理解できなかったテーマに触れて腑に落ちる部分があったりと、とても充実したものでした。
講義では「批判的に」というのがテーマの一つになっていて(私が思うに)、それぞれのトピックについて体系的に理解する、というよりも、問題のとらえ直しが重視されていました。
例えば、女性学・ジェンダー学の今までの成果として、
幸せなはずの「主婦役割」が検討の対象となった
生理や中絶、出産、育児など、学問の対象とされてこなかったものが研究されるようになった
タブー視されていたセクシュアリティについての研究が進み、性的少数者が可視化された
「家事」→「不払い労働」など、女性の経験の再定義がなされた
などが挙げられます(『よくわかるジェンダー・スタディーズ』ミネルヴァ書房、2013)。
よく「図」と「地」の反転、とも言われますが、それまで当然視されていたことを疑い、議論の俎上に載せています。
今では当たり前のように議論されるものですが、これらはまさしく「問題のとらえ直し」がなされてきたもので、ジェンダーの視点で見直すことで問題を浮き彫りにすることが可能となります。
今の段階では、例えば心理学のなかでこれをジェンダーの視点で考察したい!ということまでは言えないのですが、いつかは、心理学とも絡めて考えていきたいなと思っています。
それでは、今回は以上にします。
読んでいただきありがとうございました😊
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