セバスチャン・セグラースキ監督のウルトラジャーマンゴアホラー映画「バイオレント・オブセッション ゴアフェス限定エディション」レビュー「監督が描くはダンテの「神曲」地獄篇!人には死ぬ迄学び続ける大いなる特権と義務があるッ!」

人生の道の半ばで
正道を踏み外したワタシが…
目を覚ましたトキには暗い森の中にいた…
その苛烈で荒涼とした峻厳な森が…
如何なるものであったか…
口にするのも辛い…
思い返しただけでゾッとする…
その苦しさにもう死なんばかりであった…
(ダンテの「神曲」地獄篇第1歌より抜粋)

1300年春…
ダンテは35歳のトキに暗い森の中に迷い込む…
「暗い森」は彼の罪深い生活の寓意なのだ…

今またひとりのオトコが罪深き暗い森の中に迷い込む…
仮に名前を「ダンテ」としておこうか…。

ダンテは…
キチガイの人殺しの猟奇拷問魔であり…
被害者を拉致監禁して
拷問を加えておるワケだが…
最近拷問の手口の考案に行き詰まっている…。
被害者をもっと長く…もっと苦しめる拷問はないものか…。

ソコに…彼にとっての導師ウェルゲリウスが出現する…。
「ウェルゲリウス」は…
マイケル・マイヤーズが…
銀河帝国皇帝の仮装をしたが如くの風体であるが…
コレからダンテを導き…地獄を案内しようと言うのである…。

VIDEO VIOLENCE RELEASING(VVR)という…
海外の…死ぬ程尖がったウルトラゴアホラー映画の円盤を
日本で密かにリリースするレーベルがあり…
好事家垂涎の作品を提供する地獄のサンタクロースこそが
ヒロシニコフ代表なのである…。

さて…ヒロシニコフ代表が主宰するVVRは…
5年前(2020年)から12月になると東京池袋の新文芸坐にて
日本の劇場で未公開の
ウルトラゴアホラー映画をオールナイト興行で上映する
「ゴアフェスティバル(=通称ゴアフェス)」を主催し…
僕も第3回目以降から可能な限り参加している…。

更に…昨年(2023年)からは物販コーナーで…
ゴアフェス会場限定の…
ウルトラゴアホラー映画の円盤がリリースされ…
当日当夜当場所でないと購入出来ない…。

昨年はゴアフェスよりも
オトナプリキュアを優先した為欠席した僕は…
捲土重来を果たすべく…今年のゴアフェスに参加し…
物販コーナーで…
2023年度のゴアフェス限定の
ウルトラゴアホラー映画「バイオレント・オブセッション」と…
2024年度のゴアフェス限定の
ウルトラゴアホラー映画「デッドバタフライ/リフレッシュ」
の円盤を購入し…漸く溜飲を下げたと言うワケだ…。

「バイオレント・オブセッション」は…
ダンテの「神曲」を下敷きにしたウルトラゴアホラー映画で…
自分の拷問に行き詰まりを感じた…
まこと罪深き人生を送るダンテ(仮称)が…
暗い森の中に迷い込み…
導師ウェルゲリウスの導きで地獄の責苦を目撃し…
新たな拷問に開眼し…自信を取り戻し…
拉致監禁した少女に…
地獄仕込みの「地獄の責苦」を加えて行くまでを描いた
約34分の…哲学的思索と共に拷問を追究する短編映画だ…。

ダンテ「『チンコ』は…ヤーポンのノリマキの様に…」
「輪切りにするのが最適解と思っていたが…」
「マツタケのオスイモノの様に『縦に割る』のもアリやも知れぬ…」

本作に於いて男性器は全く隠蔽されず…
勃起した男性器の尿道から有刺鉄線を突っ込み…
更には有刺鉄線を出したり入れたりする
痺れる様な拷問が頻出する…。

本作の最後で「ウェルゲリウス」の正体が判明するが…
「思索」と言うものの本質を良く捉えた…
納得も得心も行く結末と言える…。

ウェルゲリウス「『痛み』は『陣痛』を発祥とする…」
「ヒトは『痛み』と共に生まれ…」
「『痛み』と共に死んで行く…」
「ダンテよ…『痛み』の追究こそがオマエの使命なのだ…」

映画を観るのに…
「教養」が要らないなんて全然思わない…。
「教養」は荷物にならない上に…
何度となく我が身を助けてくれている…。

人間には…一生勉強を続ける大特権と大いなる義務があり…
マナブことこそが僕の人生の意味の全てなのだ…。

「未来永劫無知蒙昧昧無学文盲な邪鬼のままでいい」

ワケないでしょう…?
人間になるには…「マナび」は必須なのですよ…。