映画「ヘルナイト」レビュー「リンダ・ブレアの「今」を逆手に取った脚本の勝利だ!」
リンダ・ブレアは若者が青春を謳歌するなか
自動車修理工の父を手伝いながら進学するも
新歓パーティで過剰な賓客待遇を受け場違いなドレス姿を披露。
その彼女の姿は
映画「エクソシスト」で天才子役として鮮烈にデビューしておきながら,
その後パッとせず,
かといって彼女の「エクソシスト」での功績を軽んじる訳にも行かない
撮影現場で,ただ持て余されるだけの
「扱い辛い存在」と成り下がった彼女の「今」の戯画なのだ。
オマケにブクブク太りやがって。
「今」のリンダ・ブレアを「豊満」と擁護する方がいるが
コレが「豊満」なら僕は相撲中継の度に欲情しているよ!
そんな彼女に妖魔が迫り車はお約束通りエンスト!
だが彼女は父から継いだ職能を生かし車を冷静に修理し妖魔と対決する!
彼女の苦労と屈辱と汗に塗れた「これまでの人生」は
決して無駄ではなかったのだ。
妖魔を打ち滅ぼした彼女の長い長い「ヘルナイト」が明けて,
朝日がその身を包む。
朝日が差す中,歩き始めるリンダ・ブレアは,
ありとあらゆるしがらみから解放されたかの様に見える…。
彼女の「今」を逆手に取った脚本の勝利だ!
リンダ・ブレアは本作でラジー賞(最低女優賞)を受賞したと言う。
僕はドラえもんにタイムマシンを借りて当時の審査会場に乗り込み
節穴揃いの審査員達に「バカめ!」と言ってやる!
本作品のブルーレイには日本語吹替が搭載されている。
クイン・ベリル(潘恵子),兜甲児(石丸博也),アンパンマン(戸田恵子),
キシリア・ザビ(小山茉美),うる星やつらのチビ(二又一成),
パプテマス・シロッコ(島田敏)等の名演が
本作のランクを一段階上げている。