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吉田(以下、よ) この前の話で、暑い寒いは自分から出る熱次第ってことはわかったけど、それなら服で調整した方が手っ取り早いんじゃない?

村田(以下、む) もちろん季節に合った服を選ぶのは大事だよ。冬にTシャツに短パンで暖房ガンガンつけて快適っ!ってのは、ちょっと贅沢な気分かもしれないけど、いろんな意味で長続きはしないよね。

よ) そんな特殊なケースを言ってるわけじゃなくて、寒かったら一枚羽織ればいいってことを言ってるんだよ。

む) お、珍しく“丁寧な暮らし”っぽいこと言うねぇ。

よ) 寝るときだって布団かぶれば、ちょっとくらい寒くても平気だしね。まぁ、朝布団から出るのが辛いのはあるけど。

む) 最近は夏も冬も「機能性」をうたった服も手軽な値段で売ってて、おれも愛用してるよ。ただ、風呂上りにまでそういう服着たくないし、一日外出しないで家にいるような時もそういう服が必須な家って、あんまり快適じゃないと思うんだよね。もちろん現状の解決策としては、家を何とかするより手っ取り早いけど。

よ) そりゃ、家建てるときに「ヒートテックがあるから寒さ対策は不要です」なんていう人はいないと思うけど。

む) それにさすがに家の中で手袋はしたくないでしょ。靴下の重ね履きだって、できればしたくないよね。あと、体の表面は服で覆ったとしても、空気が冷たいと肺や内臓が冷えちゃうからね。寝てるときだって布団の中は暖かいけど、部屋の空気が冷たかったら、それを吸い続けるのは体にもいい影響はないよ。

よ) なるほど。夏は服で調整も限界あるしな。服か家かの二択じゃなくて、大きな調整は家の役割、服と暖冷房で微調整って感じか。

む) 建築家のフンデルト・ヴァッサーって人が、「家は第三の皮膚」って言ってるんだよ。
第一の皮膚が自分の皮膚、第二の皮膚が衣服、第三の皮膚が住宅、第四が社会環境で第五が地球環境。こうやって並べるとどれが大事というより、どれかが著しく悪い状態だと、なかなか他の皮膚でカバーするのも難しいってこともわかるよね。

よ) 家を第三の皮膚とするなら、家の内側は直接肌に触れるインナーで、外側は雨風や日差しから守るアウターみたいなものだな。

む) そんな感じだね。内装や床、手に触れる部分なんかに自然素材が好まれるのもそういう理由だと思うよ。

よ) 「五つの皮膚」って面白い表現だな。家においてまず何が大事か考えさせられるよ。

む) 家を数字で表した言葉は他にもあるよ。「建物は6つのSで構成される」。

よ) おー、1個増えた!じゃあ、今度はそれ教えて!

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