映画「アナコンダ」レビュー「全編!ジョン・ボイトの接待映画と言える。」
文化人類学者のケイル博士は幻の先住民族シリシャマ族を探しに
恋人で映画監督のテリーと撮影隊を引き連れアマゾンへとやって来た。
途中ボートが座礁し難儀してる男サローン(ジョン・ボイト)を救助すると
彼は「シリシャマ族を見た」と主張するので
渡りに船とばかりにガイドを頼むが
大蛇アナコンダが次々とクルーに襲い掛かり始める。
サローンは大蛇に取り憑かれ半生を捧げた男であり
次第に一行の暴君として振る舞い始め
彼等を手足の様にこき使い大蛇の生け捕りを目論むのであった…。
午後のロードショーで「アナコンダ」をやっていたので視聴。
撮影隊総勢7人はモブ(群衆)キャラに過ぎず
キャラクター造形はきっわっめってっ類型的で個性は全く無い。
だがそれは監督がヘボなせいでは断じてない。
この映画そのものがジョン・ボイトの接待映画であり
ただただボイトに気持ち良く演じて頂く為に脚本が構築され
ボイトはあるときは
「大蛇の捕獲が最優先でクルーの生命は一切考慮しない」
「エイリアン」のアッシュであり
またあるときは大蛇に取り憑かれ,その生け捕りに半生を捧げた
「ジョーズ」のクイントであり
ヒロインはボイトに色目を使い
ボイトが大蛇に飲み込まれる際は
大蛇の内部からじっくりと彼が飲み込まれる模様を撮影し
大蛇が吐き出した溶解液でドロドロに溶けかかったボイトが
ヒロインにウインクする有様。
つまり本作はボイトの「俺様映画」であって
他の登場人物やシリシャマ族は勿論大蛇ですらも「モブ」に過ぎないのだ。
ジョン・ボイトの熱心なファンにとっては大変な「御褒美映画」と言える。
CGのアナコンダ君も健闘していて
ヌルヌルと良く動いて助演男優賞位は与えてやっても良いだろう。