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映画「ザ・スイッチ」レビュー「映画「エクソシスト」への返歌」。

あのね。本作の「言いたい事」って殺人鬼(中年男)と女子高生の魂の入れ替わりのドタバタサスペンスだと思ってたら違うんだよね。
「本当に言いたい事」が別にあるの。
殺人鬼が女ばかりの主人公一家の不在の父親似に描かれ,
主人公一家の家に殺人鬼が押し入って
「女1人では子供達は育てらない」
「オマエ等女共には俺(=殺人鬼=男=父親)が必要なんだ!」
ってイキって,母親,姉,主人公が団結して,
殺人鬼の股間を蹴り上げ中指を立てる場面が「本当に言いたい事」なのだ。

これさ。映画「エクソシスト」で娘に悪霊が憑りついたシングルマザーが手を尽くしたんだけどどうしょうもないから神父(=FATHER=父親)に縋る場面で,
フリードキン監督は
「シングルマザーに子供は育てられない」「父親が必要なんだ」
と描いてて本作はフリードキンが下した結論に
「ふざけんなッ!」
って中指立ててる訳。
「シングルマザーに子供は育てられますうゥゥゥゥゥ」
「父親なんて要りまェェェェェん」
ってね。
本作の「言いたい事」はフリードキンへの異議申し立て。
「映画「エクソシスト」への返歌」って訳。

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