ブルーノ・マッティ監督の映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」4Kリマスター版ブルーレイ超・特別版レビュー「みんな…冷静になれ…幾ら高邁な理屈を捏ねようと…この映画は…シラフで観る映画じゃねえんだよッ!」

ニューギニアの奥地に建造された研究所「ホープセンター」で
有毒ガスの流出事故が発生し,死んだ人間がゾンビと化して生者を襲う
未曽有のバイオハザードが発生する。

一方スペイン・バルセロナの米国大使館を
テロリストが占拠する事件を瞬く間に鎮圧した
SWAT隊の面々は休暇をニューギニアで取っており,
TV番組のクルーがゾンビに襲われているのを救う。

TV番組のクルーの生き残りと合流したSWAT隊は
バイオハザード発生の「爆心」を探し始める。

そうしている内にもゾンビ禍の蔓延は進行して行く。
彼等は旅の終点で何を見るのだろうか…。

映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」(1980年)の4Kリマスター版が
本邦の劇場で映画製作から43年の時を経て初公開されると聞いたときは
「あのロクデナシ映画が…?」
…と我が耳を疑ったが…昨年(2023年)7月18日に房総半島の南端から
新宿シネマカリテまで赴き…実際に映画を観に行ったときは
僕のアタマが暑さでイカレたと天を仰いだもんだ。

そのときの模様は
上記レポートにしてますので宜しかったらご一読ください。

会場配布のチラシと売店で購入したパンフレレット

売店で購入したポスターとTシャツ
みんなは「毒食らわば皿まで」って諺を知ってるかい…?
「こんなTシャツいつ着るんだ?」とか考えたら負け。
映画鑑賞は「祭り」であり…
縁日に財布の紐が緩んでロクでもないものを買うのは「仕様」なんだ…。

新宿シネマカリテのチケットと会場配布のステッカー
「新宿」なんて…掲示板に「XYZ」って書くだけの町だと思ってたのに…。

…で新宿シネマカリテに映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を
観に行ってから1年1ヶ月余り…。

本日スティングレイさんから映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の
ブルーレイとTシャツ(別の意匠)とステッカーが届いたって寸法さ…。

コレで死ぬまで映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を繰り返し再生出来ると言うワケさ…。
一生「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を再生し続ける運命の我が家の円盤再生装置…。
柴田亜美先生の漫画の「イヤな運命ッ!」って台詞が脳裏をよぎる…。

新宿シネマカリテで配布されたステッカーと…
オフィシャル注文先着特典のステッカーとで…
ステッカーがダブってしまった…。
豚肉と豚汁で豚がダブってしまった井の頭五郎の如き心境…。
オタクはなあ…「同じもの」が幾つあったっていいんだよ…。

「ゾンビ映画」には幾つもの名義があり…
映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」にもコレだけ名義があるんです…。
この柄ならコンビニに行っても不審者として通報されませんよね…?

ブルーレイの「中身」はこんな。

スティングレイ社の岩本克也代表による入魂のブックレット…
しかしその実態は…
映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」への罵詈雑言が並び…
こんなロクデナシ映画にこれだけの「仕様」を載せた円盤を構築出来るのは…
オレが世界一銀河一宇宙一…この映画を愛してるからだッ!
…と結ばれる岩本節が炸裂し…
やはり岩本代表にはDV夫の素養があり…
映画に馬乗りになってボコボコに殴った後に…愛を囁く激ヤバ男なのだ…。

今回の円盤の目玉は新録吹替搭載であって…
サントロ(フランコ・ギャロファロ)の
声の出演を務められた大塚明夫さんの…
「なんだ?オレの肉が食いたいのか…?」「この人喰い野郎ッ!」
「オレの腕が食いたいのか…?」「オレの手羽が食いたいのかッ!?」「ああ?」
とキレッキレの演技を披露されていて…
サントロのヤバさが2割増しになってます…。

みんな…冷静になれ…
幾ら高邁な理屈を捏ねようと…
映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」は…
シラフで観る映画じゃねえんだよッ!

…とは言え…
フランコ・ギャロファロをブルーノ・マッティ博士役として特別出演させた
ロシアのボンクラ・アレックス・ウェスリー監督の
映画「ゾンビ・インフェクション」…

映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」冒頭のふたりのボンクラ警備が
セクター9で襲われる場面をなぞって見せた
ベルギーのボンクラ・ロブ・セウス監督の
「ゾンビーズ・フロム・セクター9」(通称「ゾンビ9」)…

映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」やブルーノ・マッティに
最大の敬意を払うボンクラは確かにいて…
ボンクラ魂(ボンクラ・スピリッツ)は世界各地に遍在するのだッ!

本邦の岩本克也代表もまた…
今や堂々とボンクラの仲間入りをしたと言えるのだ。

「ゾンビ映画の大半は紛れもないゴミだ」と
ゾンビ映画大事典の著者・伊東美和氏は…
地球上に星々の煌めきの如く遍く存在する
ゾンビ映画を全て観た結論として断じておられる。

ソレは間違いではなく…
そんなゾンビ映画を「スキ」と言うには長い長い長い時間がかかるのだ…。
僕も…「ゾンビ3」を「スキ」と言うのに30年かかった…。
今でも「ゾンビ3」を「スキ」と言う度に唇が…
神をも畏れぬ大言壮語にブルブル震えるよ…。

映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」の
ブルーレイのブックレットに於ける岩本克也代表も…
「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を「スキ」だと言い…
思わず「おっと…何てこった…とうとう『スキ』って言っちまった…」と…
「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」に…
「スキ」を贈る行為への恐れを隠さない…。
岩本代表ほどの剛の者であろうとも…
「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を
「スキ」だと言うのに44年もかかったのだ…。

ゾンビ映画に…「スキ」だと言うのが…
どれ程の長い年月と…大変な決意を要するかを…
是非とも知っていただきたいのである…。

僕が「ゾンビ3」が「スキ」で…
岩本代表が「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」を
「スキ」な気持ちに噓偽りはない…。

ただな。

僕や岩本代表は…「良心の呵責」と戦いながら…
絞り出す様な気持ちで…「スキ」と言っているのである…。