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映画「要塞警察」+「真夜中の処刑ゲーム」籠城映画2本立てエクストリーム・エディションレビュー「『仕様』などどいうものは!『思想』によって幾らでも慣例を覆し得るのだッ!」

仮に貴方が日本語吹替の搭載された米国映画の円盤を購入されたとしよう。
パッケージを開封して円盤再生装置に円盤をセットすると…。
…恐らくデフォルト(初期設定)は英語音声+字幕であって,
吹替に切り替えたければメニュー画面等で音声設定を
第2候補の日本語(吹替)音声に切り替える必要があるだろう。
だって米国映画なのだから第1候補の音声は英語なのが当たり前。
日本語(吹替)は特典とか付録扱い。
それが普通。

だがな。

ちっとも「当たり前」じゃねえんだよ。

今僕の手元に映画「要塞警察」のブルーレイと映画「真夜中の処刑ゲーム」
のDVDがセットになったエクストリーム・エディションがある。

両作品の共通点は2つある。
1.両作品とも立て籠もって敵と戦う映画…籠城映画である点。
2.両作品とも日本では劇場未公開でTV放映が本邦初公開である点。

つまり多くの日本人にとって両作品ともTV放映が「初見」なのだ。
勿論そんな映画星の数ほどある。
だがTCエンタテインメントはその点を重視した。

つまり多くの日本人にとって両作品共にTV放映が「初見」であるなら
両作品に日本語吹替で初めて触れられた方が多いと言う事だ。

従って第1音声には最も馴染みの深い
日本語(吹替)音声が据えられるべきであって
円盤再生装置に円盤をセットしたなら
登場人物は日本語で会話しなければならないと
TCエンタテインメントは考えたのだ。

両作品ともに日本語(吹替)音声が第1音声に設定されているッ!

つまり!
TCエンタテインメントの『思想』が
下らねえ母国語優先と言う『仕様』の慣例を引っ繰り返したのだ。

勿論日本にも映画を母国語+字幕で観たい方はいる。
吹替なんぞに何の思い入れのない方もいる。

だが母国語が常に絶対的に優先されるべきと言う考えに異を唱え
自らの「思想」を優先し「仕様」を覆したTCエンタテインメントの所業を
僕は「快挙」と称えたい。
「思想」こそが最も重要であり
「思想」こそが「仕様」の主人であるべきと考えるが故である。

もうひとつ取り上げたいのは
映画「真夜中の処刑ゲーム」の尺に関してである。
「真夜中の処刑ゲーム」の尺(ファイナル・カット)は84分であるが
実は冒頭9分を別撮りした9分+84分=93分の長尺版が存在する。

では何故ファイナル・カットとは別に長尺版が存在するのであろうか。
それは本作が劇場公開されて不振だった場合,
TV放映で挽回する必要があるからである。
TVの映画番組の放送枠は2時間であってCMとか解説諸々を抜くと正味90分位以上の尺がないと「間が持たない」というTV番組特有の事情があり
本作の場合,ファイナル・カットの尺は84分であり
TV放映するには尺が足りない。
従ってこの場合冒頭9分間,「間を持たせる」為の別撮りを用意して
尺の長さを93分(>90分)にする絶対の必要があるのだ。
勿論尺は短すぎてもいけないが長過ぎてもいけない。
僕の所有する円盤再生装置は録画機も兼ねていて
「燃えよドラゴン」と「エスケープ・フロム・LA」の
吹替録画データの尺は92分(映画解説なし)。
恐らく92~93分が上限なのだと思う。
なるべく映画本編を長く収録したければOP/EDを切り詰めるしかない。

さて先に述べたように「真夜中の処刑ゲーム」は多くの日本人が
TV放映が初見であるから尺の長さが93分の「長尺版」を観ている。
従って本商品に収録されるバージョンは長尺版でなければならない。
長尺版が初見であることもそうだが
長尺版を日本語吹替で観せる絶対の必要があるからである。

本商品のDVDにはTCエンタテインメントの「思想」に従って
尺の長さが93分の長尺版が収録されている。

因みに「要塞警察」の尺は91分で全編吹替音源が搭載されている。

さて「真夜中の処刑ゲーム」は
2024年2月上旬現在フィールドワークス社が
ヒューマントラストシネマ渋谷で劇場公開している。

フィールドワークス社は本エクストリーム・エディション発売に
当たっても協力していて上映されるのは尺の長さが93分の長尺版だ。
勿論吹替だったら最高なのだが今回は「映画」だからね…どうなのだろう…?

同社からは今年(2024年)「真夜中の処刑ゲーム」の2Kリマスター版の
ブルーレイが発売される予定となっているが
仕様に関して微塵も不安を感じてない。

尺の長さが93分の長尺版に日本語吹替が搭載され
日本語(吹替)が第1音声になるものと信じて疑わないものである。

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