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アニメ「悪役令嬢転生おじさん」第5話「おじさん,二刀流で行く」レビュー「『悪役令嬢転生おじさん』の…同心円状の世界構造…」
前回…グレイスの炎の様な猛々しい気性より発する「火属性」と…
日常問題を水の様に受け流して来た憲三郎の「水属性」が相反し…
グレイス(憲三郎)の使い魔となるべきビーストの孵化は「難産」を極めたが…
ゲームプレイヤーの憲三郎の娘・日菜子(ひなこ)による
「神の見えざる手」による干渉を受け…ビーストの孵化が強行され…
「生まれながらにハンディキャップを背負った子」
相反する火属性と水属性を併せ持ち…
今後育成に多大な困難が伴うコトが予想されるビースト…
古代龍(エンシャント・ドラゴン)が誕生した…。
魔法学園始まって以来の珍事に…学園長はグレイスに質問する…
学園長「グレイス…キミは…何か心当たりがあるかね…?」
グレイス「あります…」
「ワタクシは魔法学園入学直前に落馬して…頭を強打し…」
「それ以来…『もうひとりのワタクシ』の存在を…」
「強く意識しております…」
「『もうひとりのワタクシ』は…」
「壮年の男性の姿形をしており…」
「非常に視野が広く…」
「物事を俯瞰的に見詰め…」
「ワタクシに…これからどう生きるべきか…」
「道を指し示してくれている様に思われるのです…」
「まるで…ワタクシの『父親』の様に…」
「ワタクシ…最近『人が変わった』とよく言われます…」
「ソレは…」
「ワタクシの中に…」
「『父親』が出現した故ですわ…」
憲三郎は…学園長に…
真正直にグレイスの中に自分…
憲三郎がいると伝えようとしたのだが…
「ゲームシステム」がソレを許さず…
優雅変換(エレガントチート)による強制力で…
グレイスに上記の如き言葉を吐かせたのだ…。
学園長はグレイスの発言を呻吟し…次の様に助言する…。
学園長「グレイスくん…」
「ソレは…キミが成長したというコトではないだろうか…」
「キミの…学園生徒の模範足るべしという責任感が…」
「キミの超自我が…『父親』として顕現し…」
「キミの行動を左右し始めた…」
「ワタシは…そう考えているよ…」
ところで…学園長の求めに応じて…
グレイスは自分の使い魔に魔法を使わせる際…
グレイス「オリオン!炎を吐きなさい!」
と口走る…。
憲三郎「『オリオン』?」
「『オリオン』とはこのビーストの名前か…?」
「何故オリオンなんだ…?」
「何故ワタシはその名前を知っている?」
「ソレに…この…『オリオン』の…」
「火魔法と水魔法の使い分けが…」
「何故ワタシに分かる…???」
超自我「憲三郎」は知る由もないが…
ゲームプレイヤーの日菜子がビーストに…
「オリオン」とドラクエ式入力法で名前を付け…
オリオンに火魔法と水魔法の使い分けを行わせているのだ…。
つまり超自我「憲三郎」から見て…
日菜子は「超々自我」とでもいうべき存在で…
グレイス本体は超自我憲三郎を認識出来ないのと同じ様に…
超自我憲三郎は超々自我日菜子を認識出来ず…
グレイスを超自我憲三郎が動かし…
その超自我憲三郎の行動を超々自我日菜子が左右しているのだ…。
つまり…グレイスと憲三郎の二人羽織関係…
憲三郎と日菜子の二人羽織関係が成立していて…
言わばグレイスは憲三郎と日菜子の「三人羽織」で
アツアツのちくわぶを食わされているのだ…。
しかも超々自我の日菜子もまた…
「ゲームシステム」に行動を左右されており…
「ゲームシステム」が超々々自我として鎮座しているのだ…。
分かりにくい…?
「分かりにくい」トキは…「マンガを描け」と
オッサン…会社で習ったんだ…。
グレイス 自我
憲三郎 超自我
日菜子 超々自我
ゲームシステム 超々々自我
という同心円構造が成立しているのが…
この…「悪役令嬢転生おじさん」の世界構造なんだよ…赤ちゃん…。
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「悪役令嬢転生おじさん」の…
グレイス<憲三郎<日菜子<ゲームシステムの…
同心円世界構造!
何はともあれ…学園長はグレイスの使い魔オリオンの
火魔法と水魔法の威力を目の当たりにして…
学期末のマジックエグゼビジョン(公開魔法展示会)の代表に
グレイスを推挙する…。
「マジックエグゼビジョン」は…
アンナとヴィルジール殿下の親密度を上げる絶好の好機であり…
グレイスは学園長の申し出を受けはするものの…
グレイス「学園長…お申し出は有難く受けますが…」
「アンナ…これからしばらく…風魔法の使い手にして…」
「ワタクシの婚約者…ヴィルジール殿下に師事なさい…」
「殿下の下で…風魔法の何たるかを学ぶのです…」
アンナ「でッでも…ワタシはグレイス様の下で…」
グレイス「…何か酷く勘違いなさっている様ね…アンナ…」
「来るマジックエグゼビジョンに於いて…」
「ワタクシを補佐し…ワタクシのパートナとなるべき…」
「『風魔法の使い手』が…」
「『無能』ではワタクシが困るのです…」
「ワタクシの私利私欲の為に…」
「アナタは…」
「ヴィルジール殿下に師事せよと…」
「ワタクシはアナタに…」
「命令しているのですよ…アンナ…」
憲三郎的には「悪役令嬢として」
最善の振る舞いをしたと自負していたのだが…
アンナは…次の様に反応する…
「わッワタシがッ…」
「グレイス様のパートナー…ッ!」
「……………………」
「分かりましたグレイス様ッ!」
「この…不肖アンナ・ドール身命を賭して…」
「ヴィルジール殿下に師事させていただきますッ!」
「『グレイス様のパートナー』としてッ!」
「グレイス様に恥をかかせない為にッ!」
ヴィルジール殿下は殿下で…
「そういうコトなら…」
「喜んでアンナを指導しよう…」
とアンナのグレイスに対する好感度も…
殿下のグレイスに対する好感度も…
天井知らずに上がって行くのだった…。
コレさあ…コミカルに描かれているケド…
「ゲームシステム」も影から手助けしてるよね…。
極端な話…グレイス(憲三郎)がナニやっても好感度が上がる様に…
ひょっとしてこの乙女ゲーム…
あんまり難易度が高くなく…しかも出来が良くないのでは…
一体グレイス(憲三郎)に…ナニをさせる心算なんや…ゲームシステム…。