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山内大輔監督・川瀬陽太主演の映画「犬とナマズ」レビュー「山内監督と川瀬さんの…『強面(こわもて)の癖に愛くるしい』造形に…無限に萌えるのです…」

拙レビューは…先般投稿した第5回ゴアフェスレポートの…
「犬とナマズ」に関する言及を抽出し…
若干加筆したものです…
「この方が分かり易かろ?」
と思うてな…。

広域指定暴力団ナマズ組の正体不明の組長は…
自分の縄張りで勝手した奴を制裁する「仕置人」を数名飼っており…。
組の最高の仕置人が川瀬陽太…次席が海坊主と呼ばれていたが…
海坊主はテグスで絞殺するのだが…
川瀬は絶対に自分の「仕置の手口」を明かそうとしない…。
川瀬自身は自分のコトを…「組織の犬」と自称している…。

そんなある日…仕置対象となったオンナが…
実は海坊主とデキており…オンナに情が移り…
オンナの仕置を実行しないばかりか…
川瀬の仕置も妨げて来る有様…。
仕置人の「元締め」は…
川瀬に海坊主の仕置を命ずる…。

「仕置人を仕置する仕置人」
なんてソレ…一番燃える奴じゃん…
川瀬が最強のジョーカーであり…
文字通り組の「切り札」なのであるが…

川瀬は…葛藤の末…海坊主を仕置するが…
「川瀬の仕置」は未だ終わっていなかった…。

川瀬は…「殺してはならない相手」を殺し…
連絡係のオンナから最後通牒を突き付けられる…

「アンタ…一体自分が何をしたか分かってるの…?」
「アンタにはもう…何処にも安住の地はない…」
「アンタが死ぬまで追手はアンタを追い続ける…」

川瀬「組織最高の仕置人の…このオレを…一体…」
「組織の『誰』が仕置するって言うんだい…?」
「来るなら来い…」
「返り討ちにしてやる…」

本作は…ヤクザの抗争…必殺仕置人…怪獣映画…抜け忍もの…を経て…
組織に属さない凄腕の一匹狼の誕生までを描いた
「ハードボイルド」に着地し…
川瀬の背中が…滅茶苦茶カッコいいのである…。

川瀬が…本作最後の「仕置相手」に…
初めて「自分の得物」を見せる場面が…
もうね…漫画読んでるみたいに…
死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程死ぬ程…
カッコいいのだ…。

ソレにしても…
「ナマズ組」の組長ってどんな奴かと思ったら…
まさかの剛速球怪獣映画開幕ッ!

さて…映画上映前のトークショーで…
川瀬さんは本作のコトを「ヘルレイザー」と呼ばれ…
御自分を「ピンヘッド」だと言うのである…。

川瀬さん的に…
スーツケースに詰まったピクピク震えながら
「コロシテ…コロシテ…」
と哀願し続ける「生きているラザニア」に
エサを与え続ける自分のヨメのコトが念頭にあり…

「生きているラザニア」が…
善悪の彼岸から逃げて来たフランクであり…
そのフランクを養うヨメがジュリアに見えておられるのだろう…

本作に於ける「ジュリア=川瀬のヨメ」は…
非常にしばしば夫以外のオトコと…
激しい浮気ファックに及んでいるから尚更な…。

ソレで…川瀬さん御自身と言えば…
善悪の彼岸から「生きれているラザニア」を追って
出所した=現世に顕現したピン様を想定され…
「許せぬ外道を裁く」
苦行僧=ゼノバイトを念頭に演じておられるのだ…。

ナルホドです…。
川瀬さんは「組織に飼われた犬」の立場を越えて…
裁く鬼…裁鬼(さばき)を指向されていて…
些か以上に中二病的な設定…中二病的な得物が…
川瀬さんの思索の後押しをされているのだろう…。

素の川瀬さんをトークショーで拝見させていただいたのですが…
貫禄のある体格の強面に似合わずハニカミ屋でシャイで…

川瀬「オレは…サヨク!」「ドサヨクだから!」
と絞り出す様に発言されている姿に無限に萌えるのです…。

「暴力団の用心棒(仕置人)」や…
川瀬さん主演の「激怒」の狂犬刑事は…
どちらも「権力におもねる犬」と言う点と…
「暴力団」と「警察」は…「極右」という点で共通していて…
「オレは極右の飼い犬でも法の番犬でもないっ」
「オレはアウトロー(無法者)なんだっ」
と川瀬さんは仰られているのです…。

ゴアフェスで「犬とナマズ」上映終了後に
Tシャツとポストカードの販売が開始され…
ポストカードを購入すると…山内大輔監督御自ら
その場でサインを書いて下さる大盤振る舞い。
あんまり映画が素晴らしかったので…
監督のサイン中に…

僕「映画拝見しました…本当に…本当に素晴らしかったです…!」

と声を掛けたら…監督ったら…
すっかりハニカまれて顔を上げられない有様…
なんて可愛らしいヒトなんだろう…。

トークショーでは川瀬さんと一緒にハニカまれ…
「何なの…この可愛い生き物…」
って嘆息し…もうね…好感度無限大ですよ…。

もんの凄い強面のクセに…
こーんな可愛らしいサインしてからに…
ハグ…?
ハグして欲しいのかい…おふたりさん…

あのね。

今回のゴアフェスの最高傑作は本作…
山内大輔監督,川瀬陽太主演の
「犬とナマズ」で大決定だと思ってるよ…。

本作品にはピンク映画として撮られた18禁バージョンと…
アウトローの爆誕劇を描いた健全バージョンがあり…
今回見たのは「健全バージョン」だという…。

映画に「健全」も「不健全」もなく…
僕はただ…監督の内面が…
全て余すところなく見たいだけなので…
つまらない「区分」で…
この傑作映画の全貌が未だ見られぬコトを残念に思う…

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