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テレ東 サタ☆シネ ギレルモ・デル・トロ監督の映画「ミミック(1997年)」(吹替)レビュー「原型」。
ゴキブリを媒介とする小児ばかりが罹患する
難病ストリックラー病の根治を依頼された
昆虫科学者のスーザン(ミラ・ソルヴィーノ)は…
遺伝子操作によって…ゴキブリの天敵とするべく
カマキリとシロアリのキメラを創造し…
このキメラを「ユダの血統」と名付け…
ニューヨークの地下道にばら撒く。
あ”あ”あ”あ”あ”…この時点でもう…イヤな予感しかしねえ…。
「ユダの血統」は…ゴキブリを退治し…ストリックラー病は根絶し…
「ユダの血統」はオスが1匹しかおらず…
メスは100%生殖能力はなく…従って半年もすれば絶滅する予定だ…。
そして3年の歳月が流れる…。
仮に…もしも仮に…「ユダの血統」が絶滅していなかったら…
彼等が遺伝子操作の弊害で急速に知恵を付け…進化し…
「長生き」出来るよう「繁殖」出来るよう…画策し始めたとしたら…
最大の天敵…人間に擬態(ミミック)して人間社会に溶け込み始めていたら…我々は「最大の天敵」を…自ら生んだのやも知れぬ…。
初見。
あのう…この話…
「前半」は侵略SF映画として本当に面白く…スリリングなんです…。
ですが「ユダの血統」は言う程知能が高くなく…
「進化したアリ」という設定なのに
「女王」も「ロイヤルガード(親衛隊)」もいない。
つまり指揮官がいないから…
「軍隊アリ」が機動性を生かせず…てんでんばらばらに行動している…。
映画の「後半」は「エイリアン2」を模しており…
スーザンがリプリー…
「進化したアリ」に…地下道に引き摺り込まれた…
コトバが上手く紡げない少年は勿論ニュート。
スーザンの役立たずのボーイフレンドは…ヒックス…?
まあ役立たずなどどうでも宜しい…。
あのね。
僕が言いたいのはね。
コレだけ「エイリアン2」をパク…参考にしておきながら…
なんで肝心要のエイリアンクイーンを参考にしねえんだよ!
ってコト。
役立たずのスーザンのボーイフレンドが…卵の貯蔵室に侵入するが…
当然クイーンもロイヤルガードもいないから火の付け放題。
じゃあ…たった1匹のオスが「王」なのかと言えば…
単なる「種付け係」で実権はゼロで…
メス1匹使役出来ない上に…守備力ゼロでよわっよわ…
何だよコレ!
つまり!
この映画には!
「中ボス」も「ラスボス」もいないんです!
ヘッポコボーイフレンドが産卵室に火を放つだけ。
カタルシスゼロ。
何より…「擬態」って言う程…人間に似てねえ…。
従って「進化したアリ」にこれっぽっちも「脅威」を感じねえ…。
デルトロォォォォォ!
オマエ程のオタクが…一体何故ェェェェェェェェェェ…。
こっから先は100%僕の想像です。
だから…全く参考にしなくていい…。
この「ミミック」を御覧になられた
漫画家の冨樫義博先生は恐らく…
僕と同じ様に「デルトロォォォォォ」と絶叫され…
冨樫先生は…
「デルトロ…オレが…『ミミック』を叩き直してやるから心配するな…」
と…ニチャァァァっと微笑まれ…
先ず「進化したアリ」に女王を設定し…
女王は一子メルエムを生み…
女王は来るべき王の為に…
ネフェルピトー,ユピー,シャウアプフという…
ウルトラ強力なロイヤルガード(親衛隊)を3体も生んで逝去…
メルエムは生まれながらにして「進化したアリ」の王となり…
メルエムは勿論「進化したアリ」の中で最も強く…
ロイヤルガードはメルエムに次いで強い存在となった…。
メルエム(とロイヤルガード)は
人間を凌駕する程の高い知性の持ち主でもあり…。
人類は彼等を「キメラアント」と呼び…
未曾有のバイオハザードの発生に恐怖し…
なりふり構わず「キメラアントの王」の撃滅を…
ハンター協会会長ネテロに厳命する…。
「王」さえ倒せば…キメラアントは雲散霧消する…。
「ミミック」に於ける「擬態」は…
「キメラアント編」では食った人間の性質や記憶が残る
「デビルマン」的設定に改変されている…。
「ミミック」が1997年公開で…
ハンターの「キメラアント編」が描かれ始めるのが1998年だから…
この当て推量…それ程的を外しているとは思ってないよ…。
つまり…「ミミック」は
「キメラアント編」の元ネタなのではないかしら…。
逆に言えば…僕が「ミミック」を観ていて全然物足りないのは…
「キメラアント編」を履修した後だったからである…。
あとさ。
この映画…「虫」がダメなヒトが観たら…
泡吹いて死にます…。
でっかい虫がこっちに向かって飛んで来る場面で
僕も漏れなく死にました…。