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午後のロードショー「トレマーズ2」レビュー「アタマを使って危機を乗り越えるのが…『トレマーズ』の真骨頂なのに…『2』ではアールが全く『プラン』を立てないのである…」

パーフェクション・シティの住民とグラボイズとの攻防から7年…。
バル(ケビン・ベーコン)は妻帯し便利屋は廃業…
アール(フレッド・ウォード)はピンで牧場でダチョウの世話をしている…。

ソコにメキシコの油田管理会社のオルテガという男が尋ね…
メキシコでもグラボイズが出現し従業員を捕食し…
油田がひとつ廃業に追い込まれたと言う…。

ソコで7年前のグラボイズ退治の実績のあるアールを
メキシコに招き…グラボイズを退治して貰いたいと言うのである…。

今度はメキシコでグラボイズと戦争と言うワケだ…。

初見。

僕は寡聞にして
「トレマーズ2」が吹替で放送されたのを観た試しがない…。
「トレマーズ」から引き続き出演する…
アールの声の出演が内海賢二さんで…
バートの声の出演が小林清志さんであるから…
コレは「トレマーズ」のブルーレイに収録された
吹替と同じ配役であるから…
「トレマーズ2」のブルーレイに収録されている
ソフト版の音声かも知れない…。
バートもヘザーと別れた設定で…
結局「2」にはアールとバートのみが参加している…。

最初に言っておきたいのは…
この映画は「面白くない」と言うコトである…。

「トレマーズ」の面白さは人間とグラボイズの知恵比べであり…
追い詰められたパーフェクションの住民が
次々とアイディアを出す創意工夫の妙だと思ってる…。

ですが…この「トレマーズ2」には創意が皆無で…
アールの口癖の「プランを立てよう」も言わなくなった…。

車のオモチャに爆薬を仕掛け…
リモコンで動かしてグラボイズに食わせ…
リモートで起爆して倒す…の繰り返しとなる…。

「1」ではグラボイズも知恵を付け…
同じ轍を踏まない様になるのに…
メキシコのグラボイズには学習能力がないのだ…。

次に地形効果の話。
「1」ではパーフェクションや周囲の地形を利用して
グラボイズと戦う地形効果の妙があったのだが…
「2」では一面真っ平らな草原が広がるのみで…
「地形」もヘッタクレもない…。

もうね…展開が単調かつ平板極まりなく…
話に起伏がないのだ…。

ですが…「2」にもいい所があり…グラボイズが雌雄同体で…
性交渉を伴わずに子供を産むことが出来…
「グラボイズの子供」の姿が拝めるのである…。

グラボイズの子供には
ティラノサウルスの様な足が生えていて地上で活動し…
地中に潜らないのだ…。

もうね…全くの別物で…
先カンブリア時代からのグラボイズの形状が…
急激に変化し…地中から地上に活動の場を移す設定に…
脚本の「考えてなさ」ぶりが露呈してるのだ…。

この…「グラボイズの新種」が…
「2」の最大の見所と言える…。
「グラボイズの新種」は熱センサー的器官を持っていて…
プレデターの様に…敵が赤外線を通して…
熱を持った部分が赤く見えるのだ…。

僕ね。
人間が知恵の限りを尽くす映画がスキなんです。
最初の「ダイ・ハード」が面白いのは…
「高層ビル」って舞台装置を
ブルース・ウィリスが最大限に活用する点にあるワケで…

「トレマーズ2」では舞台装置が皆無で…
メキシコの草原にアールとバートをポンと置いとけば…
自ずと面白くなる筈…という…「投げっ放し」な部分があり…
「面白くする」のは役者ではなく
脚本家であると僕には思えてならず…
「トレマーズ2」が「面白くない」のは…
ひとえに「1」の人気にぶら下がって…
「2」を面白くする努力を放棄した…
脚本家の怠慢より発するのだ…。


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