映画「悪魔のサバイバル」レビュー「ランボー的マッチョイズムの敗北。」
学業はドベだがサバイバルゲームでは天下一のゼロ・ボーイズ3人組が今日も強敵の挑戦を退け、
女友達3人を連れて週末ドライブとしゃれこんだ。
途中山中で悲鳴を上げながら逃げる女を目撃し、追跡すると山小屋に出た。
折からの雨で小屋に足止めされた一行は思い思いの憩いのひと時を過ごすも、離れから再度の悲鳴。
離れに駆け付けるとビデオデッキがあり、再生すると先程の女が拷問されているではないか。
これはスナッフビデオだ。
また周囲で多数の人骨が発見され、
ゼロ・ボーイズの面々はこれはの何らかのゲームで自分達は何らかの挑戦を受けている
とゲーマーらしい推測するが、果たしてその通りだったのだ。
ふとした隙に女友達のひとりを誘拐され。離れからその彼女の悲鳴が。
離れには勿論ビデオテープがあり、
彼女が拷問椅子に拘束され、今にもあの女と同じ様に拷問が始まろうとしていた…。
序盤はゼロ・ボーイズのサバゲ―の模様が延々と描かれ、
ランボーかぶれのリーダーの活躍ぶりが描かれるも正体不明の相手からの攻撃が始まるとみるみる精彩を欠き、
ゲーマーのオタク知識が受け身に回り始める。
リーダーは女を勝者に授与されるトロフィー程度にしか認識していなかったが、
相手に追い詰められてからは女友達一同もゼロ・ボーイズに加勢する戦力として描かれる。
終盤は男女混合で脅威に対抗し、
男子→女子→男女混合と移り変わって行く模様は最早ランボー気取りの時代ではないと言わんばかりだ。
本作が「エイリアン2」の「強い女」の洗礼を受けた事を痛感させられる。
そう言えば本作に女友達の1人役として出演するクリスタル・カーソンはシガニー・ウィーバー似。
吹替はリプリー役を演ずる事の多い幸田直子氏が担当し、考える事は同じかと思った次第。
冷静に考えてさあ,年がら年中サバゲにうつつを抜かして,
人格も学業も二の次の男子に女子がベタ惚れになる訳ないじゃん。
大体怪我した女子への思い遣りがゼロで「足手まとい」って言うんだよ?
「モテる」「モテない」以前にオマエ人間としておかしいよ!
本作は低予算ゆえなのかグロもエロも主人公グループの死人の数も控え目だが、
例えばビデオデッキでクリスタル・カーソンが拷問椅子に拘束され、
いよいよ拷問が始まるのかッと期待すると「TO BE CONTINUED」とテロップ表示されるなど
遊び心にクスっと笑わされる構成に唸る。
「予算が無いなら工夫で乗り切る」本作の作風が僕は好きだ。