トニー・メイラム監督の映画「バーニング」レビュー「怒りのハサミジャガー爆誕!」
キャンプ場の管理人が悪ガキ達のイタズラで管理人小屋に放火され…
管理人は火達磨なって燃え上がり(「バーニング」の題名の伏線回収は早い)全身大火傷を負い…病院で5年間絶対安静状態で治療を受ける。
漸く管理人は退院の日を迎え…
担当医は
「キミはこれから…一生重い後遺症を抱えて生きて行くコトとなるが…」
「子供達のイタズラなど忘れて…前向きに生きるんだよ…」
などと助言するが…
そいつは…
そいつは無理でしょう…?
そいつは土台無理な相談ってモンでしょう…?
先生…。
そんなん出来るか…
そんなん出来るかボケッ!
やっちまえ!
僕は断然植木バサミを獲物にして
怒りのハサミジャガーと化した管理人を応援するよ!
管理人が久しぶりにシャバに出て…
「最初にやるコト」は…
「復讐」じゃないんですよ…
オンナを金で買って…
いざ鎌倉という段になって…
「ギャァァァ!」
「このッ!」
「化物がッ!」
と売春婦に罵詈雑言を投げつけられて…
「ムンクの叫び」の様な御面相となった管理人は…
最初にこの…売春婦を血祭りにあげるのです…。
前半はもう…ただひたすらにこの…管理人に感情移入し…
後半は,サマーキャンプのキャンプ場で
体育会系のいじめっ子に
いじめられる気弱な少年(塩屋翼)に感情移入する作り。
管理人に,いじめっ子が眼前で屠られたトキの,
いじめられっ子の嬉しそうな表情が本作に第一の見所で,
いじめられっ子の助力で体育会系主人公(善玉)が
管理人との戦いを有利に進める展開が第ニの見所と言える。
本作はさあ…。
「普段虐げられている人間」
に対する…温かな眼差しを感ずるのですよ…。
本作は,管理人や,いじめられっ子等…
「普段虐げられている人間」が…
ある時は青春を謳歌する体育会系男女を片っ端から殺し…
またある時は体育会系男女を貧弱なモヤシ君が助け…
「普段虐げられている人間が一度だけキラキラ輝く瞬間」
を活写することによって…
青春の輝きをも活写するから,
長年の愛好者が居るのだと愚考する次第。