映画「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」レビュー「真夜中の散歩を再開したくなる映画です。」
21世紀を生きるふたりの吸血鬼
アダムとイヴ(ティルダ・スウィントン)の話。
アダムはミュージシャンでイヴは読書家。
深夜のドライブや廃墟の探訪がめっちゃ好み。
イヴが日本円を所持し読書家の彼女が悠久の時を経て吟味に吟味を重ねた
愛読書に白石一郎の「海狼伝」が含まれていて嬉しい。
昔の様に月明かりのもと雲が流れるのを眺めながら
深夜の散歩に出掛けたくなる不思議な作風。
ホントにね。ジャームッシュ監督の「趣味」だけで構築されてるの。
イヴの破天荒な妹エヴァは
ふたりの静謐な日々を破る話の掻き回し役。
起承転結で言ったら「転」。
僕は起承承承…(永遠に続く)で良かったけど,
それだと話が終わらないものね。
吸血鬼ですもの,霞を食って生きる訳には行かないよね,
ってホンの少しだけ生々しいオチも好き。