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映画「異端の鳥」レビュー「本作は難解な映画じゃない」

皆さん本作を「難しい映画」と思ってるでしょう?
この映画は要するにねマルコが行く先々で労働に従事して共同体に認められつつ旅を続け,自分を犯し続けた養父を殺し,道行く老人を襲って衣服と所持金を奪いながら生き別れの父を探す「母をたずねて三千里」を少しキツめにしただけの話なんです。

コレの一体何が難解なのか。
また本作は児童虐待でもない。
少年が厳しい環境下で実地で「目には目を」を学び取って,生きる為の狡さを身に付けて行く成長譚じゃないですか。
「可愛い子には旅をさせよ」を映像化してるだけ。
昔の名作劇場アニメは「その事」を熟知してたのに今は「ウチの子一等賞だから花丸をあげる」とか際限なく甘やかして「その事」を忘れてしまったから辛く感じるだけなのだ。
例え子供であろうと労働に従事しなければ共同体の一員と認められない。
食事が終わったら子供に食器の後片付けの手伝いをさせるでしょう?
アレと同じですよ。

長い旅の末に少年は父と再会する。
父の腕に刻印された「管理番号」を見て少年は自分を捨てた父を許し寄り添います。
少年は,この過酷な旅で「他人の苦しみに寄り添う気持ち」…つまり「思い遣り」を学び取って大人に成長したんです。

本作は難解でもなければ児童虐待でも無いと重ねて主張したいのです。

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