映画「黄金のランデブー」レビュー「アリステア・マクリーンが描く「ダイ・ハード」」。
南米からカリブ海に向けて出航した豪華貨客船カリビアン・スター号。
航海まもなく乗組員が何者かに殺害され
世界のVIPの集う優雅なクルーズに暗雲が立ち込める。
一等航海士カーター(リチャード・ハリス)は極秘に捜査を進め
病人セルダン(ロバート・ビーティ)の介護人に狙いをつけるが
マシンガンで武装した一団がホールに乱入し
乗客の一部を射殺し船を制圧した。
彼らを指揮するのは
客として乗り込んでいたカレラス(ジョン・ヴァ―ノン)だった。
武装集団の計画を単身阻止しようとするカーターだが
彼らの恐るべき計画の全貌が次第に判明してゆくのであった…。
アリステア・マクリーンの同名原作小説を映画化した本作品。
本作品の主な舞台となるカリビアン・スター号の外観が
どう見ても貨物船にしか見えず
何故世界のVIPが乗船するのかを疑問に思われる向きもあるだろう。
当然ながら「理由」があるので少々解説したい。
まず「貨客船」なる見慣れない単語だが「貨客船」と「貨物船」の違いは
旅客定員数13名以上の貨物輸送のできる船舶を「貨客船」と呼び
旅客定員13名未満で貨物輸送のできる船舶を「貨物船」と呼んでいる。
マクリーンの原作小説でも上記の定義を踏まえて
カリビアン・スター号を「貨客船」と呼んでいる。
(以下,本作品の内容に相当踏み込んでいるので御注意願いたい。)
またカリビアン・スター号はランデブー地点で
輸送船ユニコーン号に積載された相当重量のある金塊を
カリビアン・スター号に移し替える必要がある。
つまり貨物船級のクレーンが装備されていない船舶では話にならないのだ。
本作品におけるリチャード・ハリスの体の張りぶりは
「カサンドラ・クロス」を遥かに凌駕し
最早「ダイ・ハード」に匹敵している。
リチャード・ハリスは僕的には
「ジャガーノート」「カサンドラクロス」「ワイルドギース」の人なのだが近年では「ハリーポッター」のダンブルドア校長役の方が著名だろう。
本作品はスティングレイ社から吹替搭載でDVD化されたが
今や廃盤となり大変なプレミアが付いている。
BD化を切望する次第である。
本作品の音楽はジェフ・ウェインが担当している。
機械があれば体内の血液が沸騰する熱い熱い主題曲を堪能して欲しい。
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